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古物商許可の申請方法を完全解説|必要書類・費用・審査期間・よくある失敗まで

古物商許可の申請に必要な書類・費用(19,000円)・審査期間(約40日)・申請の流れをわかりやすく解説。個人・法人別の書類チェックリストと、申請でよくある失敗パターンも紹介します。

許認可ナビ編集部·

この記事でわかること

  • 古物商許可が必要なケース(どんな人に必要か)
  • 申請できない人(欠格事由)
  • 必要書類の一覧(個人・法人別チェックリスト)
  • 申請の流れ(STEP1〜4)
  • 費用:19,000円 / 審査期間:約40日
  • 申請書「行商する/しない」の正しい選び方
  • よくある失敗パターンと対策
  • インターネット販売を行う場合の追加手続き
  • 許可取得後に必要な義務

古物商許可が必要なケース

「古物」とは、一度使用された物品(または未使用でも取引された物品)のことです。古物を「業として」売買・交換・レンタルする場合は、古物営業法に基づく古物商許可が必要です。

許可が必要な例

  • リサイクルショップ・中古品販売店の運営
  • フリマアプリ・ネットオークションでの中古品売買(継続的・営利目的)
  • 中古自動車・バイクの売買
  • 古本・中古CD・中古ゲームソフトの売買
  • 質屋業

許可が不要な例

  • 自分が使った物を個人的に売る(不用品売却で利益目的でない場合)
  • 製造元から直接仕入れた新品のみを販売する場合

「継続的に利益を得る目的」があれば、1件の取引でも許可が必要と判断されるケースがあります。迷う場合は管轄の警察署(生活安全課)に相談するのが確実です。

取得できない人(欠格事由)

古物営業法第4条により、以下に該当する人は古物商許可を取得できません。申請前に必ず確認してください。

個人の場合

  • 18歳未満の未成年者
  • 破産手続開始の決定を受け、復権を得ていない者
  • 禁錮以上の刑に処せられ、執行終了(または免除)から5年を経過しない
  • 古物営業法・刑法・暴力行為等の特別法違反で罰金刑を受け、執行終了から5年を経過しない
  • 住居の定まらない者
  • 古物商・質屋の許可を取り消されてから5年を経過しない者
  • 暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

法人の場合

上記いずれかに該当する役員(代表者・取締役・監査役等)がいる法人は取得できません。

申請書類の「誓約書」は、これらに該当しないことを自己申告するものです。虚偽申請は厳しく罰せられます。

申請前の準備

申請に進む前に、以下の3点を確認・決定しておきます。

1. 営業所の確定

古物商許可は「営業所ごと」に取得が必要です。自宅を営業所にすることも可能ですが、賃貸物件の場合は大家から古物商業務での使用について同意を得ておくことが推奨されます。

2. 取り扱う古物の品目を決める

古物は以下の13品目に分類されており、申請書に取り扱う品目を記載します。

  1. 美術品類
  2. 衣類
  3. 時計・宝飾品類
  4. 自動車
  5. 自動二輪車および原動機付自転車
  6. 自転車類
  7. 写真機類(カメラ・双眼鏡等)
  8. 事務機器類(PC・スマートフォン・コピー機等)
  9. 機械工具類
  10. 道具類(家具・食器・スポーツ用品等)
  11. 皮革・ゴム製品類(バッグ・靴等)
  12. 書籍
  13. 金券類(商品券・ギフトカード・航空券等)

複数品目を取り扱う場合は全て記載します。品目を後から追加する場合は変更届が必要になるため、将来取り扱う可能性のある品目は多めに申告しておくことをおすすめします。

3. 個人申請か法人申請かを決める

どちらでも申請できます。法人の場合は役員全員分の書類が必要になるため、準備コストが増えます。

必要書類一覧(個人申請)

警察署に提出する書類は以下のとおりです。所定様式の書類は、管轄警察署の窓口または都道府県警察の公式ウェブサイトで取得できます。

  • 古物商許可申請書(所定様式)
  • 略歴書(直近5年間の職歴・学歴を記載)
  • 誓約書(欠格事由に該当しないことの自己申告書)
  • 住民票の写し(本籍地記載・マイナンバー省略のもの)
  • 身分証明書(市区町村の役所が発行するもの)
  • URL疎明資料(インターネット販売を行う場合のみ)

身分証明書について ここでいう「身分証明書」は、成年被後見人・被保佐人・破産者に該当しないことを証明する書類で、市区町村の役所(市民課等)で取得します。運転免許証・マイナンバーカード・パスポートでは代用できません。

有効期限 住民票・身分証明書は「発行から3ヶ月以内」のものが必要です。早めに準備しすぎると期限が切れるため、申請直前に取得するのが無難です。

略歴書 様式第39号(警視庁)
略歴書(様式第39号)— 直近5年間の経歴を記入する所定様式。警察署窓口または都道府県警察サイトで入手できます。出典:警視庁

必要書類一覧(法人申請の追加書類)

法人で申請する場合は、個人の書類に加えて以下が必要です。

  • 登記事項証明書(法人全部事項証明書・発行から3ヶ月以内)
  • 定款の写し(代表者による原本証明〔奥書〕が必要)
  • 役員全員分の略歴書・誓約書・住民票・身分証明書

定款の注意点 定款の事業目的欄に「古物商」または「古物の売買」が含まれている必要があります。含まれていない場合は定款変更(司法書士への依頼が一般的)が必要になるため、申請前に確認してください。

役員の範囲には、代表取締役・取締役・監査役のほか、非常勤役員も含まれます。申請前に役員全員の欠格事由確認と書類準備を進めておくことを強く推奨します。

申請書の重要項目:「行商する/しない」の選択

古物商許可申請書には「行商をするかしないか」を選ぶ欄があります。この選択が営業の自由度に直結するため、原則として「する」を選んでください。

「行商しない」を選んだ場合

営業所以外での古物の買取・販売が一切できなくなります。

  • 出張買取(顧客の自宅・店舗に出向いての買取)ができない
  • フリーマーケット・イベント会場での販売ができない
  • 路上や外出先でのあらゆる取引ができない

「行商する」を選んだ場合

営業所外での取引が可能になります。追加費用はかかりません。

重要 現時点で出張買取やイベント出店の予定がなくても、「する」を選んでおくことを強く推奨します。後から「しない→する」に変更するには変更届の提出が必要になり、余計な手間が発生します。申請時に「する」にしておけばその手間が一切かかりません。

古物商許可申請書 様式第1号(警視庁)
古物商許可申請書(様式第1号)— 「行商をするかしないかの別」欄(右上エリア)に記入します。原則「行商する」を選択。出典:警視庁

申請の流れ(STEP1〜4)

STEP 1:書類の準備(目安:1〜2週間)

申請書類を揃えます。住民票・身分証明書は市区町村の役所で取得(即日〜3日程度)。申請書・略歴書・誓約書は所定様式に記入します。

書類準備の段階でミスが最も多く発生します。後述の「よくある失敗パターン」を参考に、提出前にチェックリストで確認することをおすすめします。

STEP 2:管轄警察署への申請(目安:1日)

営業所の住所を管轄する警察署の生活安全課(または防犯係)に書類一式を持参します。

  • 申請手数料:19,000円(証紙または現金。警察署によって異なるため事前確認を)
  • 窓口で書類を確認してもらい、不備があればその場で指摘されます
  • 書類の控えを持参しておくと、後日の問い合わせ時に便利です

持参する書類のポイント

書類はすべて「原本1部+写し2部」を用意してください。警察署によって必要部数が異なる場合があるため、事前に電話で確認することを推奨します。窓口の混雑状況によっては当日の受付を断られるケースもあるため、事前に予約の可否を確認しておくと安心です。

STEP 3:都道府県公安委員会による審査(目安:40日前後)

書類受理後、警察による背景調査・営業所確認(実地調査が行われる場合あり)が行われます。追加書類の提出を求められることもあります。

  • 審査期間中は警察からの連絡に迅速に対応できるよう準備しておきましょう
  • 審査中に申請内容に変更が生じた場合は、速やかに担当窓口に連絡が必要です

STEP 4:許可証の交付

審査通過後、警察署から連絡があり許可証を受け取ります。

受取時の持参物

  • 個人:認印・身分証明書(運転免許証等)
  • 法人:法人代表者印・認印・身分証明書。代表者本人が行けない場合は委任状も必要

重要 許可証を受け取るまで営業はできません。審査中の営業は「無許可営業」として古物営業法違反(3年以下の懲役または100万円以下の罰金)になります。

古物商許可申請 書類確認チェックリスト(警視庁)
申請書類確認表(警視庁)— 警察署に持参する前に、この確認表でチェックしてから臨むと窓口での差し戻しを防げます。出典:警視庁

費用と審査期間のまとめ

項目内容
申請手数料19,000円(不許可でも返金不可)
審査期間受理から40日以内(土日祝・長期休暇除く)
有効期限なし(更新不要)
変更届・廃業届無料

繁忙期(年度末・年度初め)は実際の審査に時間がかかることがあります。不許可になっても手数料は返金されないため、書類の不備をゼロにして臨むことが重要です。

よくある失敗パターン(申請前に必ず確認)

❌ 失敗1:「身分証明書」を運転免許証で代用しようとする

古物商許可で必要な「身分証明書」は、市区町村が発行する公的証明書(不禁治産者・破産者でないことを証明)です。運転免許証・パスポート・マイナンバーカードでは代用できません。「本籍地の市区町村役場」での取得が必要です。

❌ 失敗2:住民票に本籍地が記載されていない

住民票は「本籍地記載」かつ「マイナンバー省略」で取得が必要です。コンビニの証明書発行機では本籍地が省略された住民票が発行されることがあるため注意が必要です。

❌ 失敗3:略歴書の職歴が5年未満

直近5年間の全職歴(アルバイト・派遣・無職期間を含む)の記載が必要です。空白期間がある場合は「無職」と明記します。

❌ 失敗4:法人申請で役員の書類が一部漏れている

代表取締役だけでなく、取締役・監査役など非常勤役員も含めた全役員分の書類が必要です。役員名簿をもとに漏れなく確認してください。

❌ 失敗5:許可証交付前に営業を開始する

許可証を受け取る前の営業は無許可営業(古物営業法違反)です。「たぶんもうすぐ許可が下りる」という段階での営業も違法になります。

インターネット販売を行う場合の注意点

フリマアプリ・ネットオークション・自社ECサイト等を通じて古物を売買する場合は、URLの届出が必要です。

申請時にURLが決まっている場合

申請書の「ホームページ利用取引の有無」欄にURLを記載します。また、そのURLの使用権限を証明する資料(ドメイン取得の確認メール・管理画面のスクリーンショット等)を添付します。

許可取得後にURLを追加・変更する場合

変更届を遅滞なく提出する必要があります。

プラットフォーム出店時の注意

楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon等のモール型プラットフォームで販売する場合、プラットフォームが割り当てるURLも届出対象になります。出店先が複数ある場合はすべて届け出ます。

フリマアプリについて

メルカリ・ラクマ等のフリマアプリを「業として」継続利用する場合も届出が必要です。各サービスのマイページURLを届け出るのが一般的です。

許可取得後にやること(継続的な義務)

古物商許可は取得して終わりではなく、営業を続ける限り以下の義務が発生します。

変更届(変更から20日以内)

以下の事項が変わった場合は管轄警察署に変更届を提出します。

  • 氏名・住所の変更(個人)
  • 代表者・役員の変更(法人)
  • 営業所の新設・廃止・移転
  • 取扱品目の追加・削除
  • 使用するURLの追加・変更・廃止

廃業届(廃業から10日以内)

廃業・法人解散した場合は速やかに届出が必要です。

古物台帳の記録・保管

1点あたり1万円以上(自動車は5万円以上)の取引では、相手方の氏名・住所・職業・年齢の確認と古物台帳への記録が義務付けられています。記録は3年間保管が必要です。

本人確認義務

一定金額以上の取引では、相手方の本人確認(運転免許証等による確認)が義務付けられています。不正品(盗難品等)の流通を防ぐための法的義務です。

標識の掲示

営業所内の見やすい場所に、定められた様式の標識(許可証番号・氏名等を記載)を掲示する義務があります。

古物商標識の様式(縦8cm×横16cm以上)
古物商標識の様式(愛知県警)。許可取得後は、営業所の見やすい場所に縦8cm以上・横16cm以上の標識を掲示する義務があります。出典:愛知県警察
古物商標識の実物(大阪府警察)
古物商標識の実物例(大阪府警)。氏名・許可番号・公安委員会名を記載した金属製または合成樹脂製のプレートを掲示します。出典:大阪府警察

まとめ

  • 中古品を継続的・営利目的で売買するなら必須の許可
  • 申請先は営業所を管轄する警察署(費用:19,000円、審査:約40日
  • 欠格事由(前科・破産・未成年等)に当てはまると取得不可
  • 法人申請は役員全員分の書類が必要(準備コスト大)
  • インターネット販売にはURLの届出が必要
  • 許可後も変更届・廃業届・古物台帳の管理義務がある

書類の準備に不安がある場合や、確実に許可を取得したい場合は行政書士への相談が有効です。

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許認可ナビ編集部

行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。

最終更新:2026年4月20日

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