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改葬(墓じまい)の手続きガイド|改葬許可申請の書類・費用・流れを解説

遺骨を別の墓地・納骨堂に移す改葬には市区町村長の改葬許可証が必要(墓地埋葬法第5条)。申請手数料は不要〜数百円、審査期間7〜30日。改葬全体の総費用相場は100〜400万円。必要書類の収集方法・記入ミス対策・離檀トラブル対処法まで解説。

許認可ナビ編集部·

この記事でわかること

  • 改葬(墓じまい)の定義と法的根拠(墓地、埋葬等に関する法律第5条第1項)
  • 改葬許可申請の申請先・手数料不要〜数百円・審査期間7〜30日
  • 必要書類3点(改葬許可申請書・埋葬証明書・受入証明書)と収集の順番
  • 申請書の記入ミスが起きやすい箇所と対策
  • 改葬にかかる**総費用の相場(100〜400万円)**と費目別内訳
  • 離檀料の高額請求・遺骨取り出し拒否などのトラブル対処法
  • 改葬先の選択肢(一般墓・納骨堂・樹木葬・合祀墓・手元供養)の比較

改葬(墓じまい)が必要なケース・不要なケース

改葬とは、墓地または納骨堂に埋蔵・収蔵されている遺骨を別の墓地・納骨堂に移動させることです(墓地、埋葬等に関する法律第2条第3項)。改葬を行うには、遺骨の現在地を管轄する市区町村長の許可(改葬許可証)が必要です(墓埋法第5条第1項)。

改葬許可申請が必要なケース

  • 墓じまいをして遺骨を別の霊園・墓地・納骨堂に移す
  • 引越しや家族の事情で遠方にある先祖の遺骨を近くに移す
  • 宗教・宗派の変更に伴い墓地を移転する
  • 無縁墓になりそうな遺骨を合祀墓・樹木葬・納骨堂に移す
  • 自宅に保管している遺骨を正式な墓地・納骨堂に収蔵する

改葬許可申請が不要なケース

  • 同一墓地内での墓石の建替え・移動(遺骨の移動を伴わない場合)
  • 遺骨の一部を手元供養として保管するだけの場合(分骨は改葬に該当しない)

注意 遺骨が複数体ある場合、市区町村によっては1体ずつ申請書が必要です。まとめて申請できる自治体もあるため、事前に管轄の役所に確認してください。

無許可で改葬した場合の罰則

改葬許可証を取得せずに遺骨を移動させた場合、墓地、埋葬等に関する法律第21条第1号に基づき刑事罰の対象になります。

違反行為罰則
改葬許可証なしで遺骨を移動2万円以下の罰金、拘留または科料

手数料は不要〜数百円と安く、審査も1ヶ月以内で完了します。「手続きが面倒だから」と省略するのは法律違反です。

重要 改葬許可証は遺骨を掘り出す前に取得する必要があります。許可証の受領前に遺骨を取り出してしまうと、無許可で移動させたことになります。順序を間違えないよう注意してください。

申請前の準備

改葬許可申請の手続きは、書類収集から市区町村への提出まで複数の関係者が関わります。事前に以下3点を整理しておくと手続きがスムーズに進みます。

1. 現在の墓地・納骨堂の管理者に連絡する

改葬許可申請に必要な「埋葬(収蔵)証明書」は、現在遺骨が納められている墓地・納骨堂の管理者(お寺・霊園等)に発行してもらいます。突然の申し出にならないよう、改葬の意思を早めに伝えることが重要です。

特に寺院の場合は離檀(檀家をやめること)の話し合いが必要になることが多く、住職への丁寧な説明と書面でのやり取りを残しておくことをお勧めします。

2. 改葬先(受入先)を決める

改葬許可申請では「改葬先の受入証明書」が必要な自治体もあります(不要な自治体あり)。改葬先を決める前に申請してしまうと、後から書類不足になる可能性があります。改葬先の選択肢は後述しますが、主に一般墓・納骨堂・樹木葬・合祀墓から選ぶことになります。

3. 申請する市区町村役所を確認する

改葬許可申請は遺骨が現在埋蔵・収蔵されている場所を管轄する市区町村役所に行います(改葬先の自治体ではありません)。自治体によって申請書の様式・添付書類の要件が異なるため、事前に管轄役所(住民課・市民課・衛生課等)に必要書類を確認することをお勧めします。

ポイント 遠方の墓地から改葬する場合、現地の市区町村に申請するため、電話・メール・郵送で事前に書類様式を入手してから動くと効率的です。

必要書類一覧

改葬許可申請に必要な書類は以下のとおりです。自治体によって様式や追加要件が異なるため、必ず管轄の市区町村役所に最新情報を確認してください。

書類名概要入手先
改葬許可申請書市区町村所定の書式。被改葬者の氏名・死亡年月日・改葬先等を記載市区町村役所の窓口またはウェブサイト
埋葬(収蔵)証明書現在の墓地・納骨堂の管理者が記名・捺印する証明書現在の墓地・寺院等の管理者
受入証明書改葬先の墓地・納骨堂管理者が発行する受入れ証明書(市区町村によっては不要改葬先の墓地・納骨堂管理者

改葬する遺骨が複数ある場合、1体ごとに申請書が必要かどうかは市区町村によって異なります。1枚の申請書に複数体を記入できる自治体もあれば、1体1申請の自治体もあります。

改葬許可申請書の詳細記入例(京都市)
京都市「改葬許可申請の手続きについて」より、改葬許可申請書の記入例。申請者・改葬先・証明書(墓地管理者記入欄)が1枚に統合されたフォーマット。申請書は「申請書1枚+許可証2枚(複写)」計3枚で1部。出典:京都市 保健福祉局「改葬許可申請の手続きについて」

申請書の記入ミスが起きやすい箇所

改葬許可申請書は記入項目が多く、記入漏れ・誤記があると役所で受理されません。特に以下の項目で失敗が多いです。

  • 申請する市区町村を間違える: 改葬先ではなく、遺骨が現在埋蔵されている場所を管轄する市区町村に提出する
  • 死亡年月日の記入形式: 和暦(昭和・平成・令和)で記入する場合が多いが、様式の指示に従うこと
  • 改葬の理由欄を空白にする: 「新たな墓地へ移すため」「永代供養墓に移すため」など具体的に記入する
  • 続柄の記入漏れ: 申請者と故人の続柄(子、孫、長男等)を記入する欄を見落としやすい
  • 墓地管理者の証明欄が未記入: 申請書の証明欄は管理者(住職・霊園管理者等)に記入・捺印してもらう必要がある

重要 申請書の「証明欄(埋葬証明)」は申請者本人ではなく、現在の墓地・納骨堂の管理者が記入します。管理者の記名・捺印をもらってから役所に提出してください。未記入のまま提出すると全書類が差し戻しになります。

改葬許可申請書 表面記入例(三田市)
兵庫県三田市の改葬許可申請書 表面記入例。死亡者情報・改葬先・改葬の理由・申請者情報・墓地管理者証明欄の記入方法を赤枠の注記で解説。下段に改葬許可証(市区町村長発行)の書式が続く。出典:三田市「改葬許可申請書 表面記入例」

改葬の申請の流れ(STEP 1〜6)

STEP 1:現在の墓地管理者に連絡・改葬の意思を伝える(目安:1〜3ヶ月前)

改葬を決めたら、まず現在の墓地・納骨堂の管理者(寺院・霊園)に改葬の意向を伝えます。寺院の場合は離檀の話し合いが必要になることがあり、住職への丁寧な説明と書面でのやり取りを残しておくことを推奨します。

STEP 2:改葬先を決定し、受入証明書を取得する(目安:1〜2ヶ月前)

改葬先の墓地・納骨堂・樹木葬等を決定し、改葬先の管理者から「受入証明書」を取得します。不要な自治体もあるため、申請先の役所に事前確認してください。

STEP 3:申請書類を収集する(目安:2〜4週間前)

管轄の市区町村役所から改葬許可申請書の書式を入手し、必要事項を記入します。現在の墓地管理者には申請書の「証明欄」に記名・捺印してもらいます。

STEP 4:市区町村役所に申請書類を提出する(1日)

改葬許可申請書(管理者の証明欄記入済み)と必要書類を、遺骨が現在埋蔵されている場所を管轄する市区町村役所の窓口に提出します。手数料は不要または数百円以下(自治体による)。郵送申請を受け付けている自治体もあります。

STEP 5:改葬許可証を受領する(審査期間:7〜30日)

申請受理後、市区町村から改葬許可証が交付されます。改葬許可証は通常、申請書1枚につき2枚発行されます(現在の墓地管理者への提示用と、改葬先への提出用)。

STEP 6:改葬を実行し、許可証を提出して完了する

改葬許可証を現在の墓地管理者に提示し、遺骨を取り出します。石材店が墓石の解体・撤去工事を行います。その後、改葬先の管理者に改葬許可証を提出して改葬が完了です。

費用と審査期間のまとめ

項目内容
申請手数料不要〜数百円(市区町村による)
審査期間7〜30日(平均約2週間)
許可証の有効期限単発許可(改葬のたびに取得が必要)
申請窓口遺骨が現在埋蔵されている場所の市区町村役所(住民課・市民課・衛生課等)
複数体の場合1体ごとに申請が必要な場合あり(自治体に確認)

改葬許可申請の手数料は非常に安い一方、改葬全体(墓じまい・引越し・新墓所設置・法要等)にかかる費用は別途発生します。次のセクションで費目別の相場を解説します。

改葬にかかる総費用の相場

改葬(墓じまい)の検索では「費用の相場」が大きな関心事です。改葬許可申請の手数料は微額ですが、墓石の解体・搬送・新墓所の費用まで含めると総費用は100万円を超えることも多いです。費目別の相場をまとめました。

費目相場
改葬許可申請手数料無料〜数百円
閉眼供養(魂抜き)の法要費3〜10万円(寺院への御布施)
墓石の解体・撤去工事費20〜50万円(墓の大きさ・石材店による)
離檀料0〜50万円(法的義務なし。寺院によって大きく異なる)
遺骨の搬送費1〜5万円(距離による)
新墓所(一般墓)100〜300万円(土地永代使用料+墓石代)
新墓所(納骨堂)10〜100万円(タイプ・立地による)
新墓所(樹木葬)10〜70万円(合祀・個別の差)
開眼供養の法要費3〜10万円(新墓所での法要)

総費用の目安は100〜400万円以上になることがあります。樹木葬・合祀墓を選択する場合は30〜100万円程度に収まるケースもあります。

ポイント 離檀料には法律上の根拠がなく、高額な離檀料を求められた場合は支払い義務はありません。消費者センターや弁護士に相談することが有効です。

改葬でよくある失敗・トラブルパターン

改葬は複数の関係者が関わるため、以下のようなトラブルが多発しています。事前に把握しておくことで回避できます。

① 離檀料の高額請求 寺院から「離檀するなら100万円払え」と求められるケース。法律上の義務はなく、常識的な御布施の範囲を超えた場合は支払い義務がありません。消費者センターや弁護士に相談してください。

② 遺骨の取り出しを拒否される 墓地管理者が「埋葬証明書を書かない」「骨を出させない」と言うケース。改葬許可証を持っていれば、法的に遺骨の取り出しを拒否できません。それでも拒否が続く場合は市区町村または弁護士に相談してください。

③ 申請する市区町村を間違える 「改葬先の市区町村に申請しなければ」と思い込むケース。正しくは遺骨の現在地を管轄する市区町村への申請です。

④ 複数の遺骨を1枚でまとめて申請してしまう 自治体によっては1体1申請が必要なのに、まとめて提出して全件差し戻しになるケース。事前に役所に確認することが必須です。

⑤ 改葬許可証の受け取り前に遺骨を掘り出す 墓石の解体工事と同時に進めようとして許可証の受領前に遺骨を取り出してしまうケース。これは墓埋法第21条第1号違反です。許可証受け取り後に掘り出すのが正しい順序です。

⑥ 受入証明書の取得を忘れる 改葬先が決まる前に申請し「受入証明書が必要」と差し戻しになるケース。申請前に管轄役所に必要書類リストを確認しましょう。

改葬先の選択肢と費用比較

改葬先(移転先)の選択肢は大きく5種類あります。費用・管理の手間・宗教的な制約を踏まえて選んでください。

種別特徴費用目安
一般墓(霊園・公営墓地)伝統的な墓石型。子孫が継いで管理する100〜300万円
納骨堂屋内施設で遺骨を管理。ロッカー型・仏壇型等10〜100万円
樹木葬自然の木々の下に埋葬。個別・合祀の2タイプ10〜70万円
合祀墓(永代供養墓)他の方と合同で供養。管理不要5〜30万円
手元供養・散骨手元に置くか海・山に散骨数千円〜10万円

手元供養や散骨を行う場合でも、遺骨を現在の墓地から取り出す際には改葬許可申請が必要です。

ポイント 公営霊園は費用が安い一方、募集が不定期で倍率が高い傾向があります。民営霊園・納骨堂は年間管理費が継続的に発生します。石材店(墓石販売・施工業者)に墓石の解体から新墓所の設置まで一括依頼する方法も一般的です。

改葬の手続きの流れ 7ステップ(京都市)
京都市「改葬許可申請の手続きについて」より、改葬の手続きの流れ(全7ステップ)。申請書の入手から改葬先の管理者への許可証提出まで、手続き全体の流れが一目でわかる。出典:京都市 保健福祉局「改葬許可申請の手続きについて」

改葬後の義務と注意事項

改葬が完了した後にも以下の点に注意が必要です。

改葬許可証の提示・提出義務(掲示義務なし)

改葬許可証は改葬元の墓地管理者に提示して遺骨を取り出し、その後改葬先の墓地・納骨堂管理者に提出する義務があります(墓地、埋葬等に関する法律第8条に基づく手続きの一環)。なお、一般的な営業許可証とは異なり、改葬許可証の掲示義務(施設への貼付等)はありません。許可証を提出すると手元に残らないため、提出前に写しを取っておくことを推奨します。

改葬許可証の写しを手元に保管する

改葬許可証の原本は改葬先の墓地・納骨堂に提出しますが、写しを手元に保管しておくことを強く推奨します。将来的に再改葬・相続手続きの際に、改葬の経緯を証明する書類として必要になる場合があります。

旧墓地の原状回復義務

墓石を撤去した後の墓地(区画)は、霊園・墓地の規約に従って整地(原状回復)する義務があります。石材店に解体・撤去工事を依頼する場合は、整地まで含めて発注しましょう。

再改葬時も改葬許可申請が必要

改葬後に再度別の墓地・納骨堂に移す場合は、再度改葬許可申請が必要です。「一度許可を得たから次は不要」ではありません。

火葬証明書等の書類管理

改葬後は火葬証明書・改葬許可証の写し・受入証明書等を大切に保管してください。これらは遺骨の正式な所在を証明する書類です。

まとめ

改葬(墓じまい)の手続きは、墓地、埋葬等に関する法律に基づく市区町村長の許可(改葬許可証)の取得が出発点です。申請手数料は不要〜数百円と安く、審査期間も7〜30日程度です。ただし、書類収集(埋葬証明書・受入証明書)や現在の墓地管理者・改葬先との調整で、全体の期間は2〜6ヶ月かかることが多いです。

離檀料の交渉・墓石の解体工事・改葬先の選定を並行して進める必要があり、特にお寺の場合は住職との関係維持も重要になります。申請書の記入ミスや書類不備による差し戻しを避けるため、事前に管轄の市区町村役所に必要書類を確認することが最も重要なポイントです。

複数の遺骨が関係する場合・遠方の墓地の改葬が必要な場合・離檀トラブルが生じている場合は、行政書士や弁護士への相談が有効です。特に行政書士は改葬許可申請の書類作成・代行申請から代理手続きまで幅広くサポートしています。

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許認可ナビ編集部

行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。

最終更新:2026年7月9日

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