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建設業許可の申請方法を完全解説|必要書類・費用・審査期間・よくある失敗まで
建設業許可(知事許可・一般建設業)の申請手数料は90,000円・審査期間は30〜90日。経営業務管理責任者・専任技術者・財産的基礎(500万円以上)・誠実性の4要件を満たした上で都道府県に申請。有効期限5年で更新手数料は50,000円。
この記事でわかること
建設業許可(知事許可・一般建設業)の申請に必要な情報を、申請書類・費用・審査期間・よくある失敗まで網羅します。
- 建設業許可が必要な工事の基準(500万円以上)と不要な軽微工事の範囲
- 許可取得の4要件(経営業務管理責任者・専任技術者・財産的基礎・誠実性)
- 個人・法人別の必要書類一覧(20種類以上)
- 申請から許可証交付まで30〜90日・手数料90,000円
- 許可取得後の変更届・決算報告・許可票掲示の義務
建設業許可が必要なケース・不要なケース
建設業法第3条第1項に基づき、以下のいずれかに該当する建設工事を業として請け負う場合に建設業許可が必要です。
許可が必要なケース
- 建築一式工事: 1件の請負代金が1,500万円以上(消費税込)または延べ床面積150㎡以上の木造住宅工事
- その他の建設工事(専門工事): 1件の請負代金が500万円以上(消費税込)
- 29業種に区分されており、各業種ごとに許可取得が必要(土木一式・建築一式・大工・左官・電気・管・内装仕上 等)
重要 複数の工種を含む工事でも、合計請負金額が基準以上になれば許可が必要です。材料費・消費税を含めた金額で判断します。下請け金額ではなく「元請負金額」が基準です。
許可が不要なケース(軽微な建設工事)
以下は許可なく請け負うことができます。
- 建築一式工事:請負代金1,500万円未満 かつ 木造住宅で延べ床面積150㎡未満
- その他の工事:請負代金500万円未満(消費税込)
ただし、軽微工事であっても元請の要求や公共工事入札参加要件として許可が求められるケースが多く、事業拡大を見据えた早期取得が一般的です。
取得できない人・法人(欠格事由)
建設業法第8条・第17条に基づき、以下に該当する個人または法人役員は許可を受けることができません。
- 破産手続開始決定を受けて復権を得ていない者
- 精神の機能の障害により建設業を適正に営むことができない者
- 不正手段で許可を受けた等により許可を取り消され、5年を経過していない者
- 建設業法・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に違反し、罰金刑以上を受けて5年を経過していない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、5年を経過していない者
- 暴力団員または暴力団員でなくなってから5年を経過していない者
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者(法定代理人が欠格者の場合を含む)
注意 役員の一人でも欠格事由に該当すると、法人全体が許可を受けられません。M&A・役員変更時は必ず全役員の欠格事由該当有無を確認してください。
申請前の準備
建設業許可の申請には4つの要件を満たす人員・資産が必要です。書類収集の前に、以下を一つずつ確認してください。
① 経営業務管理責任者の確認
建設業の経営業務について5年以上の経営経験を持つ役員等(取締役・個人事業主)を選任する必要があります。証明書類は「建設工事の請負契約書」「注文書・請書」または「確定申告書(事業所得)」で実績を裏付けます。
落とし穴 「従業員として5年以上働いた」だけでは要件を満たしません。取締役・業務執行社員・個人事業主として経営に参加した期間が対象です。
② 専任技術者の確認
各許可業種ごとに、営業所に常勤する専任技術者が必要です。証明方法は2通りあります。
資格による証明: 施工管理技士(1級・2級)、建築士、電気工事士など所定の国家資格を保有する者
実務経験による証明: 高校の所定学科卒業後5年以上・大学の所定学科卒業後3年以上・その他10年以上の実務経験(請負契約書等で証明)
③ 財産的基礎の確認
一般建設業許可では以下のいずれかを満たす必要があります。
- 自己資本(純資産)が500万円以上(直前の決算書で確認)
- 500万円以上の資金調達能力(金融機関の残高証明書または融資証明書)
重要 残高証明書は申請時の直前に取得したものを使用します。3ヶ月以上前のものは認められない都道府県が多いため、申請スケジュールに合わせて取得してください。
④ 誠実性の確認
許可申請書・添付書類に虚偽の記載がないこと、過去に不誠実な行為(詐欺・脅迫等)がないことが求められます。誓約書(様式第6号)により宣誓します。
必要書類一覧(個人申請)
都道府県知事宛の新規申請に必要な主な書類です。都道府県により追加書類が求められる場合があります。
| 書類 | 様式番号 | 備考 |
|---|---|---|
| 建設業許可申請書 | 様式第1号 | 業種・区分・知事/大臣を記入 |
| 工事経歴書 | 様式第2号 | 直前1年間の主な施工実績 |
| 直前3年の各事業年度における工事施工金額 | 様式第3号 | 3年分の工事種別ごとの金額 |
| 使用人数 | 様式第4号 | 従業員・職人等の人数 |
| 誓約書 | 様式第6号 | 欠格事由非該当の誓約 |
| 経営業務管理責任者の略歴書 | 様式第7号 | 経管の経歴(5年以上の証明) |
| 専任技術者証明書 | 様式第8号 | 各業種の技術者証明 |
| 財務諸表(貸借対照表等) | 様式第15〜18号 | 直前1期分 |
| 登記されていないことの証明書 | — | 法務局で取得(成年被後見人非該当) |
| 身分証明書(本籍地市区町村発行) | — | 破産者非該当の証明 |
| 確定申告書の写し | — | 直前5年分(経管の経営経験証明) |
| 納税証明書 | — | 国税の未納なしを証明 |
書類の入手先: 都道府県の建設業許可担当課・窓口、または公式サイトから様式をダウンロードできます。

必要書類一覧(法人申請の追加書類)
法人で申請する場合は、個人申請の書類に加えて以下が必要です。
| 書類 | 取得先 | 備考 |
|---|---|---|
| 履歴事項全部証明書(登記簿謄本) | 法務局 | 発行から3ヶ月以内のもの |
| 定款の写し | 自社保管 | 最新の定款(認証印または原本証明) |
| 財務諸表(法人用:様式第15〜18号) | 自社作成 | 税理士・公認会計士が作成したものでも可 |
| 役員全員の略歴書(様式第7号の2) | 自社作成 | 取締役・監査役全員分 |
| 役員全員の身分証明書 | 本籍地市区町村 | 禁治産者・被保佐人非該当の証明 |
| 役員全員の登記されていないことの証明書 | 法務局 | 成年被後見人・被保佐人非該当 |
注意 発行から3ヶ月以内という期限がある書類(登記簿謄本・残高証明書等)は、申請日に合わせてギリギリで取得するのではなく、余裕を持ったスケジュールを立ててください。
申請書の重要項目(記入ミスが起きやすい欄)
以下の欄は記入ミス・選択誤りが特に多く、補正・差し戻しの原因となります。
- 許可を受けようとする建設業の種類(様式第1号): 29業種から必要な業種を正確に選択します。業種を誤ると追加申請(追加で50,000円)が必要になります。
- 知事許可か大臣許可の選択: 営業所が1都道府県内のみ→知事許可、2都道府県以上に営業所→大臣許可。「営業所」の定義(常時契約締結を行う事務所)に注意してください。
- 一般か特定の選択: 発注者から直接受注した工事で、下請け合計金額が4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上)になる場合→特定建設業。それ未満→一般建設業。
- 専任技術者の「常勤性」の確認: 専任技術者は当該営業所に「常勤」していることが必要。他社兼務・在宅勤務主体の場合は認定されないことがあります。
重要 申請書は都道府県によって独自様式を採用している場合があります。国土交通省の標準様式ではなく、申請先の都道府県の最新様式をダウンロードして使用してください。

申請の流れ(STEP1〜5)
STEP 1:業種・許可区分の確認(目安:1〜2週間)
29業種のうち取得が必要な業種を特定し、知事/大臣・一般/特定の区分を決定します。工事の種類と請負金額の実績を確認し、取得すべき業種数を洗い出してください。
STEP 2:要件確認・人員選任(目安:2〜4週間)
経営業務管理責任者・専任技術者を選任し、財産的基礎(500万円以上)を確認します。実務経験で証明する場合は、請負契約書・注文書等を過去10年分遡って収集します。
STEP 3:書類収集・申請書作成(目安:3〜6週間)
様式に従って申請書類を作成します。登記簿謄本・身分証明書・登記されていないことの証明書など公的機関からの取得が必要な書類は早めに手配してください。
STEP 4:事前相談・書類確認(目安:1週間)
都道府県の建設業許可担当窓口では事前相談を受け付けています。書類の不備を提出前に確認することで、補正による審査遅延を防げます。
STEP 5:申請書提出・審査・許可証受領(目安:30〜90日)
窓口に書類一式を提出し、許可手数料90,000円(収入証紙)を納付します。審査は都道府県によって30〜90日かかります。審査通過後、「建設業許可通知書」が交付されます。
費用と審査期間
| 項目 | 金額・期間 |
|---|---|
| 新規申請手数料(知事許可) | 90,000円(収入証紙) |
| 更新申請手数料(5年ごと) | 50,000円 |
| 業種追加申請 | 50,000円 |
| 標準審査期間(都道府県知事許可) | 30〜90日(都道府県による) |
| 有効期限 | 5年(更新制) |
| 行政書士報酬(代行依頼の場合) | 15万〜30万円程度 |
手数料は都道府県の収入証紙で納付するのが一般的です(電子申請対応の都道府県では電子決済可)。行政書士へ代行依頼する場合は、手数料とは別に報酬が発生します。
注意 手数料は非課税(税金の性質を持つ)のため消費税はかかりません。一方、行政書士報酬には消費税が加算されます。
建設業許可の詳細情報
よくある失敗パターン(6パターン)
建設業許可申請では、以下の失敗が頻発しています。
① 業種を間違えて申請する 29業種のうち「大工工事」と「建築一式」は別業種です。元請として木造住宅を一括請負する場合は「建築一式工事」、特定部位の専門工事なら各専門工事業の許可が必要です。業種を誤ると追加申請(追加で50,000円)が必要になります。
② 専任技術者の「常勤性」が証明できない 専任技術者は申請先の営業所に「常勤」することが条件です。健康保険の被保険者証や住民票で常勤が確認できない場合、認定されません。フリーランス・他社兼務の技術者は特に注意が必要です。
③ 経営業務管理責任者の経験証明書類が不足する 確定申告書や請負契約書が5年分揃わない場合、経管の要件を証明できません。書類は起業・就任時から継続して保管することが重要です。廃棄してしまった場合は税務署への閲覧申請等で補います。
④ 決算書と申請書類の数字が一致しない 財務諸表の数値が、実際の確定申告書・法人税申告書と一致しない場合、補正を求められます。税理士と連携して財務諸表を正確に転記してください。
⑤ 申請先の手引きを読まずに旧様式を使用する 都道府県は定期的に申請様式・記載ルールを改定します。国土交通省の標準様式や古い手引きを使用すると差し戻されます。申請前に申請先都道府県の最新手引きを必ず確認してください。
⑥ 更新を5年間忘れて許可が失効する 建設業許可の有効期間は5年です。期間満了後は失効し、再度新規申請(90,000円)が必要になります。更新申請は有効期限の30日前までに提出してください。
知事許可・大臣許可と一般・特定建設業の違い
建設業許可は「管轄(知事/大臣)」と「規模(一般/特定)」の組み合わせで4種類あります。
知事許可か大臣許可か
| 状況 | 許可の種類 |
|---|---|
| 1つの都道府県のみに営業所がある | 都道府県知事許可 |
| 2つ以上の都道府県に営業所がある | 国土交通大臣許可 |
「営業所」の定義: 常時建設工事の請負契約を締結する事務所(本店・支店・出張所等)。工事現場の仮設事務所は営業所に該当しません。
知事許可でも全国どこでも工事を施工できます(許可の効力範囲に地域制限はありません)。
一般建設業か特定建設業か
| 状況 | 許可の種類 |
|---|---|
| 下請けへの発注合計が4,500万円未満(建築一式は7,000万円未満) | 一般建設業許可 |
| 下請けへの発注合計が4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上) | 特定建設業許可 |
特定建設業許可は財産的要件が厳しく、純資産4,000万円以上・流動比率75%以上・資本金額2,000万円以上等の要件があります。
許可取得後の義務
建設業許可を取得した後も、以下の義務を継続して履行する必要があります。
変更届の提出
商号・所在地・役員・専任技術者・資本金額等に変更があった場合は、30日以内(経管・専技の変更は2週間以内)に変更届を提出してください。変更届の懈怠は行政処分の対象となります。
決算報告書の提出
毎事業年度終了後4ヶ月以内に、工事経歴書・財務諸表・施工金額等の決算報告書類を提出する義務があります(建設業法第11条)。未提出の場合、許可更新が受けられない場合があります。
建設業許可票の掲示義務(建設業法第40条)
重要 許可業者は、次の2箇所に「建設業許可票」を掲示しなければなりません(建設業法第40条)。
- 各営業所の見やすい場所
- 工事現場の見やすい場所
許可票の規格(縦35cm以上×横40cm以上)・記載事項(商号・許可番号・許可業種・専任技術者名等)は建設業法施行規則第25条で定められています。
廃業届の提出
廃業・解散・合併による消滅等の場合は、30日以内に廃業届を提出してください。

まとめ
建設業許可(知事許可・一般建設業)は、手数料90,000円・審査期間30〜90日で取得できますが、経営業務管理責任者・専任技術者・財産的基礎の3要件を満たす体制が必要です。書類準備に2〜4週間、申請から許可証交付まで最短でも2〜3ヶ月を見込んでください。
申請の成否は「要件に合った人材の在籍」と「経験を証明できる書類の保管状況」に左右されます。事前に以下を確認することが重要です。
- 経営業務管理責任者の経営経験(5年以上)と証明書類の有無
- 専任技術者の資格または実務経験(10年以上)と証明書類の有無
- 財産的基礎(自己資本500万円以上 または 500万円以上の残高証明書)
書類の準備や要件確認に不安がある場合は、行政書士への相談が有効です。建設業許可の代行報酬は15万〜30万円程度で、要件確認から申請書作成・窓口提出まで一括依頼できます。許可取得後の変更届・決算報告の管理も任せられるため、許可維持のリスクを大幅に低減できます。
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許認可ナビ編集部
行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。
最終更新:2026年4月25日
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