建設業の許可とは?申請要件・種類・手続きを完全解説
建設業の許可とは?申請要件・種類・手続きを完全解説
建設業を営むためには、原則として国土交通大臣または都道府県知事の建設業の許可が必要です(建設業法第3条第1項)。許可なしに建設業を営んだ場合は3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
本記事では、建設業許可の種類・要件・申請手続きをわかりやすく解説します。
建設業の許可が必要なケース
以下のいずれかに該当する場合、建設業の許可が必要です。
- 1件の請負代金が500万円以上(建築一式工事の場合は1,500万円以上、または延べ面積150㎡以上の木造住宅工事)の工事を請け負う場合
※ 上記金額未満の「軽微な工事」のみを請け負う場合は許可不要です。
建設業許可の種類
大臣許可と知事許可
| 区分 | 対象 | |---|---| | 国土交通大臣許可 | 2以上の都道府県に営業所を置く場合 | | 都道府県知事許可 | 1つの都道府県にのみ営業所を置く場合 |
一般建設業と特定建設業
| 区分 | 対象 | |---|---| | 一般建設業 | 下請に出す金額が4,500万円未満(建築一式は7,000万円未満)の場合 | | 特定建設業 | 1件の工事で下請に出す合計金額が4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上)の場合 |
業種区分
建設業許可は29業種に分かれています(土木工事業・建築工事業・大工工事業・左官工事業・電気工事業など)。業種ごとに許可が必要です。
許可要件(5つの要件)
建設業法第7条・第15条に基づき、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。
1. 経営業務の管理責任者(経管)の要件
法人の場合は常勤の役員、個人の場合は事業主本人が次のいずれかに該当すること。
- 建設業の役員等として5年以上の経験
- 建設業の財務管理・労務管理・業務運営の業務経験5年以上(経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者)
2. 専任技術者の要件
営業所ごとに常勤の専任技術者を置くこと。
一般建設業の場合:
- 国家資格(施工管理技士、建築士等)の保有
- 大卒後3年以上、高卒後5年以上の実務経験
- 10年以上の実務経験
特定建設業の場合:
- 1級の国家資格または指定学科卒業後の実務経験(一般より厳格)
3. 財産的基礎・金銭的信用の要件
一般建設業の場合(いずれかを満たすこと):
- 自己資本が500万円以上
- 500万円以上の資金調達能力(銀行の融資証明等)
特定建設業の場合(すべてを満たすこと):
- 欠損の額が資本金の20%を超えないこと
- 流動比率75%以上
- 資本金2,000万円以上
- 自己資本4,000万円以上
4. 誠実性の要件
請負契約に関し不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと。
5. 欠格要件に該当しないこと
以下に該当する者は許可を受けられません(建設業法第8条)。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 不正の手段で許可を受けたことにより取り消されて5年を経過しない者
- 禁固以上の刑に処せられて5年を経過しない者 など
申請手続きの流れ
- 管轄の確認: 営業所の所在地により、都道府県庁または地方整備局に申請
- 書類の準備: 申請書一式・経管の証明書類・専任技術者の資格証明・財産要件の証明書等
- 申請書の提出: 正本1部・副本1部を窓口に提出(電子申請も可能)
- 審査: 約30〜90日程度(都道府県により異なる)
- 許可通知: 許可番号が付与された許可通知書の受領
申請手数料
| 区分 | 手数料 | |---|---| | 知事許可(新規) | 90,000円 | | 大臣許可(新規) | 150,000円 | | 更新 | 新規と同額 |
許可の有効期間と更新
許可の有効期間は5年間です。引き続き建設業を営む場合は、有効期間満了の30日前までに更新申請が必要です(建設業法第3条第3項)。
よくある質問
Q. 軽微な工事だけ行う場合でも許可が必要ですか? A. 原則不要です。ただし、軽微な工事であっても発注者から許可取得を求められるケースが増えているため、事業の信頼性向上のために取得する事業者も多くいます。
Q. 個人事業主でも取得できますか? A. はい、取得できます。ただし、個人から法人成りした場合は許可が引き継がれないため、法人として再申請が必要です。
Q. 複数の業種の許可を同時に取得できますか? A. はい、1つの申請で複数業種の許可を同時に申請できます。
まとめ
建設業の許可は、建設業法に基づく重要な許認可です。取得には経管・専任技術者・財産要件など複数の要件を満たす必要があり、手続きも複雑です。要件確認や書類準備には行政書士等の専門家への相談も有効です。
出典: