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整体院を開業する手順|必要な許認可・届出・費用・審査期間まとめ

整体師に国家資格は不要。整体院開業に必要な手続きは税務署への開業届のみで費用は0円。ただし「マッサージ」名称や医療効果の広告表現には法的リスクがある。鍼灸・マッサージを追加する場合は施術所開設届(保健所)が別途必要。

許認可ナビ編集部·

この記事でわかること

  • 整体院の開業に許認可は不要(行政機関への許可申請は不要 / 柔道整復師・あはき師との違い)
  • 整体師に国家資格は不要(あん摩・マッサージ・鍼灸との違いを解説)
  • 整体院開業に必要な手続き:税務署への開業届のみ(費用:0円
  • 施術所開設届が必要になるケース(鍼灸・マッサージを追加する場合)
  • 整体院の開業費用の目安(テナント・設備・運転資金:初期投資100〜260万円の内訳)
  • 広告で絶対に使ってはいけない表現(景品表示法・薬機法・あはき法の禁止表現一覧)
  • 法人設立で開業する場合の追加手続き(登録免許税:合同会社6万円〜)
  • 開業後に守るべき義務(掲示義務・帳簿管理・変更届)

整体院の開業に資格・許認可は必要か? 3ステップ判定

「整体師の資格がなくても開業できるの?」という疑問に、3ステップで即答する。

ステップ1:あなたの施術は「医業類似行為」に該当するか?

整体(カイロプラクティック・リラクゼーション含む)は、医師法・柔道整復師法・あん摩マッサージ指圧師法のいずれにも該当しない

  • 整体・カイロプラクティック: 国家資格なし→許認可不要 ✓
  • あん摩マッサージ指圧: あん摩師免許が必要(無資格は施術所開設届不可)
  • 鍼・灸: はり師・きゅう師免許が必要

整体院の開業に許認可は不要。行政への許可申請はゼロで開業できる。

ステップ2:「鍼灸・マッサージ」を追加する場合は届出が必要

整体のみで開業するなら届出不要だが、鍼灸・あん摩マッサージを施術メニューに加える場合は話が変わる。

  • 有資格者(はり師・きゅう師・あん摩師)が同一施術所で施術 → 施術所開設届(保健所)が必要
  • 費用: 無料(保健所窓口に届出書を提出するだけ)
  • 審査期間: 約2〜4週間(保健所の実地検査あり)

重要 無資格なのに「鍼灸院」「マッサージ院」と名称をつけると、医師法違反・あはき法違反として摘発対象になる。

ステップ3:民間資格は任意だが集客に有効

整体師・カイロプラクティック師・リフレクソロジスト等の民間資格は、法的には一切不要。ただし:

  • 民間団体の認定証 → 集客・信頼感向上に有効(お客様安心目的)
  • 広告で「〜の資格保有」と表示: 景表法上は事実の範囲内で記載可能
  • 「国家資格を持つ専門家」と誤認させる表現 → 景品表示法違反のリスクあり

あなたの施術に許認可は必要か? 施術タイプ別判定

「整体を開業したいが、何の許可が必要か?」という疑問に、施術タイプ別で即答する。

整体院・カイロプラクティック

  • 資格: 不要(民間資格のみで開業可)
  • 許認可: 不要
  • 必要な届出: 開業届(税務署)のみ
  • 注意: 「医療行為」を標榜するとあはき法・薬機法に抵触するため、広告表現に制限あり

ポイント 整体・カイロは国家資格なしで開業できる。ただし「骨折を治す」「腰痛を完治させる」等の効能表現は薬機法違反になるため絶対に使わない。

鍼灸院・あん摩マッサージ指圧院

  • 資格: 国家資格必須(はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師のいずれか)
  • 許認可: 施術所開設届(保健所へ10日以内に届出)
  • 費用: 届出手数料 3,300円〜5,500円(都道府県により異なる)
  • 審査期間: 届出受理後 2〜4週間で施術所番号発行

重要 国家資格なしで「鍼灸」「あん摩」「マッサージ」を施術・宣伝することはあはき法違反(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)

リラクゼーションサロン(アロマ・リフレクソロジー等)

  • 資格: 不要
  • 許認可: 不要
  • 注意: 「マッサージ」という言葉を使うとあはき法の規制対象になるため「ボディケア」「トリートメント」等に表現変更が必要
施術タイプ国家資格許認可・届出費用目安
整体・カイロ不要開業届のみ0円
鍼灸・あん摩必須施術所開設届3,300〜5,500円
リラクゼーション不要開業届のみ0円

カイロプラクティック開業に必要な資格は?届出・費用・広告規制まとめ

カイロプラクティック院の開業を検討しているなら、まず「資格が必要か」を確認しておこう。結論から言えば、カイロプラクティック院の開業に国家資格は不要だ。

柔道整復師との資格比較

業態必要な国家資格施術所開設届
カイロプラクティック院不要(民間資格のみでOK)不要
整骨院・接骨院柔道整復師免許(保健所)
鍼灸院はり師・きゅう師免許(保健所)
あん摩マッサージ院あん摩マッサージ指圧師免許(保健所)

カイロプラクティック・整体は「民間資格のみ」の業態。税務署への開業届(費用:0円)だけで開業できる。国家試験・養成学校も一切不要だ。

施術所開設届が必要になるケース

カイロプラクティックのみを行う場合は届出不要だが、以下のメニューを追加する場合は保健所への届出が必要になる:

  • 鍼灸(はり・きゅう)を追加: はり師・きゅう師の国家資格が必要 + 保健所へ施術所開設届(費用:3,300〜5,500円
  • あん摩マッサージ・指圧を追加: あん摩マッサージ指圧師免許が必要 + 保健所へ施術所開設届
  • 柔道整復(外傷施術)を追加: 柔道整復師免許が必要 + 都道府県への届出

カイロプラクティック院の広告規制(開業前に必ず確認)

国家資格不要・届出不要でも、広告には厳しい規制がある。以下の表現は法的リスクがあるため使用禁止:

禁止表現違反根拠リスク
「ヘルニアを治す」「腰痛が完治景品表示法(優良誤認)措置命令・課徴金(売上の3%
「マッサージ」「指圧」の名称使用あん摩師法第1条50万円以下の罰金
「Dr.〇〇」「ドクター」の称号医師法刑事罰
「医療機関と同等」「医師推薦」景品表示法(有利誤認)措置命令

開業後の運営ルール カイロプラクティックとしての集客は「姿勢改善」「体のケア」「バランス調整」等の機能表現を使い、「治す」「治療する」「完治」等の医療効果を標榜する言葉は一切使わないことが、トラブルを防ぐ最大の自衛策だ。

整体院・整骨院・接骨院・鍼灸院・リラクゼーション 開業要件比較表

整体院・整骨院・鍼灸院・あん摩マッサージ院・リラクゼーションサロンの5業態は、それぞれ必要な資格・開設届・保健所検査・施術可能範囲・広告規制が異なる。開業前に自分の業態がどこに位置するかを正確に把握することが重要だ。

業態必要な資格開設届の要否保健所検査施術可能範囲広告規制レベル
整体院(カイロ含む)不要不要(税務署の開業届のみ)なし筋肉・筋膜・関節の調整(マッサージ・外傷施術は不可)景品表示法・薬機法が適用
整骨院・接骨院柔道整復師免許(国家資格)(都道府県・保健所)実地検査あり骨折・脱臼・捻挫等の外傷施術柔道整復師法:法定10項目のみ広告可
鍼灸院はり師・きゅう師免許(各別、国家資格)(保健所 / 開設後10日以内実地検査ありはり・きゅうによる疾病への施術はり師法・きゅう師法の広告制限
あん摩マッサージ院あん摩マッサージ指圧師免許(国家資格)(保健所 / 開設後10日以内実地検査ありあん摩・マッサージ・指圧あん摩師法:広告は法定6項目のみ
リラクゼーションサロン不要不要(税務署の開業届のみ)なしリラクゼーション目的の手技(医療効果主張・マッサージ名称は不可)景品表示法・薬機法が適用

ポイント 整体院・リラクゼーションサロンは「資格不要・届出不要」で同じ立場。整骨院・鍼灸院・あん摩マッサージ院は国家資格必須かつ保健所の実地検査が必要だ。「整体院」名称で実質マッサージ・外傷施術を行うと無資格営業として摘発されるリスクがある。なお、接骨院と整骨院はともに柔道整復師法に基づく「柔道整復施術所」であり、法律上の差はない。

整体院の開業に必要な届出・許認可の早見表

以下は「申請・届出」の観点に絞った4業態の早見表だ。

業態必要な国家資格行政への届出・許可「マッサージ」名称
整体院不要開業届のみ(税務署 / 0円❌ 禁止
整骨院・接骨院柔道整復師免許施術所開設届(保健所)+ 療養費受領同意書⚠️「接骨院」「整骨院」のみ
あん摩・マッサージ・指圧院あん摩マッサージ指圧師免許施術所開設届(保健所)開設後10日以内✅ 使用可
鍼灸院はり師・きゅう師免許施術所開設届(保健所)開設後10日以内❌ 禁止

整体院は唯一「許認可不要・国家資格不要」で開業できる業態だ。

この記事では整体院(整体のみ)の開業手続きを詳しく解説する。鍼灸・マッサージを将来追加する場合は後述の「施術所開設届が必要になるケース」を参照のこと。

整体院の開業に資格は必要か(柔道整復師・あはき師との違い)

整体院の開業に国家資格は一切不要だ。整骨院・鍼灸院・マッサージ院とは根本的に異なる点であり、整体院が最も開業ハードルが低い理由の核心でもある。

柔道整復師との違い

整骨院(接骨院)を開業するには柔道整復師の国家資格が必要だ(柔道整復師法第1条)。柔道整復師は骨折・脱臼・捻挫等の外傷に対して施術できる資格で、3年間の養成校修了+国家試験合格が必要。試験合格率は例年約60〜70%。養成校の学費は3年間で300〜500万円程度かかる。

あはき師(鍼灸・マッサージ師)との違い

鍼灸院・マッサージ院を開業するには各種あはき師免許(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師)が必要だ(あん摩師法第1条)。養成校修了+国家試験合格が必須で、学費は3年間で200〜400万円程度。整体師にはこれらの養成課程も試験も存在しない。

整体院は資格なしで開業できる根拠

整体手技(筋肉・筋膜・関節への徒手施術)は、柔道整復師法・あん摩師法のいずれの規制も受けない。そのため資格なし・届出なし・許可なしで開業できる。「整体師」資格は民間団体の認定であり、法的拘束力はない。

注意点 「資格不要で開業できる」ことと「施術範囲に制限がない」は別問題だ。マッサージ行為・外傷施術に踏み込むと法的リスクが発生する。施術範囲を「筋肉・筋膜の調整」に明確に限定することが実質的な必要条件だ。

資格なしで整体院を開業するリスク(3点)

  • 施術範囲の逸脱:「マッサージ」「指圧」行為をした場合、あん摩師法違反(50万円以下の罰金
  • 広告表現リスク:医療効果を謳うと景品表示法違反(課徴金:対象商品売上高の3%
  • 事故時の民事責任:国家資格者との賠償比較で不利になるケースがある

整体師に国家資格は必要か?あん摩マッサージとの違い

「整体師」に国家資格は存在しない。民間団体の「整体師」「カイロプラクター」等の称号はあるが、法律上は資格なしで整体院を開業できる。ただし施術内容には法律上の境界線があり、以下に整理する。

施術の種類必要な資格法的根拠
整体(手技のみ)不要規制なし
あん摩・マッサージ・指圧あん摩マッサージ指圧師免許あん摩師法第1条
はり・きゅうはり師・きゅう師免許あん摩師法第1条
柔道整復(骨折・脱臼・捻挫)柔道整復師免許柔道整復師法第1条

整体手技を行う分には資格不要だが、「マッサージ」「指圧」の名称を使用したり同等の行為を行うと無資格営業として摘発されるリスクがある。

重要 「整体マッサージ」「整体指圧」などあん摩師法が適用される名称と整体を組み合わせた表現は法的グレーゾーン。資格不要の範囲を超えると保健所から指導が入る。

整体院の開業に「許認可」は不要だ。飲食店(飲食店営業許可)や美容室(美容所登録)と異なり、保健所への許可申請は一切不要。ただし整体の範囲を超えてマッサージ・鍼灸行為を行う場合は国家資格と施術所開設届が必要になる(後述)。

カイロプラクティック院と整体院の違い|施術・ターゲット・費用を比較

カイロプラクティックと整体はどちらも国家資格不要・許認可不要で開業できるが、施術の理論・アプローチ・ターゲット層・費用相場は異なる。自分が開業しようとしているのがどちらに近いかを整理しておくと、院名や集客の方向性を決めやすい。

カイロプラクティックと整体の基本的な違い

比較項目カイロプラクティック整体
理論の背景西洋医学(解剖学・生理学ベース)東洋医学・独自手技(流派によって異なる)
主な施術部位脊椎・骨盤の矯正(スラスト法・SOT等)筋肉・筋膜・関節の調整(全身)
理論の統一性比較的統一されている(脊椎神経論が中心)施術者・流派によって大きく異なる
施術1回の費用相場初回5,000〜10,000円、2回目以降3,000〜7,000円3,000〜8,000円(内容により変動)
国際的な普及度世界約50カ国で民間資格・国家資格制度あり主に日本国内で発達
日本での資格制度国家資格なし(民間資格:JCRなど)国家資格なし(民間資格多数)

重要 カイロプラクティックも整体も、日本では国家資格が存在しない。どちらも税務署への開業届だけで開業できる点は同じだ。「カイロプラクター」「整体師」は民間団体が認定する称号であり、法的資格ではない。

施術対象・得意な症状の違い

  • カイロプラクティック院が得意とするケース: 慢性的な腰痛・頸椎の不具合・姿勢矯正・脊椎のゆがみに起因する症状。「背骨を整えることで神経系全体を改善する」アプローチが特徴
  • 整体院が得意とするケース: 肩こり・筋肉疲労・全身のバランス調整・リラクゼーション目的。東洋医学的な「気の流れ」や筋膜リリースを重視する流派も多い

開業費用・設備面の違い

開業費用はほぼ同水準だが、カイロプラクティックでは脊椎矯正専用の施術台(ドロップテーブル・SOTブロックなど)の購入が多い。

費用項目カイロプラクティック院整体院
施術台(専用機器)30〜80万円(ドロップテーブル等)10〜30万円(汎用マッサージベッド)
民間資格取得費30〜100万円(JCR認定コース等)10〜50万円(流派により大差あり)
テナント内装・設備100〜300万円(立地・規模による)100〜300万円(同左)

ポイント カイロプラクティックは脊椎へのスラスト法(急速な押し込み動作)を伴う場合があり、施術者の技術と施術台の品質が事故リスクに直結する。厚生労働省はカイロプラクティックの医学的安全性に対して警告を出している(厚労省eJIM参照)ため、施術研修と損害賠償保険への加入を強く推奨する。

カイロプラクター向け:開業に必要な届出と広告規制の注意点

カイロプラクティック院の開業手続きは整体院とほぼ同一だが、広告・集客時に注意が必要な規制が複数ある。以下に「カイロプラクター特有の注意点」を整理する。

届出一覧(カイロプラクティック院の場合)

届出・手続き提出先期限費用
個人事業の開業届所轄税務署開業後1ヶ月以内無料
青色申告承認申請書(推奨)所轄税務署開業から2ヶ月以内無料
保健所への届出(不要)
施術所開設届(要資格)保健所鍼灸・マッサージを追加する場合のみ3,300〜5,500円

重要 カイロプラクティックのみを施術する場合、保健所への届出は一切不要だ。ただし、鍼灸やあん摩マッサージを追加メニューに取り入れる場合は、該当する国家資格の取得と施術所開設届(保健所)が必要になる。

広告・集客で使ってはいけない表現(カイロプラクター特有)

カイロプラクティックは「医療行為」ではないため、以下の表現は景品表示法(優良誤認)または薬機法に抵触するリスクがある。

禁止表現の具体例

禁止表現違反根拠
「ヘルニアを治す・治療する」薬機法・景品表示法(医療効果の標榜)
「骨格矯正で腰痛が完治」「完全回復」景品表示法(優良誤認。合理的根拠が必要)
「カイロプラクティックドクター」「ドクター〇〇」医師法(医師を連想させる名称の禁止)
「医療機関と同等の効果」「医師推薦」景品表示法(有利誤認)
「脊椎を矯正して神経系を回復」(医学的効果の断定)薬機法・景品表示法

法的根拠 消費者庁の景品表示法では、効果・効能の「合理的な根拠」がない表示を優良誤認表示として規制する(景表法7条)。違反すると措置命令・課徴金(対象期間の売上高の3%)が課される。

使える表現の例

  • ◎「背骨・骨盤のゆがみを整える施術」
  • ◎「慢性的な腰の不快感にアプローチ」
  • ◎「姿勢改善を目的とした脊椎調整」
  • △「腰痛を和らげる可能性がある」(断定表現を避けること)

JCR(日本カイロプラクティック登録機構)への登録(任意)

日本カイロプラクティック登録機構(JCR)は、WHO(世界保健機関)のカイロプラクティック教育ガイドラインに基づいた試験を実施する民間機関だ。法的義務はないが、以下の理由でJCR登録を検討する価値がある。

  • 信頼性の担保: 患者・消費者からの信頼度が向上する
  • 保険対応の可能性: 一部の損害賠償保険がJCR登録を条件とする
  • 業界内ネットワーク: 症例勉強会・最新情報の共有ルートへのアクセス

JCR登録費用は年間数万円程度(詳細は公式サイトで確認)。法的な開業要件ではないため、費用対効果を考慮して判断する。

無資格営業で摘発される3パターン

整体院は許認可不要と聞いて安心しがちだが、以下3パターンで摘発事例が実際に発生している。

パターン1:「マッサージ」「指圧」名称の使用 チラシや看板に「整体マッサージ」「整体指圧」と記載した場合、あん摩師法上のマッサージ行為と見なされる可能性がある。免許なし→あん摩師法違反(50万円以下の罰金)。

パターン2:骨折・脱臼・捻挫への施術 骨格矯正・ボキボキ系の施術で骨折や脱臼を扱う場合、柔道整復師法の適用を受ける可能性がある。施術範囲を「筋肉・筋膜・関節の調整」に限定し、ケガ・外傷への施術は断ることが安全策だ。

パターン3:「治る」系の医療効果の主張 「腰痛が治る」「ヘルニアが改善する」等の表示は景品表示法の優良誤認表示に該当する。消費者庁からの措置命令・課徴金(最大売上高3%)の対象になる。

法的注意 「整体」として開業するなら、施術メニュー・集客広告において「マッサージ」「指圧」「治療」「治癒」「完治」等の医療・あん摩師法関連用語を徹底的に排除することが最重要の自衛策だ。

申請前の準備

事業形態の決定(個人事業主か法人か)

整体院の開業形態は主に2択だ。

  • 個人事業主:手続き費用0円。開業届を税務署に出すだけ。年商1,000万円以下では消費税免除の恩恵も。副業や小規模スタート向き。
  • 合同会社(LLC):登録免許税6万円。社会的信頼性が上がり、融資・補助金採択にも有利。従業員雇用・複数店舗展開を見据えるなら法人化が有効。
  • 株式会社:登録免許税15万円〜。投資受け入れや株式上場を視野に入れる場合。整体院の初期開業としては過剰なケースが多い。

判断基準 開業初年度の見込み売上が1,000万円未満かつ従業員1〜2名以内なら、まず個人事業主でスタートして軌道に乗ってから法人化するのが資金効率の観点から有利。

テナント・物件の選定

整体院の施術スペースに法定面積基準はないが(施術所開設届不要のため)、実務上は以下の点を確認しておく必要がある。

  • 用途地域・建物用途の確認(居住専用地域での商業行為に制限がある場合がある)
  • オーナーへの業態申告(整体院として使用可能か事前確認)
  • 内装工事の可否確認(間仕切り追加・換気設備工事等)
  • 前入居者から業種が変わる場合の消防署への届出確認(後述)

消防法・建築基準法上の事前確認

整体院は一般的に消防法上のサービス業施設と同等の扱いを受ける。以下の基準を事前確認すること。

  • 延床面積30㎡超の施術所:自動火災報知設備・誘導灯の設置が必要になるケースあり
  • 前入居者と業種が変わる場合:消防署への防火対象物使用開始届が着工の7日前までに必要
  • 内装変更を伴う場合(100㎡超かつ特殊建築物への用途変更):建築確認申請が必要になる可能性あり

開業予定テナントで内装工事や用途変更を行う場合は、着工前に管轄の消防署・市区町村建築指導課に相談することを強く推奨する。

国税庁の個人事業の開業届出書の様式。事業の種類、事業所の所在地、事業開始年月日などの記入欄がある
個人事業の開業・廃業等届出書(国税庁様式)出典:国税庁 A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続

必要書類一覧(個人事業主として開業する場合)

整体院を個人事業主として開業する場合、必要な書類はシンプルだ。

必須書類

書類名提出先費用期限
個人事業の開業届出書所轄税務署無料開業から1ヶ月以内(推奨)/ 確定申告期限まで可
青色申告承認申請書(任意・節税目的)所轄税務署無料開業から2ヶ月以内(厳格な期限)
国民健康保険加入手続き市区町村役所無料(保険料別)退職等から14日以内
国民年金第1号被保険者切り替え市区町村役所無料(保険料別)退職等から14日以内

整体師免許証・資格証は提出不要(法定免許が存在しないため)。

開業届はe-Taxまたは紙の郵送どちらでも提出可能。マイナンバーカードがあればe-Taxが最も手間が少ない。

節税のヒント 青色申告承認申請書を提出すると、確定申告で最大65万円の青色申告特別控除が受けられる。税理士費用ゼロで節税効果を得られる最大の手段だ。開業から2ヶ月以内の提出期限を忘れずに。

国税庁が作成した開業届の記載要領。各欄の記入方法と注意事項が詳しく説明されている
個人事業の開業届の書き方・記載要領(国税庁)出典:国税庁 開業届の書き方

整体院の開業届の出し方(税務署への届出手順)

整体院を個人事業主として開業する際の税務署への開業届(個人事業の開業届出書)の提出手順を解説する。提出先は「事業所の住所地を管轄する税務署」で、提出期限は開業から1ヶ月以内(推奨)。

e-Tax(オンライン)での提出手順

マイナンバーカードがあれば自宅から5〜10分で完了する最も簡便な方法だ。

  1. 国税庁「e-Tax」サービス(https://www.e-tax.nta.go.jp/)にアクセス
  2. マイナンバーカード+ICカードリーダーまたはスマートフォンで本人確認
  3. 「個人事業の開業届出」を選択
  4. 事業開始年月日・屋号・事業内容(例:「整体業」)・事業所所在地を入力
  5. 送信完了 → 受付番号が表示される(受領印の代替)

紙(郵送または窓口持参)での提出手順

  1. 国税庁ホームページから「個人事業の開業届出書」(A4 1枚)をダウンロード・印刷
  2. 必要事項を記入(事業開始日・屋号・事業の種類・事業所所在地等)
  3. 控え用に同一書類を2部用意(提出用+自己保管用)
  4. 管轄税務署へ郵送または窓口持参(郵送の場合は返信用封筒を同封)
  5. 窓口持参の場合、その場で受領印を押してもらえる

開業届と同時提出を強く推奨する書類

書類名提出期限効果
青色申告承認申請書開業から2ヶ月以内(厳格)確定申告で最大65万円の控除
給与支払事務所等の開設届出書従業員雇用から1ヶ月以内源泉徴収義務の開始

重要 青色申告承認申請書の提出期限は「開業から2ヶ月以内」で厳格だ。開業届と同日提出が最も確実。期限を過ぎると当年度は白色申告扱いとなり、最大65万円の控除を受けられない(翌年度から適用)。

必要書類一覧(法人として開業する場合)

合同会社または株式会社として整体院を開業する場合、法人設立の手続きが追加で必要になる。

法人設立に必要な書類・手続き

手続き提出先費用(合同会社)費用(株式会社)
定款の作成・認証公証役場(株式会社のみ)不要5万円(公証費用)
設立登記申請法務局登録免許税6万円登録免許税15万円
法人設立届出書所轄税務署・都道府県・市区町村無料無料
健康保険・厚生年金新規適用届年金事務所無料(保険料別)無料(保険料別)

合同会社は定款認証が不要なため、株式会社より費用を約5万円節約できる。整体院のような小規模スタートでは合同会社が現実的な選択肢だ。

法人の場合、設立から2週間以内に法人設立届出書を税務署に提出する義務がある点に注意が必要だ。また、代表者1人の法人でも健康保険・厚生年金の強制適用(社会保険)となる。個人事業主時代と比べて保険料負担が増える場合があるため、事前にシミュレーションしておくことを推奨する。

開業届記入でよくあるミス

開業届は書き方が分かりやすそうに見えて、記入ミスで税務署から訂正を求められるケースが多い。

よくあるミス4点

  1. 業種欄が抽象的すぎる:「整体院」「カイロプラクティック施術業」など具体的な業種を記入。「サービス業」のみでは税務調査時に説明が必要になる。
  2. 青色申告申請を開業届と別日に提出して期限を過ぎる:節税効果のある青色申告申請書は別途提出が必要。開業届と同日提出が確実。
  3. 事業開始年月日の誤り:「店舗オープン日」ではなく「最初に収入が発生した日」が正確。準備期間は含めない。
  4. 提出先の税務署を間違える:提出先は「事業所所在地の所轄税務署」。自宅住所の税務署ではなく、事務所・施術所の住所で管轄を確認する。

確認方法 記入後、所轄の税務署に電話で事前確認することを推奨する。窓口持参なら書き直しもその場でできる。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(e-Tax)を使うと入力ガイドが自動表示される。

整体院開業の流れ(STEP1〜5)

STEP 1:事業計画・物件選定(開業3〜6ヶ月前)

事業形態(個人/法人)、施術スタイル、料金設定、ターゲット客層を決定する。物件探しは同時並行で進め、テナント契約前に用途・消防設備を確認する。

目安期間:1〜3ヶ月

STEP 2:内装工事・設備調達(開業1〜3ヶ月前)

施術ベッド・タオル・予約管理ツール等の調達と内装工事を行う。30㎡超のテナントで前入居者と業種が変わる場合は、消防署への防火対象物使用開始届を工事完了7日前までに提出する。

目安期間:1〜2ヶ月 / 費用:0円(届出自体は無料)

STEP 3:開業届・各種申請の提出(開業月)

開業日(または初収入が発生する日)に合わせて税務署へ開業届を提出する。青色申告承認申請書も同日提出を推奨。個人事業主から法人へ変更する場合は法人設立登記を先行する。

目安期間:即日/費用:0円(個人事業主の場合)

STEP 4:集客・広告開始(開業前後)

ホームページ・SNS・チラシ・ポータルサイト等での集客活動を開始する。広告表現は景品表示法・薬機法に従い「治療効果」「マッサージ」等の表現を避ける。

目安期間:継続的活動

STEP 5:施術範囲の拡大を検討する場合(開業後)

整体院として軌道に乗った後、国家資格(あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師)を持つスタッフを雇用して施術範囲を広げる場合は、施術所開設届を保健所に提出する必要がある(開設後10日以内)。

費用:0円 / 手続き期間:届出後即時〜2週間(実地検査がある場合)

費用と審査期間のまとめ

手続き費用審査期間
開業届(個人事業主)0円即日(受理のみ)
青色申告承認申請書0円即日(受理のみ)
合同会社設立登記6万円(登録免許税)1〜2週間
株式会社設立登記15万円〜(登録免許税+公証費用5万円1〜2週間
防火対象物使用開始届0円受理後即時
施術所開設届(鍼灸・マッサージ追加時)0円受理後即時〜2週間

整体院(整体のみ)として個人事業主で開業する場合、手続き費用は実質0円。これは他の業種(飲食店営業許可:約16,000〜20,000円、古物商許可:19,000円等)と比較して圧倒的にハードルが低い。

開業届の審査は存在しない(受理のみ)ため、提出当日から正式な個人事業主として活動できる。

整体院の開業費用の目安(テナント・設備・運転資金)

整体院の開業届自体は費用0円だが、実際の開業には別途初期投資が必要だ。「整体院 開業 費用」で調べると100〜300万円という情報が多く出るが、内訳が曖昧なケースが多い。ここでは費用項目を具体的に整理する。

費用の内訳(個人事業主・小規模1店舗の場合)

費用項目目安金額備考
テナント敷金・礼金30〜60万円家賃の3〜6ヶ月分(家賃10万円の場合)
内装工事費20〜80万円個室仕切り・内装変更の有無で大きく変動
施術ベッド(1台)3〜15万円電動昇降式は10万円超、手動式は3〜5万円
施術関連備品5〜20万円タオル・枕・シーツ・フェイスペーパー等の消耗品含む
予約管理・会計システム0〜5万円/年Airリザーブ(無料プランあり)〜独自サイト制作費含む
開業広告費(初期)5〜20万円ホットペッパービューティー掲載料・Webサイト制作等
運転資金(3ヶ月分)30〜60万円固定費(家賃・光熱費・通信費)× 3ヶ月を確保
合計約100〜260万円立地・規模・内装仕様で大幅に変動

重要 上記は「テナントを借りて1人で施術する」個人開業の一般的な目安だ。自宅の一室で開業するケースでは内装・テナント費用が大幅に圧縮でき、50万円以下での開業事例もある。逆に、2台以上の施術ベッドを置きスタッフを雇用するケースでは300万円超になる場合もある。

融資・補助金の活用

整体院は日本政策金融公庫の「新創業融資制度」の対象になる(融資限度額:最大3,000万円、無担保・無保証人)。自己資金が100万円以下でも、事業計画が具体的であれば融資審査を受けられるケースがある。地方自治体の創業補助金(額は自治体ごとに異なるが10〜50万円程度)も申請可能な場合がある。

整体院の損益分岐点(目安)

家賃10万円・施術単価5,000円/回の場合:

  • 固定費(家賃+光熱費+通信費等):月15〜20万円
  • 損益分岐:月30〜40回の施術(= 1日1.5〜2名の集客)
  • 黒字化の目安:開業から3〜6ヶ月が多い(立地・集客力による)

整体院に鍼灸・マッサージを追加する場合の施術所開設届

整体師が「はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師」の国家免許を同時に保有している場合、整体に加えて鍼灸治療やマッサージを提供することができます。ただし、あはき法上の「施術所」を開設することになるため、保健所への施術所開設届(開設後10日以内)が別途必要です。

整体院+鍼灸院の兼業開業フロー

  1. 整体院の開業届(税務署): まず通常どおり個人事業の開業届を提出
  2. 施術所開設届(保健所): 鍼灸・マッサージを提供する施術所として、保健所に届出
  3. 施術室の構造設備基準を満たす: 6.6㎡以上の専用施術室、適切な消毒設備の設置が必要
  4. 施術者の資格証の原本確認: 届出時に国家免許証の原本提示が求められる

重要 国家免許なしで「鍼灸」「マッサージ」の名称や施術を行うと、あはき法違反として30万円以下の罰金・6ヶ月以下の懲役の対象となります。

項目整体のみ整体+鍼灸・マッサージ追加
必要な届出税務署への開業届のみ開業届+保健所への施術所開設届
必要な資格不要(民間資格でOK)はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師のいずれかの国家免許
施術室面積規定なし6.6㎡以上が必要
費用0円0円(施術所開設届は無料)

施術所開設届の詳細な手続き・必要書類・保健所検査の流れは下記ガイドで解説しています。

整体院開業でよくある失敗パターン5選

失敗1:「マッサージ」名称を使って保健所から指導を受ける 整体院なのにホームページや看板に「整体マッサージ」と記載してしまい、あん摩師法違反として保健所から指導が入るケース。名称の使用を即中止し、看板・ウェブサイトの修正対応に時間とコストがかかる。

失敗2:景品表示法違反で消費者庁から調査を受ける 「○○の症状が3回で改善する」「腰痛・肩こりを根本から治す」等の医療効果を主張した広告を出し続け、消費者庁の調査対象になるケース。措置命令を受けると企業名が公表される。

失敗3:青色申告申請を忘れて初年度から過大な税負担 開業届は提出したが青色申告承認申請書を忘れ、開業から2ヶ月が経過してしまうケース。最大65万円の控除が受けられず、初年度の税負担が跳ね上がる。

失敗4:消防設備の確認を怠りテナント退去を余儀なくされる 前入居者と業種が異なるテナントで開業届を出した後、消防署から「防火対象物使用開始届未提出・設備不備」として改善指導を受けるケース。工事費・移転費が追加発生する。

失敗5:法人設立後に社会保険適用を知らずに放置 法人を設立した場合、代表者1人であっても健康保険・厚生年金の強制適用となる(個人事業主より保険料が高くなる場合がある)。事前にシミュレーションせずに法人化して、保険料負担に驚くケースが多い。

対策の基本 名称・広告・消防・税務の4分野でリスクが集中している。開業前に各窓口(保健所・税務署・消防署)へ事前相談するだけで大半の失敗は防げる。相談は無料のところも多い。

広告・集客で注意すること(景品表示法・薬機法)

整体院の集客で最も法的リスクが高いのが広告表現だ。整体は医療行為でも医薬品でもないため、医療効果や治療効果を謳う広告は法律上許されない。

景品表示法(優良誤認表示の禁止)

❌ 禁止表現✅ 代替表現
「腰痛が治る」「腰のコリや緊張をほぐすお手伝いをします」
「ヘルニアが改善する」「体のバランスを整えるための施術を行います」
「3回で根本改善」「継続的なケアをサポートします」
「医師も認める整体技術」根拠がなければ使用不可

薬機法(未承認医薬品等の広告禁止) 施術に使用するオイルやクリームを「治療効果がある」と謳って販売すると、薬機法第68条違反になる可能性がある。販売する場合は「リラクゼーション用」「マッサージ用」等のリラクゼーション訴求に限定する。

あん摩師法第7条(広告制限)の類推リスク 整体院は直接の規制対象ではないが、「整体マッサージ」等の表記でマッサージ行為と判断された場合、広告できる事項が法定6項目に限定される可能性がある。名称の使用には慎重になる必要がある。

集客広告の法的リスクについては、行政書士・弁護士に開業前にレビューを依頼することを推奨する。

整体院の広告で絶対に使ってはいけない表現(景品表示法・あはき法の境界線)

整体院の広告は景品表示法・薬機法・あん摩師法の3法律が複合的に関係する。違反した場合のペナルティは**消費者庁の措置命令・企業名公表・課徴金(売上の最大3%)**だ。以下に禁止表現を具体例で整理する。

景品表示法(優良誤認)の禁止表現

絶対禁止理由言い換え例
「腰痛が治る」「ヘルニアが治った医療効果の断言(優良誤認)「腰のコリや緊張をほぐすサポートをします」
根本から改善」「完治しました」根拠なき効果主張「継続的なセルフケアをお手伝いします」
医師も認めた技術」「保険適用の施術」虚偽の裏付け使用不可(根拠がなければ記載禁止)
3回で肩こりが消える」特定回数・期間での効果保証「お体の状態に合わせたペースでケアします」
ビフォーアフター写真(姿勢改善)改善効果の訴求掲載する場合は「個人の感想です」等の注記が必要

あん摩師法の類推リスク(名称・行為の境界線)

あん摩師法第7条は「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師」の広告制限を定めているが、整体院がこの規制の「類推適用」を受けるリスクがある場面がある。

状況リスクレベル対応策
看板・HPに「整体マッサージ」と記載「マッサージ」表現を完全排除
「深部マッサージ」「リンパマッサージ」メニュー「ディープアプローチ」「リンパドレナージュ」等に言い換え
「骨格矯正・骨盤矯正(治療目的として宣伝)」「バランス調整」「姿勢改善サポート」に変更
「整体のみ」で「整体院」名称を使用問題なし

SNS広告で特に多い違反パターン

  • Instagramのビフォーアフター投稿:「姿勢が変わった」「痛みが消えた」と受け取れる写真は景品表示法の優良誤認リスクあり。「個人の感想です。効果には個人差があります」の明記が必要
  • Googleビジネスプロフィールの説明文:「痛みを取り除く整体院」は優良誤認の可能性。「痛みの軽減をサポートする施術を提供」に変更する
  • 口コミへの返答:「○○の症状にお悩みの方は当院へ」等、特定の疾患名を使った返答は薬機法違反リスクがある

対策 開業前に、チラシ・HP・SNS・予約サイトのすべての広告文章を行政書士または弁護士にレビューしてもらうことを強く推奨する。レビュー費用は1〜3万円程度が相場で、違反時の課徴金リスクと比較すれば安価な保険だ。

国税庁の所得税の青色申告承認申請書の様式。65万円の青色申告特別控除を受けるために開業から2ヶ月以内に提出する
所得税の青色申告承認申請書(国税庁様式)出典:国税庁 所得税の青色申告承認申請書

整体院・カイロプラクティック院の開業費用実例|初期投資100〜400万円の内訳

整体院の開業にかかる初期費用の目安は以下の通りです。業態(自宅開業・テナント・コンセプトサロン)によって大きく変わります。

費用項目目安額
物件取得費(保証金・礼金・仲介手数料)50〜200万円
内装工事費(施術室・更衣室・待合スペース)30〜100万円
施術ベッド・備品(ベッド2〜3台・クッション・タオル等)20〜50万円
広告費(HP制作・看板・チラシ・SNS広告)10〜50万円
開業届・各種届出の手数料0円
初期合計110〜400万円

重要 整体院は国家資格不要で開業できますが、資格なしで高単価施術を行う場合は集客に苦戦するケースが多いです。カイロプラクティック系の場合は国際認定資格(DC/CSC)の取得に別途費用(海外留学で200万円超)が必要になることもあります。

運転資金(家賃・材料費・広告費の3〜6ヶ月分)として30〜100万円を開業費用とは別に確保してください。開業初月から予約が埋まることは稀なため、3ヶ月分の運転資金が最低ラインの目安です。

カイロプラクティック院を開業する場合の追加注意点

日本ではカイロプラクティックに国家資格や法的規制はありません。整体師と同様、開業届のみで施術所を開業できます。ただし、海外では医療職として認定されており、国際基準との整合を意識した開業が集客・信頼性につながります。

国際認定資格(DC/CSC)について

  • DC(Doctor of Chiropractic): 米国・カナダ等の大学(4〜5年課程)で取得できる最高位資格。日本での法的効力はないが、集客・信頼性の差別化要素として機能
  • CSC(認定カイロプラクター): 公益財団法人日本カイロプラクティック登録機構が認定。4年制課程修了が必要
  • WHO基準: WHO(世界保健機関)は少なくとも4年制の専門課程修了を推奨しているが、日本では法的義務はない

広告・集客での注意点

  • 「脊椎矯正」「骨格調整」「首の矯正」は施術内容の説明として使用可
  • 「治療」「治す」「治癒」等の表現は景品表示法・薬機法違反になる可能性がある
  • 「整形外科に行かずに改善」「手術を避けられる」等の誇大広告も禁止

重要 カイロプラクティックと整体は日本法上同じ扱いですが、「カイロプラクター」「DC」等の肩書きを広告で使用する場合、その資格の実態を明記することが景品表示法の優良誤認を避ける上で重要です。

開業するための手続き(整体院と同一)

  1. 税務署への開業届(青色申告希望の場合は承認申請書も提出)
  2. 施術所の物件契約・内装工事(特別な設備基準なし)
  3. 鍼灸・マッサージを併用する場合のみ施術所開設届(保健所)が必要

取得後の義務(変更届・廃業届・帳簿管理・掲示義務)

整体院として開業した後も、継続的に守るべき義務がある。

変更届 個人事業主の場合、以下の変更が生じたら税務署に届出が必要だ。

  • 事務所・事業所の移転:「個人事業の開業・廃業等届出書」を再提出
  • 屋号の変更:同上
  • 事業の廃止:「個人事業の開業・廃業等届出書(廃業用)」を提出

帳簿管理(青色申告の場合) 青色申告承認を受けた場合、複式簿記による帳簿の保存義務7年間)が生じる。会計ソフト(freee、マネーフォワード等)の活用を推奨。

掲示義務 整体院として届出不要の範囲で営業している場合、法令上の強制的な掲示義務は存在しない。ただし、顧客保護と信頼構築のために以下の掲示が実務的に推奨される。

  • 施術メニューと料金表(消費税込みの総額表示が必須:消費税法上の義務)
  • 店名・代表者名・営業時間・キャンセルポリシー
  • 個人情報保護方針(顧客情報を管理する場合)

注意:税込み表示の義務 料金表の「税別○○円」表示のみは消費税法違反となる。「○○円(税込)」または「○○円」と税込価格を明示すること。

鍼灸・マッサージを追加した場合の追加義務 あん摩師法該当の施術所になると、法的な掲示義務が発生する(施術者氏名・免許種別・有効期限の掲示等)。施術所開設届の提出時に保健所から詳細な指示が行われる。

まとめ

整体院開業の要点3点

  1. 許認可は不要、開業届のみ(費用0円):整体師は国家資格がないため、許認可・施術所届出なしで開業できる。税務署への開業届だけで事業開始可能。
  2. 名称と広告に細心の注意を:「マッサージ」「指圧」「治療効果」の表現が法的リスクの核心。集客広告は専門家のレビューを経ることで大半のリスクを事前に排除できる。
  3. 鍼灸・マッサージ追加時は施術所開設届が必要:整体院が成長し、国家資格保有者を採用して施術範囲を広げる段階では保健所への届出義務が発生する。

整体院は他の業種と比較して開業ハードルが最も低い部類に入る。ただし、法的グレーゾーンである名称・広告・施術範囲の3点については、開業前に行政書士に相談してリスクを整理しておくことを強く推奨する。費用は初回相談5,000〜15,000円程度が相場だ。

書類準備や広告表現の審査に不安がある場合は、整体院・サロン開業を専門とする行政書士への相談が有効だ。

許認可ナビ編集部

行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。

最終更新:2026年4月28日

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