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鍼灸・マッサージ施術所の開設届出手順|整体院・鍼灸院の許認可ガイド
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の有資格者が施術所(鍼灸院・マッサージ院・整体院)を開設するには、開設後10日以内に所轄保健所へ「施術所開設届」を提出する義務があります。費用は無料、審査は即日〜1週間で完了します。
この記事でわかること
- 鍼灸院・マッサージ院・整体院の許認可と「施術所開設届」の位置づけ
- 届出が必要なケース・不要なケース(整体師・セラピストとの違い)
- 必要書類の一覧と保健所への提出手順
- 届出費用:無料、審査期間:即日〜1週間
- よくある失敗パターン5選と取得後の掲示義務
鍼灸院・整骨院・整体院の開業届出 比較表
「鍼灸院と整骨院は何が違うの?」「整体院は許可がいらないの?」—3業態の開業手続きを1表で整理します。
| 業態 | 必要な届出 | 必要な免許・資格 | 監督官庁 | 開業費用(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 鍼灸院(はり師・きゅう師) | 施術所開設届(保健所) | はり師・きゅう師国家免許 | 厚生労働省/都道府県 | 15〜100万円(設備整備費、届出は0円) |
| 整骨院・接骨院(柔道整復師) | 施術所開設届(保健所) | 柔道整復師国家免許 | 厚生労働省/都道府県 | 20〜100万円(設備整備費、届出は0円) |
| 整体院(無資格・民間資格) | 届出不要(法的規制なし) | 国家資格不要 | なし(消費者庁が相談受付) | 5〜50万円(届出は0円) |
重要 鍼灸院・整骨院は国家資格が必須で保健所への届出が義務。整体院は資格・届出とも不要ですが、あん摩・マッサージ・指圧の施術行為を「業として」行うと無資格施術違反(あはき法)になる点に注意してください。
この記事では鍼灸院・マッサージ施術所の施術所開設届の手続きを詳しく解説します。整骨院(柔道整復師)の届出は別の制度(柔道整復師法)です。
鍼灸院・整骨院・マッサージ施術所の違いと必要届出の比較
3業態はそれぞれ異なる法律に基づき、必要な資格・届出先・施設基準が異なります。開業前に自分の業態がどれに該当するかを正確に把握することが重要です。
| 業態 | 法的根拠 | 必要資格 | 届出先 | 届出種類 |
|---|---|---|---|---|
| 鍼灸院(鍼・灸) | 鍼師法・きゅう師法 | 鍼師・きゅう師国家資格 | 都道府県知事(保健所経由) | 施術所開設届 |
| 整骨院(柔道整復) | 柔道整復師法 | 柔道整復師国家資格 | 都道府県知事(保健所経由) | 施術所開設届 |
| マッサージ施術所 | あん摩マッサージ指圧師法 | あん摩マッサージ指圧師国家資格 | 都道府県知事(保健所経由) | 施術所開設届 |
重要 上記3業態はいずれも保健所への届出のみで開業可能(許可申請は不要)。ただし「整体院」「リラクゼーションサロン」は医療行為に該当せず無資格で開業できますが、医療行為的な施術は法的に禁止されています。
施設基準の違い
3業態の施設基準は概ね共通ですが、細部で異なります:
- 鍼灸院・マッサージ施術所: 専用の施術室(6.6㎡以上)・待合室・消毒設備が必要
- 整骨院: 施術室(6.6㎡以上)・施術床1床ごとに面積基準・消毒設備・施術台の形状規定あり
- 共通: 施術室は壁・扉で区切られた独立空間が必要(カーテン仕切りは都道府県によって要確認)
複数業態の組み合わせ
同一施術所で鍼灸+マッサージを行う場合は、両方の国家資格を保有するか、資格保有者を雇用する必要があります。届出は「施術所開設届」1枚で複数業態を記載可能。
施術所開設に許可申請は不要:保健所への届出だけで開業できる
鍼灸院・マッサージ院の開業に、県知事などへの許可申請は不要です。あはき法(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律)は「保健所への届出」を義務付けているだけで、許可が下りるまで営業できないという制限はありません。
ポイント 施術所開設届は「許可」ではなく「届出」です。届出書類を保健所に提出すれば、受理された日から施術所を開設できます(費用:無料、審査期間:即日〜1週間)。
届出が必要なケース(あはき法第9条の2第1項)
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師のいずれかの国家免許を持ち、施術所を開設する場合に届出義務があります。
| 形態 | 必要な手続き |
|---|---|
| 鍼灸院を開業する(はり師・きゅう師) | 保健所への届出のみ(許可申請不要) |
| マッサージ院・指圧院(あん摩マッサージ指圧師) | 保健所への届出のみ(許可申請不要) |
| 鍼灸+マッサージの複合施術所 | 保健所への届出のみ(各資格分) |
| 訪問鍼灸・訪問マッサージ | 保健所への届出のみ |
| 整骨院・接骨院(柔道整復師) | 別制度(柔整法による施術所開設届) |
届出が不要なケース
- 整体院・リラクゼーションサロン(無資格・民間資格のみ): あはき法上の「施術所」ではないため、本届出は不要。ただし施術行為の種類によっては医業類似行為違反となる場合があります
- 医療機関に所属するセラピスト(理学療法士・作業療法士): 別の資格制度
届出なし・無資格での施術所開設は刑事罰対象
無資格施術(欠格事由)
あはき法が規定する施術行為(鍼・灸・あん摩・マッサージ・指圧)を、免許なく業として行うことは違法です。
| 違反内容 | 罰則 |
|---|---|
| 無資格による施術(あはき法第13条の7) | 50万円以下の罰金 |
| 届出をせず施術所を開設(あはき法第13条の8) | 30万円以下の罰金 |
| 虚偽の届出(あはき法第13条の8) | 30万円以下の罰金 |
重要 整体院・リラクゼーションサロンという名称で開業していても、あん摩・マッサージ・指圧に該当する施術を「業として」行えば無資格施術違反となります(あはき法第1条)。整体院の許認可については後述の「整体院と鍼灸院・マッサージ院の法的違い」セクションを参照してください。
施術所への使用制限・閉鎖命令
都道府県知事は、あはき法に違反した施術所に対して使用制限・使用禁止・閉鎖を命ずることができます(あはき法第11条)。
申請前の準備
1. 国家免許の確認と保管
届出に際して、保有する国家免許の種類を確認します。
- はり師免許: 国家試験合格後、厚生労働大臣が交付
- きゅう師免許: 同上(はり師と別資格)
- あん摩マッサージ指圧師免許: 同上(3師のうち最も古い資格制度)
- 複数保有(3師併施): すべての免許証の写しが必要
注意 免許証の原本は施術所内に掲示義務があります(あはき法施行規則第24条)。紛失の場合は事前に再発行を申請しておきましょう。
2. 施術所の設備要件を整える
あはき法施行規則が定める設備基準を満たした施術所を確保します。
| 設備要件 | 内容 |
|---|---|
| 施術室 | 6.6㎡以上(自治体により異なる場合あり) |
| 待合室 | 独立した待合スペース(施術室と区別) |
| 消毒設備 | 洗い場・消毒器具(鍼灸には滅菌器が必要) |
| 採光・換気 | 十分な自然採光と換気が確保されていること |
3. 所轄保健所への事前相談(推奨)
届出書の様式や添付書類は自治体によって若干異なる場合があります。保健所の衛生担当窓口に事前相談することで、記入ミスや書類不足を防げます。
- 事前相談は予約不要(電話確認を推奨)
- 平面図の描き方・消毒設備の記載方法を確認しておくとスムーズ
必要書類一覧(個人申請)
| 書類 | 取得先 | 備考 |
|---|---|---|
| 施術所開設届(都道府県指定様式) | 保健所窓口・自治体HP | 届出日から施術業の種別・開設者氏名等を記入 |
| 国家免許証の写し | 申請者準備 | はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の各免許 |
| 施術所の平面図 | 申請者作成 | 施術室・待合室・消毒設備の配置を明示(自筆可) |
| 開設者の住民票 | 市区町村 | 3ヶ月以内のもの(自治体により不要な場合あり) |
注意 自治体によって書類の種類・様式が異なります。必ず事前に保健所の衛生担当窓口に確認してください。



必要書類一覧(法人申請の追加書類)
株式会社・合同会社・医療法人等の法人が施術所を開設する場合は、個人申請の書類に加えて以下が必要です。
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 法人登記事項証明書 | 3ヶ月以内のもの |
| 定款の写し | 事業目的に「はり・きゅう」「マッサージ」等の記載が必要 |
| 施術者(管理者)の資格証明書 | 管理者となる有資格者の免許証写し |
施術所の平面図について
個人・法人ともに「施術所の平面図」は必須です。専門家に依頼する必要はなく、手書きで可能ですが、以下の要素を明示してください。
- 施術室の面積(6.6㎡以上が目安)
- 待合室の位置と面積
- 消毒設備(滅菌器・流し場)の位置
- 出入口・窓の位置
届出書の重要項目|記入ミスが起きやすい欄
施術業の種別の記入
届出書には保有する資格の施術業を正確に記載します。
- ❌ 「マッサージ」とだけ書く → 正しくは「あん摩マッサージ指圧」(種別の省略は不可)
- ❌ きゅう師しか持っていないのに「はり・きゅう」と書く → 保有資格の範囲内のみ記載
- ✅ 3師併施の場合は「はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧」と全種別を明記
開設年月日
届出は施術所を開設した日から10日以内に提出します(あはき法第9条の2第1項)。
重要 「10日以内」は届出の提出期限。開設前に提出するのは問題ありませんが、開設後10日を超えると届出義務違反(30万円以下の罰金)となります。
管理者の記載
施術所には管理者を置く義務があります(あはき法第9条の2第4項)。複数の施術者がいる場合、管理者として届出する有資格者を明確にします。
施術所開設届の提出フロー(STEP1〜5)
STEP 1:国家免許の確認と施術所の整備(開設前)
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の国家免許を確認し、設備基準を満たした施術所を準備します。
STEP 2:届出書類の準備(開設前〜開設直後)
所轄保健所の窓口またはホームページから「施術所開設届」の様式を入手。平面図を自作し、免許証の写しを準備します。目安:1〜3日
STEP 3:保健所への届出提出(開設後10日以内)
必要書類を揃えて所轄保健所の衛生担当窓口に提出します。窓口持参が原則(郵送可否は自治体による)。費用:無料、所要時間:30分〜1時間
STEP 4:保健所による受理・検査(即日〜1週間)
届出内容の確認後、必要に応じて施術所の立入検査が実施されます。設備基準を満たしていれば即日〜1週間で完了。
STEP 5:健康保険適用の登録(任意・健康保険適用施術を行う場合)
医師の同意書付きで健康保険を適用する場合は、地方厚生局へ「施術所の指定」申請が必要です(保険診療とは別の手続き)。
費用と審査期間のまとめ
| 項目 | 自分で手続き | 行政書士に依頼 |
|---|---|---|
| 申請費用 | 無料 | 29,800円〜 |
| 所要時間 | 即日〜1週間 | 1〜5日(代行提出) |
| 書類作成 | 自分で記入(様式はシンプル) | 行政書士が作成 |
| 施術開始 | 届出提出後、受理が確認でき次第 | 同左 |
届出費用(行政手数料)は無料。施術所開設届はあくまで届出であり、免許のような「審査による許可」ではありません。
重要 施術所開設届の提出と同時に、消防署への「防火対象物使用開始届」が必要な場合があります(延べ面積150㎡以上または3階以上のビル)。物件が対象かどうかは所轄消防署に確認してください。
健康保険適用施術の手続き
あはき施術は条件付きで健康保険が適用されます。保険適用施術を行う場合は、施術所開設届とは別に地方厚生局への登録が必要です。
健康保険適用の対象
| 施術種別 | 対象疾患(医師の同意書が必要) |
|---|---|
| 鍼灸(はり・きゅう) | 神経痛・リウマチ・五十肩・頸腕症候群・腰痛症・頸椎捻挫後遺症の6疾患 |
| マッサージ(あん摩) | 医療上必要な場合の機能訓練(筋麻痺・関節拘縮等) |
保険適用外: 慢性的な疲労回復・肩こり・美容目的・健康維持を目的とした施術
登録先
地方厚生局(各都道府県の厚生局事務所)への届出が必要。登録後は、患者から医師の同意書を取得のうえ保険請求できます。
注意 受領委任払いを採用する場合は、都道府県との別途契約が必要です。
よくある失敗パターン5選
失敗1:開設後10日を超えて届出を忘れる
「施術所開設届は後回しでいい」と思い込み、開設から1ヶ月後に届出るケースが多い。開設後10日を超えると届出義務違反(30万円以下の罰金)となります。開設日に届出書の準備を始めましょう。
失敗2:消毒設備が基準を満たしていない状態で開設
鍼灸には滅菌器(オートクレーブ)が必要ですが、購入が間に合わないまま開設するケースがあります。保健所の立入検査で指摘されると是正指導・最悪は使用制限命令が出ます。
失敗3:訪問施術専門だから届出不要と思い込む
「自宅に施術所はないから関係ない」と誤解するケースがあります。訪問鍼灸・訪問マッサージを行う場合も施術所(事務所等)の届出が必要です。さらに「出張施術業務開始届」も別途提出が必要です。
失敗4:健康保険適用のための地方厚生局届出を忘れる
施術所開設届を提出しただけでは保険請求できません。地方厚生局への登録が別途必要です。患者から「保険が使えない」とクレームが来てから気づくケースが多い。
失敗5:保有資格より広い施術業の種別を届出に記載する
きゅう師の資格しかないのに「はり・きゅう」と記載したり、あん摩マッサージ指圧師でないのに「マッサージ」と記載するミス。保有資格の範囲内のみを届出に記載してください。
訪問マッサージ・訪問鍼灸を行う場合の特殊ケース
高齢化社会の進展により、在宅療養患者への訪問鍼灸・訪問マッサージの需要が高まっています。訪問専門で開業する場合の手続きを整理します。
必要な手続き(訪問施術の場合)
- 施術所開設届(あはき法第9条の2): 事務所や自宅を「施術所」として届出
- 出張施術業務開始届(あはき法施行規則第20条): 訪問施術を開始する旨を追加届出
- 健康保険適用登録(地方厚生局): 医師同意書付きで保険請求する場合
注意 訪問施術では、患者の自宅で施術するため「患者の自宅 = 施術所」にはなりません。必ず事務所・自宅等を「施術所」として届出が必要です。
整体院の許認可と鍼灸院・マッサージ院の法的違い
「整体院を開業したいが、整体院の許認可は何が必要か」という疑問は多く寄せられます。整体院の法的位置づけと、鍼灸院・マッサージ院との違いを整理します。
整体院に必要な「許認可」
整体師・整体院には国家資格制度がなく、「整体」という名称を使って開業するだけなら特別な許認可は不要です。
| 施術者の資格 | 施術所の許認可 |
|---|---|
| 整体師(民間資格のみ) | 整体院の開設に特定の許認可なし(許認可不要) |
| はり師・きゅう師の国家免許保有 | あはき法の施術所開設届が必要 |
| あん摩マッサージ指圧師の国家免許保有 | あはき法の施術所開設届が必要 |
| 柔道整復師の国家免許保有 | 柔整法の施術所開設届が必要 |
重要 整体院という名称でも、あん摩・マッサージ・指圧・鍼・灸に該当する施術を「業として」行えば、あはき法上の無資格施術(50万円以下の罰金)となります。民間の「整体師」資格だけでは、これらの施術を業として行うことはできません。
整体院の整体 許認可チェックリスト
- 施術内容は、あん摩・マッサージ・指圧・鍼・灸に該当しないか確認
- 国家資格(はり師等)を保有する場合は施術所開設届を提出
- 「整体師」「カイロプラクター」等の民間資格のみの場合は、届出不要だが施術範囲に注意
許可取得後の義務(変更届・廃業届・掲示義務)
施術所開設届を提出した後も、法令上の義務が継続します。
変更届
以下の事項に変更が生じた場合は、変更後10日以内に保健所へ変更届を提出します(あはき法第9条の2第3項)。
- 施術所の名称・所在地
- 開設者の氏名・住所
- 施術者の追加・変更
- 施術の種別の変更
廃業届
施術所を廃業する場合は、廃業後10日以内に保健所へ廃業届を提出します。
掲示義務(あはき法施行規則第24条)
施術所内には以下を掲示することが義務づけられています。
| 掲示内容 | 根拠 |
|---|---|
| 施術者の氏名・国家免許番号 | あはき法施行規則第24条 |
| 施術の種類(はり・きゅう・あん摩等) | 同上 |
| 料金表(施術料金・出張料金等) | 同上 |
| 国家免許証の原本 | 患者が閲覧できる場所に掲示 |
重要 掲示義務違反は行政指導の対象となります。施術所の見やすい場所に、施術者の氏名・免許番号・料金表を常時掲示してください。
まとめ
鍼灸院・マッサージ院・指圧院を開設する場合は、開設後10日以内に所轄保健所へ「施術所開設届」を提出します。費用は無料で、設備基準を満たしていれば即日〜1週間で完了します。
整体院の開業における許認可については、「整体師」という民間資格のみであれば特定の許認可は不要ですが、施術内容によっては無資格施術(あはき法違反)となるリスクがあります。国家資格(はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師)を保有する場合は、必ず施術所開設届を提出してください。
書類準備に不安がある場合や、健康保険適用・法人設立と同時進行で手続きが複雑な場合は、行政書士への相談をご検討ください。 初回相談を無料で受け付けている事務所が多く、スムーズな開業をサポートします。
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許認可ナビ編集部
行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。
最終更新:2026年4月28日
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