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建築工事届の出し方|届出が必要なケース・記入方法・提出先を解説
建築基準法第15条に基づく建築工事届は、10㎡超の建築物の新築・増改築等を行う場合に工事着工前の提出が必要。届出費用は無料で審査期間は即日〜7日。建築主事を経由して市区町村長に提出する。
この記事でわかること
- 建築工事届が必要なケース・不要なケース
- 必要書類と記入方法(第一面・第二面の記入ポイント)
- 届出費用:無料(実費のみ)
- 審査期間:即日〜7日
- 申請から受理までの流れ(STEP別)
- よくある記入ミス・落とし穴
- 届出後の義務(変更届・廃業届等)
建築工事届が必要なケース・不要なケース
建築基準法第15条第1項により、一定規模以上の建築工事を行う場合は着工前に「建築工事届」を提出しなければなりません。
届出が必要なケース
- 床面積の合計が10㎡を超える建築物の新築・増築・改築・移転
- 特殊建築物(病院・学校・集会場等)の大規模修繕・大規模模様替え
- 防火地域・準防火地域内において建築物を建築する場合(10㎡以下でも届出が必要)
届出が不要なケース
- 防火・準防火地域外で床面積の合計が10㎡以下の建築物の工事
- 建築確認が不要な軽微な修繕・模様替え(外壁の塗装替え・内装変更等)
重要 防火・準防火地域内では面積にかかわらず届出が必要です。自分の工事が対象か不明な場合は着工前に市区町村の建築主事窓口に相談してください。
建築工事届は建築確認申請と同時に提出することが多く、建築設計事務所・工務店が代理で行うケースも一般的です。
建築工事届が必要な主な業種
届出義務者(誰が提出するか)と欠格事由
届出義務者は「建築主」
建築工事届の提出義務者は**建築主(建物を建てる施主)**です。ただし、建築士または代理者(設計事務所・施工会社等)が代理で提出することが一般的です。
注意 「施工会社に任せているから自分は関係ない」は誤りです。建築確認を受けた建築物と同じ工事内容で届け出てください。記載ミスがあると虚偽届出として罰則の対象になります。
届出ができない・受理されないケース
- 届出内容と建築確認申請の内容が一致していない場合
- 建築確認済証の交付前に着工しようとする場合
- 届出書の記載が著しく不完全な場合
申請前の準備
建築工事届の提出前に以下を揃えておくとスムーズです。
1. 建築確認の取得状況を確認する
床面積・用途・構造によって建築確認申請が必要な場合は、確認済証の発行を待ってから工事届を同時提出します。建築確認が不要な工事のみ単独提出となります。
ポイント 建築確認申請と建築工事届は別の手続きですが、多くの場合は同時提出します。建築主事の窓口に「一緒に出せるか確認する」ことが最初のステップです。
2. 工事概要を整理する
届出書の記入に必要な情報を事前にまとめます。
- 建築物の所在地(地番まで)
- 建築物の用途(住宅・店舗・事務所等)
- 建築物の構造(木造・RC造・鉄骨造等)
- 床面積の合計(㎡)
- 着工予定日・竣工予定日
- 工事費(概算)
3. 届出書様式を入手する
令和7年1月1日以降に着工予定の建築物には新様式(建築基準法施行規則 第四十号様式)が適用されます。国土交通省の情報化ページからダウンロードできます。
- 紙提出用PDF版:印刷して手書き記入
- 電子提出用Excel版:入力して印刷 or 電子提出
必要書類一覧
| 書類名 | 内容 | 入手先 |
|---|---|---|
| 建築工事届(第四十号様式) | 建築物の概要・位置・用途・規模等を記載する届出書本体 | 国土交通省公式サイト / 市区町村窓口 |
| 建築物の配置図・平面図 | 建築物の位置・敷地との関係・各階平面を示す設計図面 | 設計者が作成 |
| 付近見取図 | 建築物の所在地と周辺の道路・施設等を示す地図 | 申請者が作成 |
| 確認済証の写し(建築確認が必要な場合) | 建築確認を受けた場合は添付が必要 | 建築確認申請後に交付 |
注意 令和7年1月1日以降に着工する建築物は新様式を使用してください。旧様式での再提出を求められる場合があります。

届出書の重要記入項目(ミスが起きやすい欄)
第一面:記入ミスが多い欄
- 担当者の氏名・電話番号:令和7年1月改正で追加。工事内容の確認時に連絡できる担当者を記入
- 確認済証番号・交付者:建築確認が必要な場合は必ず記入。空欄のまま提出してNG返却されるケースが多い
- 除却工事施工者:既存建築物を除却しながら建てる場合は必須欄
第二面:主要用途の記入
- 主要用途の記号番号:令和7年改正で大分類に簡略化。建築確認申請の用途区分と同じ記号を使用する
- 床面積:小数点以下は四捨五入して整数で記入(例:99.5㎡ → 100㎡)
- 建築工事費予定額:消費税込みの金額を万円単位で記入
重要 床面積を誤って小数点以下まで記載し、返戻されるケースが多発しています。整数に丸めて記入してください。

届出の流れ(STEP1〜4)
STEP 1:届出書類の作成(目安:1〜3日)
国土交通省のサイトから建築工事届(新様式・第四十号様式)をダウンロードし、必要事項を記入します。建築物の概要・位置・用途・規模(床面積等)・着工竣工予定日・工事費を正確に記入してください。
STEP 2:添付書類の準備(目安:設計者に確認)
建築物の配置図・平面図・付近見取図を用意します。建築確認申請と同時提出の場合は確認済証の写しが必要です。
STEP 3:建築主事への届出提出(目安:即日受理〜7日)
建築主事を経由して市区町村長に届出を提出します。窓口持参が基本ですが、一部の自治体では郵送・電子申請にも対応しています。届出費用は無料です。
STEP 4:工事開始
届出が受理され、建築確認済証の交付を受けた後に工事を開始できます。届出書類に不備があった場合は補正の指示があります。
費用と審査期間のまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届出費用 | 無料(行政手数料なし) |
| 審査期間 | 即日〜7日(自治体や書類の完備状況によって異なる) |
| 有効期限 | なし(届出後に工事内容が変更された場合は変更届が必要) |
| 自分で申請 | 書類作成・窓口持参:実費のみ |
| 行政書士等に依頼 | 書類作成代行:約49,800円〜(事務所により異なる) |
ポイント 建築工事届自体の費用は無料ですが、建築確認申請(別手続き)には確認申請手数料がかかります。混同しないように注意してください。
特定建設作業実施届出 詳細ページ
よくある失敗パターン
建築工事届の申請で多い失敗を5パターン紹介します。
失敗1:届出を失念したまま着工
最も多いミス。建築確認申請の準備に追われ、建築工事届を後回しにして工事を始めてしまうケースです。50万円以下の罰金の対象になります。着工前に必ず提出してください。
失敗2:旧様式を使用してしまう
令和7年1月1日以降に着工する建築物は新様式が必須です。手元にある古い様式(令和4年以前のもの)をそのまま使って受理されないケースがあります。
失敗3:床面積を小数点付きで記載
第二面の床面積欄は整数記入が原則(小数点以下は四捨五入)。小数点のある数値を記載したまま提出して返戻されるケースが続出しています。
失敗4:建築確認申請と用途が不一致
建築工事届の主要用途と建築確認申請の用途区分を合わせる必要があります。令和7年改正で用途の記号番号体系が変更されたため、新旧の混同に注意してください。
失敗5:確認済証番号の記入漏れ
建築確認が必要な工事で、確認済証番号欄を空白のまま提出して補正指示を受けるケース。建築確認申請と同時提出する場合は、確認済証を受け取ってから届出する手順を設計者と確認してください。
電子申請・オンライン提出について
建築工事届は電子申請にも対応しています。国土交通省では電子提出用のExcel様式を配布しており、一部の自治体ではオンラインでの提出を受け付けています。
電子提出のメリット
- 窓口に出向く手間を省ける
- 記入漏れのチェックがExcel内で自動確認できる
- 提出履歴が電子データとして残る
電子提出の注意点
- Excelのレイアウトや設定は変更しないこと(国土交通省の注記より)
- 電子提出に対応していない自治体では紙提出が必要
- 電子提出対応の有無は事前に各市区町村の建築主事窓口に確認
届出後の義務
建築工事届提出後も以下の義務があります。
変更届の提出
届出した工事内容に変更が生じた場合(着工日・竣工日・規模の変更等)は速やかに変更届を提出してください。変更内容によっては建築確認の変更申請も必要になります。
建築物除却届(工事終了後)
建築物を除却(解体)する場合は、別途「建築物除却届(第四十一号様式)」を提出する義務があります。建築工事届と同じ窓口で手続きできます。
完了検査の受検
建築確認が必要な工事では、工事完了後に完了検査を受けなければなりません。検査済証が交付されて初めて建築物を使用できます(建築基準法第7条)。
重要 完了検査を受けずに建築物を使用することは違法です。建築工事届の提出だけで全ての手続きが終わるわけではありません。確認検査機関や建築主事にスケジュールを確認してください。
掲示義務
建築工事中は、建築確認済証の写し・建築計画概要書等を工事現場の見やすい場所に掲示する義務があります(建築基準法第89条)。

まとめ
建築工事届は建築基準法第15条第1項に基づく義務的な届出で、10㎡超の建築工事着工前に必ず提出が必要です。
届出のポイント
- 届出費用:無料、審査期間:即日〜7日
- 令和7年1月1日以降の着工分は**新様式(第四十号様式)**を使用
- 床面積は整数で記入、建築確認申請の用途区分と一致させる
- 建築確認申請と同時提出が一般的
届出書の記入や建築確認申請との整合確認に不安がある場合は、一級建築士事務所や行政書士への相談が有効です。届出忘れ・記載ミスによる罰則リスク(50万円以下の罰金)を避けるためにも、専門家の確認を得ることをおすすめします。
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許認可ナビ編集部
行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。
最終更新:2025年5月3日
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