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建築士事務所登録申請の申請方法を完全解説|必要書類・費用・審査期間・よくある失敗まで
建築士事務所登録申請(建築士法第23条)の必要書類・登録手数料(18,000円程度)・審査期間(30〜60日)・管理建築士要件(3年以上の実務経験+管理建築士講習修了)を解説。都道府県知事に申請する5年更新の登録制度。
この記事でわかること
- 建築士事務所登録が必要なケース・不要なケース(自己設計との違いを含む)
- 登録に必須の管理建築士の要件(実務経験3年以上・管理建築士講習修了)
- 事務所種別(一級・二級・木造)の選び方と種別ごとの業務範囲
- 申請書類の全リスト(個人・法人別)と申請の流れ(STEP 1〜5)
- 登録手数料:18,000円程度(都道府県により異なる)
- 標準審査期間:30〜60日
- 無登録業務の罰則:1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(建築士法 第37条第9号)
- 登録後の義務:標識掲示・帳簿記録・変更届・5年ごとの更新
建築士事務所登録が必要なケース・不要なケース
建築士法第23条に基づき、一級建築士・二級建築士・木造建築士またはこれらを使用する者が、他人の求めに応じ報酬を得て設計・工事監理等を業として行おうとするときは、建築士事務所の登録を受けなければなりません。
登録が必要なケース
- 建築士が独立開業し、クライアントから設計・工事監理の依頼を受けて報酬を得る場合
- 法人・個人事業主が建築士を雇用または使用し、設計等を業として行う場合
- リフォーム会社・建設会社等が建築設計サービスも提供する場合(社内に建築士を置いて設計を行う場合)
- 現在登録中の事務所の有効期間(5年)が満了する前に更新登録を行う場合
登録が不要なケース
- 建築士が自己の住宅や自己の建物のみを設計する場合(報酬を得ない自己設計)
- 建築士免許は保有しているが、設計等の業務を一切行わない場合
- 第三者の物件を設計する場合でも、報酬を一切受け取らない純粋なボランティア設計
重要 「1件だけの設計だから」「知人の依頼だから」という理由で登録なしに設計報酬を受け取ることは違法です。1件でも報酬を得て他人のために設計等を行えば、事務所登録が必要です。
建築士事務所登録が必要な代表業種
建設・工事系の関連業種
登録を受けられない人・法人(欠格事由)
建築士法第23条の4は、以下のいずれかに該当する個人・法人は登録を受けることができないと定めています。1つでも該当する場合は登録申請を行うことができません。
個人の欠格事由
- 建築士法または関係法令に違反し禁錮以上の刑に処され、刑の執行が終わった日から2年を経過していない者
- 建築士事務所の登録を取り消され、取消日から2年を経過していない者
- 心身の故障により建築士事務所の業務を適正に行えない者(精神の機能の障害等)
- 管理建築士に設置できる建築士免許を保有していない個人開設者
法人の欠格事由
- 役員のうち1人でも上記個人の欠格事由に該当する者がいる法人
注意 登録後に管理建築士が退職・死亡・免許停止等で不在となった場合、2週間以内に後任の管理建築士を設置するか、廃業届を提出しなければなりません(建築士法第24条の7)。管理建築士不在のまま業務を継続することは違法です。
申請前の準備(4つの重要アクション)
建築士事務所登録は管理建築士の確保・講習受講・書類収集に時間がかかるため、開業予定日の2〜3ヶ月前から準備を始めることを推奨します。
① 管理建築士の確保と講習修了証の取得
管理建築士は、一級・二級・木造建築士のいずれかの免許を持ち、3年以上の設計等の実務経験を有し、かつ管理建築士講習を修了した者でなければなりません。個人事業主の場合は開設者本人が管理建築士を兼ねるのが一般的です。
管理建築士講習は、公益財団法人 建築技術教育普及センター(JAEIC)等の国土交通大臣登録機関が全国で実施しています。申込みから修了証取得まで1〜2ヶ月かかることがあります。
重要 管理建築士講習の修了証に有効期限はありませんが、取得済みの建築士免許の種別(一・二・木造)が申請する事務所種別と一致していることを必ず確認してください。
② 事務所種別(一級・二級・木造)の決定
建築士事務所の種別は、管理建築士が保有する建築士免許の種別に合わせる必要があります。
- 一級建築士事務所:管理建築士が一級建築士。規模制限なく設計・監理可能
- 二級建築士事務所:管理建築士が二級建築士。戸建住宅等の規模制限あり
- 木造建築士事務所:管理建築士が木造建築士。木造建築物に限定
複数の建築士免許を持つ管理建築士がいる場合も、登録できる種別は1種類のみです(最上位の免許種別で登録)。
③ 申請先(都道府県窓口 or 指定登録機関)の確認
建築士事務所登録は事務所所在地の都道府県知事への申請が原則ですが、多くの都道府県では**指定登録機関(建築士事務所協会等)**に窓口を委託しています。申請前に都道府県の建築担当部局または建築士事務所協会のウェブサイトで申請先と最新様式を確認してください。
④ 定款の確認(法人申請の場合)
法人として建築士事務所を開設する場合、定款の事業目的に**「建築設計業」「建築士事務所業」等の記載**が必要です。記載がない場合は定款変更(株主総会決議等)と登記変更が先に必要で、変更登記には通常1〜2ヶ月かかります。
必要書類一覧(個人申請)
個人事業主として建築士事務所の登録申請を行う場合の必要書類です。
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 建築士事務所登録申請書 | 申請先(都道府県 or 指定登録機関)の様式を使用 |
| 建築士免許証の写し(管理建築士) | 管理建築士が保有する建築士免許証のコピー |
| 管理建築士講習修了証の写し | 国土交通大臣登録機関(JAEIC 等)発行の修了証 |
| 実務経歴書 | 管理建築士の3年以上の設計等の実務経験を記載 |
| 実務経歴証明書 | 元勤務先等が作成・証明する書類 |
| 業務概要書 | 取り扱う業務の種別(設計・工事監理等)を記載 |
| 誓約書(欠格事由非該当) | 都道府県または指定機関指定の書式 |
ポイント 実務経歴証明書は元の勤務先に作成・押印を依頼します。元勤務先が廃業・合併している場合や連絡が取りにくい場合、証明書取得に予想以上の時間がかかることがあります。申請準備の最初に着手してください。

必要書類一覧(法人申請の追加書類)
法人として建築士事務所を開設する場合、個人申請の書類に加えて以下が必要です。
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 法人登記事項証明書(現在事項全部証明書) | 法務局発行。発行後3ヶ月以内 |
| 定款の写し | 事業目的に「建築設計業」「建築士事務所業」等の記載を確認 |
| 役員名簿 | 取締役・監査役等の全員の氏名・住所・生年月日を記載 |
| 役員全員の誓約書(欠格事由非該当) | 役員1人ごとに誓約 |
定款の事業目的について: 建築設計・建築士事務所関連の記載がない法人は定款変更と登記変更が先に必要です。変更登記(法務局)には最低でも1〜2週間かかります。計画的に進めてください。
申請書の重要項目(記入ミスが起きやすい欄)
建築士事務所登録申請書では、以下の欄でミスや記入漏れが頻発します。
事務所種別(一級・二級・木造)の選択
申請書では一級建築士事務所・二級建築士事務所・木造建築士事務所の中から1つを選択します。管理建築士の建築士免許の種別に対応させてください。間違えると補正または再申請が必要になります。
管理建築士の免許登録番号
建築士免許証に記載されている登録番号(一級:国土交通大臣登録番号、二級・木造:都道府県知事登録番号)を正確に転記してください。号数や桁数の転記ミスが多いです。
実務経歴の期間計算
実務経歴書の「設計等に従事した期間」の計算ミスが起きやすいです。施工管理のみ・営業・事務等、建築士法上の「設計等の実務」に該当しない業務は算入できません。3年以上の該当実務経験があることを慎重に確認してください。
注意 管理建築士の実務経験が「設計補助」「施工管理」だけの場合、設計等の実務に該当するか審査で確認されます。担当業務が「設計・工事監理等」の実務であることを具体的に記載してください。

申請の流れ(STEP 1〜5)
STEP 1:管理建築士講習の受講・修了証取得(目安:申請1〜2ヶ月前)
管理建築士になる予定の建築士が、管理建築士講習を受講して修了証を取得します。講習は公益財団法人 建築技術教育普及センター(JAEIC)等の国土交通大臣登録機関が全国で実施しています。受講申込みから修了証交付まで1〜2ヶ月かかることがあるため早めに申込みをしてください。
STEP 2:申請書類の収集・作成(目安:2〜4週間)
申請先(都道府県担当部局または指定登録機関)から最新の申請書様式・手引きを入手し、必要書類を揃えます。実務経歴証明書の取得・法人定款の確認に時間がかかる場合があるため早めに動いてください。
STEP 3:事前確認(強く推奨)
正式申請前に申請先窓口で書類の事前確認を受けることを強くおすすめします。書類不備があると正式受付後も補正が求められ、審査期間が延長されます。事前確認で不備を解消しておくと審査がスムーズになります。
STEP 4:正式申請・登録手数料納付(目安:半日)
書類一式を持参または郵送し、**登録手数料(都道府県により異なる。東京都:18,000円程度)**を納付します。領収書は大切に保管してください。都道府県によっては電子申請も可能です。
STEP 5:審査・登録証の交付(目安:30〜60日)
都道府県(または指定登録機関)が申請内容を審査します。審査完了後、建築士事務所の登録証明書が交付されます。登録後は標識(登録票)の掲示が義務となります。登録証明書を受け取ったら業務を開始できます。
費用と審査期間のまとめ
| 項目 | 自分で申請 | 行政書士に依頼 |
|---|---|---|
| 登録手数料 | 18,000円程度 | 18,000円程度 |
| 行政書士報酬 | なし | 49,800円〜(目安) |
| 管理建築士講習費用 | 15,000〜17,000円程度 | 15,000〜17,000円程度 |
| 書類取得費用 | 2,000〜5,000円程度 | 2,000〜5,000円程度 |
| 合計 | 約35,000〜40,000円 | 約85,000〜90,000円 |
| 書類準備〜登録証交付 | 2〜3ヶ月 | 1〜2ヶ月 |
※ 登録手数料は都道府県により異なります(例:東京都 18,000円程度)。 ※ 管理建築士講習の費用はJAEIC等の機関により異なります。 ※ 審査期間(標準処理期間)は30〜60日が目安ですが、書類補正が生じると延長されます。
建築士事務所登録申請の詳細情報
よくある失敗パターン(申請前に必ず確認)
① 管理建築士講習修了証を取得していない
最も多い失敗です。管理建築士講習の修了証は建築士事務所登録の必須書類です。「建築士免許があれば十分」と思い込み、講習未受講で申請する方が多くいます。講習の申込みは申請予定の2〜3ヶ月前には完了させてください。
② 実務経歴が「設計等の実務」に満たない
施工管理・工事現場監督・積算・営業等は「設計等の実務」に含まれません。3年以上の実務経験の内容を具体的に確認してから申請してください。経験年数は満たしているが実務内容で却下されるケースも存在します。
③ 事務所の種別と管理建築士の免許種別が不一致
一級建築士事務所として申請しようとしたが、管理建築士が二級建築士だった——というミスが起きます。事務所種別は必ず管理建築士の免許種別に合わせて決定してください。
④ 法人の定款に建築設計業の記載がない
設立時の定款に「建築設計業」等の記載がない法人は定款変更と登記変更が必要です。「定款確認を後回しにした結果、開業が1〜2ヶ月遅れた」例は珍しくありません。会社設立と同時または直後に定款を確認してください。
⑤ 実務経歴証明書の取り寄せを後回しにした
元勤務先が廃業・倒産・合併していると実務経歴証明書の発行が困難になることがあります。証明書は申請書類の中で最も取得が難しい書類のため、最優先で動いてください。
⑥ 登録証交付前に業務を開始してしまった
登録証の交付を待たずに報酬を得て設計業務を開始することは無登録業務です。罰則は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(建築士法 第37条第9号)です。審査完了の連絡があっても、登録証を手元で確認してから業務を開始してください。
特殊ケース:複数事務所・更新登録・管理建築士の変更
複数都道府県への事務所設置
建築士事務所の登録は事務所所在地の都道府県ごとに必要です。東京と大阪に事務所を設置する場合は、それぞれの都道府県への登録が必要です。ただし、1か所の事務所から全国の物件を請け負うこと自体は問題ありません。
5年ごとの更新登録
登録の有効期間は5年間です。有効期間の満了後も継続して業務を行う場合は、満了前に更新登録申請が必要です。更新申請の準備は満了日の2〜3ヶ月前から始めてください。更新手数料も新規登録と同程度かかります。
注意 更新登録を怠ると登録が失効し、無登録業務となります。有効期限は開業当初からカレンダーに登録し、忘れないよう管理してください。
管理建築士の変更(変更届)
管理建築士を交代する場合は、変更があった日から2週間以内に変更届を申請先に提出する必要があります(建築士法第23条の5第2項)。変更届の提出が遅れると法令違反となります。
登録後の義務(標識掲示・帳簿記録・変更届・更新)
登録取得後も継続的な義務があります。義務違反は業務停止命令・登録取消しの対象となります。
標識(登録票)の掲示義務
建築士法第24条の5に基づき、建築士事務所の入口等の見やすい場所に「建築士事務所登録票」を掲示しなければなりません。掲示内容には事務所の名称・所在地・登録番号・登録年月日・管理建築士の氏名・建築士免許番号等が含まれます。様式は都道府県または指定登録機関から入手してください。
重要 標識の掲示は登録後すみやかに行ってください。登録証を受け取った段階で標識を準備し、開業初日から掲示することが法令の要求です。掲示がない場合、都道府県の立入検査で指導対象になります。
帳簿の記録・保存義務
建築士事務所は業務に関する帳簿(依頼者名・業務内容・報酬額・担当建築士の氏名等)を記録し、事務所を廃業するまで保存しなければなりません(建築士法第24条の4)。帳簿は所定の様式に従い正確に記帳してください。
重要事項説明・書面交付義務
建築士事務所の開設者は、依頼者に対して業務開始前に設計・監理の内容・費用の重要事項を書面で説明し、署名・押印(または電子署名)を受けることが義務付けられています(建築士法第24条の8)。
変更届・廃業届
- 事務所名称・所在地・管理建築士・代表者等の変更は2週間以内に変更届を提出(建築士法第23条の5)
- 業を廃止した場合は廃止後30日以内に廃業届を提出

まとめ
建築士事務所の登録は、建築士法第23条に基づき報酬を得て他人のために設計・工事監理等を業として行う場合に必須の登録です。無登録での業務は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(建築士法 第37条第9号)という重い罰則があります。
申請にあたっての最大のポイントは管理建築士の確保と管理建築士講習修了証の取得です。特に、3年以上の実務経験の内容確認と実務経歴証明書の発行依頼は、他の書類より時間がかかるため最優先で動いてください。
登録後は、標識の掲示・帳簿の記録・変更届の提出・5年ごとの更新という継続的な義務があります。有効期限の管理は開業当初から行い、更新漏れを防いでください。
書類の準備に不安がある場合や、定款変更・実務経歴の整理が複雑な場合は、建築士事務所登録を専門とする行政書士への相談が効果的です。手続き全体のサポートを受けることで、申請までのリードタイムを大幅に短縮できます。
許認可ナビ編集部
行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。
最終更新:2026年4月25日
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