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自転車屋の開業に必要な許可・資格ガイド|古物商許可・TSマーク・防犯登録を解説
自転車屋開業には、中古自転車の取り扱いで古物商許可(手数料19,000円・審査30〜40日/警察署)が必要。整備・修理業務にはTSマーク(自転車安全整備士)が事実上必要で、防犯登録販売店の登録(各都道府県防犯登録協会)も不可欠。許認可の全体像と申請手順を解説する。
この記事でわかること
- 自転車屋の開業に「許可・資格が必要なケース」と「不要なケース」の判定基準
- 中古自転車を扱う場合に必要な古物商許可(費用19,000円・審査30〜40日)の申請方法
- 整備・修理業務に実質必要な**自転車安全整備士(TSマーク)**の取得ルート
- 防犯登録販売店への登録申請(各都道府県防犯登録協会)の手順
- 取得後の義務(帳簿記録・標識掲示・変更届)と怠った場合のリスク
自転車屋開業に許可・資格が必要なケースと不要なケース
自転車屋の開業に関しては、扱う商品と業務内容によって必要な許可・資格が大きく異なる。まず自分の店舗がどのパターンに当てはまるかを確認する必要がある。
許可・資格が不要なケース
新品の自転車だけを仕入れて販売する場合、特別な許認可は原則として必要ない。個人なら税務署への開業届(費用0円)、法人なら法人登記(費用6〜20万円程度)のみで営業を開始できる。
古物商許可が必要なケース(中古自転車)
中古自転車の買取・販売を業として行う場合は、古物営業法に基づく古物商許可が必須となる。フリマアプリやネットオークションを通じた中古自転車の反復継続売買も対象となる。
自転車安全整備士(TSマーク)が事実上必要なケース
自転車の点検・整備・修理を行い、安全確認済みを示すTSマークを自転車に貼付するには、自転車安全整備士(公益社団法人日本交通管理技術協会認定)の資格が必要となる。TSマークは2年間有効の傷害・賠償保険が付帯しており、顧客の信頼を得るうえで実質的に不可欠な資格といえる。
防犯登録販売店が必要なケース
新規自転車を販売する際に防犯登録の手続きを代行するには、各都道府県の自転車防犯登録協会に防犯登録販売店として登録申請する必要がある。未登録店では防犯登録ができず、顧客へのサービス提供が困難になる。
自転車販売店の開業情報
古物商許可を取得できない人(欠格事由)
古物営業法第4条に定める以下の欠格事由に該当する場合、古物商許可は取得できない。申請前に必ず確認する必要がある。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、又は古物営業法・刑法・暴力行為等処罰法等の規定に違反して罰金刑を受け、5年を経過しない者
- 住居が定まっていない者
- 古物営業の許可を取り消されてから5年を経過しない者
- 暴力団員又は暴力団員でなくなってから5年を経過しない者、暴力団員が事業活動を支配する者
- 心身の故障により古物商の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
- 未成年者(ただし、未成年者であっても古物商の相続人として古物商の地位を承継する場合等の例外あり)
- 営業所が正当な理由なく申請内容と異なる場合
重要 法人申請の場合は、役員全員が欠格事由に該当しないことが必要。役員の一人でも該当する場合は許可が下りない。事前に役員全員分の書類を確認すること。
古物商許可の申請前の準備
① 古物商許可の申請要件確認と書類準備
古物商許可の申請先は、主たる営業所(店舗)を管轄する警察署の防犯係となる。申請前に以下の3点を確認しておく。
- 営業所の所在地確定: 賃貸物件の場合は、契約書で管轄警察署を確認。テナント物件は「営業用」としての使用が契約上で許可されているか確認
- 身分証明書の入手: 市区町村の窓口で「身分証明書」を取得(禁治産・準禁治産・破産の記録がないことを証明する書類。一般的な運転免許証とは別物)。本籍地の市区町村で発行。郵送申請も可
- インターネット販売の有無確認: ネット販売やフリマアプリを使う場合は、URLの届出が必要。事前にドメインやサイトURLを確定させておく
重要 「身分証明書」(市区町村発行)は一般的な運転免許証・マイナンバーカードとは全く別の書類。本籍地の市区町村窓口で「古物商許可申請用に身分証明書が欲しい」と伝えると発行してもらえる(手数料200〜400円程度)。
② 自転車安全整備士資格(TSマーク)の準備
自転車安全整備士の試験は年1回(例年7〜9月ごろ)実施される。受験資格は自転車の整備に1年以上従事した経験が必要。試験内容は学科試験と実技試験。合格後、資格者証の交付を受け、TSマーク貼付業務ができる。
- 主管機関: 公益社団法人日本交通管理技術協会(JMTC)
- 受験料: 学科試験約8,600円 + 実技試験約6,400円(年度によって変動あり)
- 詳細・申込: 公益社団法人日本交通管理技術協会のWebサイトで案内
③ 防犯登録販売店への申請
防犯登録販売店として登録するには、各都道府県の自転車防犯登録協会(または自転車商協会)に申請書類を提出する。都道府県ごとに申請先と必要書類が若干異なるため、開業予定地の都道府県協会に事前に確認する。
- 法的根拠: 自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律
- 登録後: 防犯登録シール・防犯登録カードが支給され、自転車販売時に防犯登録を受け付けられる
古物商許可の必要書類一覧(個人申請)
| 書類 | 取得先 | 備考 |
|---|---|---|
| 許可申請書(別記様式第1号) | 警察署・警察署HP | 古物の区分で「自転車類」を必ずチェック |
| 略歴書 | 申請者作成 | 過去5年間の職歴・住所 |
| 住民票の写し | 市区町村窓口 | 本籍地記載・マイナンバー省略のもの |
| 身分証明書 | 本籍地の市区町村窓口 | 禁治産・破産の記録がないことを証明 |
| 誓約書 | 警察署・警察署HP | 欠格事由に該当しない旨の誓約書 |
| URLの使用権限を疎明する資料 | プロバイダや登録記録 | ネット販売をする場合のみ |
重要 住民票は「本籍地記載あり・マイナンバー省略」のものが必要。本籍地記載なし・マイナンバー記載ありのものは不可。発行時に窓口で正確に指定すること。

法人申請の場合の追加書類
法人として自転車屋を開業し古物商許可を申請する場合は、個人申請の書類に加えて以下が必要となる。
| 追加書類 | 取得先 | 備考 |
|---|---|---|
| 登記事項証明書(全部事項証明書) | 法務局(オンライン申請可) | 発行から3か月以内のもの |
| 定款の写し | 申請法人が保管 | 原本証明の押印が必要 |
| 役員全員分の略歴書・住民票・身分証明書・誓約書 | 各役員が取得 | 欠格事由の確認のため役員全員分が必要 |
法人申請では役員一人ひとりに欠格事由がないことを証明する書類が必要なため、書類量が個人申請の数倍になることが多い。書類の準備に2〜3週間を見込んでおくことが望ましい。
申請書で記入ミスが起きやすい項目
古物商許可申請では、以下の項目で記入ミスが多発している。警察署での受付前に必ずチェックすること。
- 古物の区分のチェック漏れ: 「06 自転車類」へのチェックは必須。取り扱う予定の古物区分はすべてチェックする(後から区分を追加する場合は変更届が必要)
- 主たる営業所と仮設店舗の混同: 常設の営業所は「主たる営業所」として記載。フリマ出展など仮設店舗は別枠の「仮設店舗」に記載
- 「行商する・しない」の選択ミス: 出張買取や出張修理を行う場合は「行商する」を選択。「しない」にすると、営業所外での取引が違法になる
- URL届出の漏れ: メルカリ・ヤフオク等を利用する場合はURLの届出が必要。申請後にネット販売を開始する場合は変更届が必要
注意 許可証に記載されていない古物区分の取り扱いは違法となる。開業後に扱う品目が増えた場合は速やかに変更届を提出すること。

古物商許可の申請の流れ
STEP 1: 要件確認・書類準備(目安:2〜3週間)
警察署(防犯係)に事前相談し、必要書類リストを確認する。本籍地が住所と異なる場合は身分証明書の郵送請求などで時間がかかるため早めに着手する。
STEP 2: 申請書提出(目安:1日)
必要書類一式を主たる営業所を管轄する警察署の防犯係に持参して提出。申請手数料19,000円を収入証紙で納付する(都道府県証紙。コンビニ購入不可・都道府県証紙売り場で購入)。
STEP 3: 審査期間(目安:30〜40日)
警察署が申請内容を審査する。営業所の実地確認が入る場合もある。審査期間中は追加書類の提出を求められる場合があるため、連絡先は常に繋がるようにしておく。
STEP 4: 許可証受取・標識掲示・営業開始
許可証の交付通知が届いたら警察署で許可証を受け取る。営業所への標識(古物商プレート)の掲示を行い、営業を開始できる。許可証受取前の営業は違法となるため注意。
費用と審査期間のまとめ
| 手続き | 費用 | 審査期間 | 申請先 |
|---|---|---|---|
| 古物商許可(申請手数料) | 19,000円(収入証紙) | 30〜40日 | 管轄警察署(防犯係) |
| 自転車安全整備士試験 | 約15,000円(学科+実技) | 年1回・試験後1〜2か月 | JMTC各支部 |
| 防犯登録販売店申請 | 無料〜数千円(協会による) | 1〜2週間 | 都道府県防犯登録協会 |
| 開業届(個人) | 無料 | 受付日即日受理 | 税務署 |
行政書士に古物商許可申請を依頼する場合、報酬相場は35,000〜80,000円程度。書類収集の手間を省きたい場合や法人申請で書類量が多い場合に検討する価値がある。
古物商許可の詳細情報
自転車屋開業でよくある失敗パターン
NG-1: 許可証交付前に中古自転車の買取・販売を開始する
開業準備中に「試し買取」をした時点で古物営業法違反(無許可営業)となる。違反した場合は3年以下の懲役または100万円以下の罰金(古物営業法第31条)。申請中であっても許可証受取前は絶対に古物取引を行ってはならない。
NG-2: 申請書の「古物の区分」に自転車類を入れ忘れる
電動アシスト自転車・マウンテンバイク・子供用自転車はすべて「古物の区分 06 自転車類」に該当する。記載漏れで許可証発行後に取り扱いが制限される事態が多発している。
NG-3: 「身分証明書」を運転免許証と同一視する
古物商許可に必要な「身分証明書」は本籍地の市区町村が発行する公文書(禁治産・破産の記録がないことを証明)。マイナンバーカードや運転免許証では代用できない。気づかずに受付不可となるケースが多い。
NG-4: ネット販売をするのにURL届出を忘れる
開業当初は実店舗のみで後からECサイト・フリマアプリを始めた場合、変更届(URLの追加)を提出する義務がある。届出なしでのネット古物取引は無許可営業と同様に扱われる場合がある。
NG-5: 防犯登録の代行をせず顧客トラブルになる
新品自転車販売時に防犯登録を代行できる販売店登録をしていないと、購入者が自分で防犯登録所に行く手間が発生する。「防犯登録ができない店」という印象で顧客の信頼を損なうケースが多い。
特殊ケース:ネット販売・出張買取・フリマ出展
ネット販売(メルカリ・ヤフオク・自社EC)
ネット上での中古自転車販売も古物営業の対象となる。古物商許可申請時にサイトURLを届け出る必要がある。開設後にURLが変わった場合や、新たなプラットフォームを追加した場合はその都度変更届が必要。
出張買取
「行商する」を申請書で選択している場合は、客先への出張での買取が可能。「行商しない」を選択していると、営業所以外での古物の受け入れ(買取)は違法となる。
フリマ・蚤の市出展
仮設店舗での販売も古物営業法の対象。申請書の「仮設店舗」欄に出展予定の会場を記載する必要がある。毎回異なる会場の場合は事前に警察署に相談することが望ましい。
取得後の義務
古物商許可取得後は、以下の義務が継続的に発生する。違反には罰則が伴うため、日常運営で確実に履行すること。
標識(古物商プレート)の掲示義務
許可証を受け取った後すぐに、営業所の見やすい位置に標識を掲示しなければならない(古物営業法第12条)。標識は金属・プラスチック製で紺色地に白文字、取り扱う古物区分(「自転車商」等)を明記する。掲示義務違反は20万円以下の罰金。
重要 仮設店舗での販売時も標識(携帯用)の掲示が必要。フリマや出張販売時に標識を持参し忘れると罰則対象となる。
帳簿(書類)記録の義務
古物を買い取った場合は、相手方の氏名・住所・職業・年齢、古物の品目・特徴・数量・代価を帳簿(電磁的記録も可)に記録し3年間保存する義務がある(古物営業法第16条)。
変更届出義務
営業所の住所・名称・代表者・取り扱い古物区分などに変更が生じた場合は、変更日から3日以内(電子申請含む)に届出が必要(古物営業法第7条)。
廃業届
廃業の場合は、廃業日から10日以内に廃業届を所轄警察署に提出し、許可証を返納する(古物営業法第8条)。
不正品申告義務
盗品と疑われる古物を受け入れた場合は、速やかに警察署に申告する義務がある(古物営業法第15条)。

まとめ
自転車屋の開業に必要な許可・資格を整理すると以下のとおりとなる。
| 業務内容 | 必要な許可・資格 | 費用 |
|---|---|---|
| 新品自転車の販売のみ | 不要(開業届のみ) | 無料 |
| 中古自転車の買取・販売 | 古物商許可(必須) | 19,000円 |
| 自転車の点検整備・TSマーク貼付 | 自転車安全整備士(事実上必須) | 受験料 約15,000円 |
| 防犯登録の代行 | 防犯登録販売店登録(必須) | 協会による |
古物商許可は書類に不備があると審査が長引くため、早めに所轄警察署(防犯係)に相談しておくことが重要。特に法人申請は役員全員分の書類が必要で、書類準備だけで3〜4週間かかることもある。
書類の準備・記入に不安がある場合は、行政書士への相談が有効。古物商許可に詳しい行政書士に依頼することで、書類不備による再提出リスクを大幅に減らすことができる。
許認可ナビ編集部
行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。
最終更新:2025年7月5日
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