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無料職業紹介事業許可の申請ガイド|費用0円・許可要件・必要書類・審査期間まとめ

無料職業紹介事業の許可は申請手数料0円・審査2〜3ヶ月・有効5年更新制。財産的基礎500万円以上・職業紹介責任者選任・事業所20㎡以上が主な要件。都道府県労働局経由で厚生労働大臣に申請する(職業安定法第33条第1項)。

許認可ナビ編集部·

この記事でわかること

  • 無料職業紹介事業の許可が必要なケース・不要なケース(届出制との違い)
  • 財産的基礎・職業紹介責任者・事業所要件など、許可を取るための3つの主要要件
  • 申請に必要な書類一覧(法人用)と、記入ミスが起きやすいポイント
  • 申請の流れと審査期間2〜3ヶ月申請手数料0円の内訳
  • よくある失敗パターン5選と、許可後に必要な義務(年次報告・掲示義務)

無料職業紹介事業の許可が必要なケース・不要なケース

許可が必要なケース(職業安定法第33条第1項)

職業安定法第33条第1項は、次の者が求職者から手数料や報酬を一切受け取らずに職業紹介事業を行う場合に、厚生労働大臣の許可を義務づけています。

  • 一般社団法人・一般財団法人・NPO法人等の民間団体が特定の業種・職種を対象とした無料の職業紹介事業を行う場合
  • 学校・専修学校・各種学校の設置者が在学生や卒業生以外を対象に無料職業紹介を行う場合
  • 外国企業等が日本国内で求職者を無料で斡旋する事業を行う場合

重要 「無料だから許可不要」という誤解が多いですが、民間団体が行う無料の職業紹介は第33条第1項に基づく許可が必要です。事業開始前に必ず許可を取得してください。

許可が不要なケース(届出制が適用される場合)

次の者は届出制度(第33条の2・第33条の3)が適用されるため、第33条第1項の許可は不要です。

  • 公益社団法人・公益財団法人・特定非営利活動法人(NPO法人)等で職業安定法第33条の2に基づく届出をした者(要件を満たす場合のみ)
  • 公共職業安定所(ハローワーク)・特定地方公共団体
  • 学校等の設置者が在学生または卒業生を対象とする場合(第33条の2第1項第6号)
区分根拠条文手続き
民間団体が行う無料職業紹介(一般)第33条第1項許可(本記事の対象)
公益法人・NPO法人等(特定要件)第33条の2届出のみ
学校等(在学生・卒業生対象)第33条の2第1項第6号届出のみ

許可を取得できない人(欠格事由)

次のいずれかに該当する場合、無料職業紹介事業の許可を受けることができません(職業安定法第32条(第33条第4項で準用))。

  • 禁錮以上の刑に処せられ、その執行終了または執行免除後5年を経過しない者
  • 職業安定法・労働者派遣法・船員職業安定法等の労働関係法令に違反し、罰金刑を受けてから5年を経過しない者
  • 成年被後見人・被保佐人
  • 破産手続開始の決定を受けて復権していない者
  • 暴力団員・暴力団員でなくなってから5年を経過しない者
  • 事業停止命令等を受けてから5年を経過しない法人・その役員

欠格事由は法人の役員全員に適用されます 代表者だけでなく役員全員(監査役を含む場合あり)が欠格事由に該当していないことが必要です。役員交代の際は必ず確認してください。

申請前の準備

① 財産的基礎の確認

許可を受けるには、事業の安定的実施に足る財産的基礎が必要です(許可要件の概要は下記画像参照)。

  • 資産(繰延資産・営業権を除く) − 負債 ≥ 500万円 × 事業所数
  • 自己名義の現金・預金 ≥ 150万円 +(60万円 × (事業所数 − 1))

事業所が1か所の場合:資産超過500万円以上かつ自己名義現金預金150万円以上が必要です。直近年度の財務諸表(貸借対照表・損益計算書)を確認し、基準を下回る場合は申請前に増資や借入による資産増強を行ってください。

② 職業紹介責任者の選任と講習受講

事業所ごとに職業紹介責任者を1名選任する必要があります。職業紹介責任者の要件は次の通りです。

  • 成年に達した後3年以上の職業経験を有する者
  • 職業紹介責任者講習を受講済みであること(許可更新の日前5年以内の受講に限る)

職業紹介責任者講習の受講予約は3〜4ヶ月前に完了させる 講習は厚生労働省指定の実施機関が年数回開催します。定員が早期に埋まるため、申請の3〜4ヶ月前までに受講を完了させることが重要です。実施機関一覧は厚生労働省ホームページで確認できます。

③ 個人情報適正管理規程・業務運営規程の整備

申請時に提出が必要な規程を事前に作成しておきます。

  • 個人情報適正管理規程: 求職者等の個人情報を適正に管理するための規程(職業安定法施行規則第24条の3)
  • 業務運営規程: 職業紹介事業の実施体制・紹介の方法・手続き等を定めた規程
  • 厚生労働省が参考様式(参考様式第1号・第4号)を公表しているので活用できます
無料職業紹介事業の許可要件概要:財産基礎500万円以上、責任者要件、個人情報管理規程の整備条件
無料職業紹介事業 許可要件(概要)―財産的基礎500万円・職業紹介責任者・個人情報管理規程・事業所面積20㎡以上の基準を一覧で確認出典:厚生労働省 無料職業紹介事業の許可

必要書類一覧(法人の場合)

都道府県労働局(職業安定部)に提出する書類は以下の通りです(法人の場合)。

書類名部数備考
無料職業紹介事業許可申請書(様式第1号 第1〜3面)正3部法定様式。労働局窓口または厚生労働省HPで入手
無料職業紹介事業計画書(様式第2号)正3部紹介する職種・対象者・事業体制を記載
無料職業紹介事業取扱職種範囲等届出書(様式第6号)正3部職種・地域を限定する場合のみ必要
定款または寄附行為の写し正1部最新版
法人登記簿謄本(履歴事項全部証明書)原本1部+コピー1部発行から3ヶ月以内
代表者・役員全員の住民票・履歴書各1部本人の署名または押印が必要
職業紹介責任者の住民票・履歴書各1部講習修了証のコピーを添付
直近年度の貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書各1部税務署提出分(電子申告は受付確認可)
法人税の納税証明書(所得金額用)(その2)1部税務署発行
不動産登記事項証明書または賃貸借契約書1部事業所の所有または賃借を証明
個人情報適正管理規程(参考様式第1号)1部
業務運営規程(参考様式第4号)1部

書類の準備は申請の3〜4ヶ月前から着手する 法人登記簿や納税証明書の取得・職業紹介責任者講習修了証の確認など、それぞれ時間がかかります。審査期間2〜3ヶ月を逆算すると、事業開始予定の5〜6ヶ月前から動き始めるのが安全です。

無料職業紹介事業許可申請の必要書類チェックリスト(法人用)。提出部数と書類注意事項
無料職業紹介事業許可申請に必要な書類一覧(法人用)―提出部数・注意事項付き。「無料」の定義と有料判定の考え方も冒頭で解説出典:厚生労働省 職業紹介事業 手引き

申請書の重要記入ポイント(ミスが起きやすい欄)

申請書(様式第1号・様式第6号)で特にミスが起きやすいポイントは以下の通りです。

  • 申請種別の選択: 新規許可・更新・職業紹介責任者変更等、申請の種類に応じて様式第6号の不要な欄を「線で消す」必要があります
  • 名称のふりがな: 代表者名・事務所名すべてにふりがなを記入します(ゴム印では不可の欄あり)
  • 所在地の表記: 建物登記事項証明書または賃貸借契約書の表記と一字一句一致させます
  • 職業紹介責任者の記載: 代表者と職業紹介責任者が同一人でも、両欄への記入が必要です
  • 取扱職種範囲: 職種を限定する場合は様式第6号の「取扱職種範囲等届出書」を一緒に提出します(限定しない場合は不要)
職業安定法様式第6号(職業紹介事業許可更新・変更届出書)の記載例
職業安定法 様式第6号 記載例―申請の種類ごとに不要欄を線で消す方法・名称のふりがな・事業所所在地の正確な記入方法を注釈付きで解説出典:厚生労働省 職業紹介事業 届出様式

申請の流れ(STEP1〜5)

STEP 1:許可要件の確認と準備(目安:事業開始の5〜6ヶ月前)

財産的基礎の確認(資産超過500万円以上・現金預金150万円以上)、職業紹介責任者の選任と講習受講手配、個人情報適正管理規程・業務運営規程の整備を行います。

STEP 2:申請書類の収集・作成(目安:事業開始の3〜4ヶ月前)

法定様式(様式第1号・第2号・第6号)を都道府県労働局窓口または厚生労働省ホームページから入手します。法人登記簿謄本・納税証明書などの公的書類も並行して取得します。事前に管轄の都道府県労働局に電話して必要書類を確認することをおすすめします。

STEP 3:都道府県労働局への申請書提出(目安:事業開始の2〜3ヶ月前)

事業所を管轄する都道府県労働局(職業安定部)の窓口に申請書類一式を提出します。書類不備がある場合は補正を求められます。

STEP 4:書類審査(目安:2〜3ヶ月)

提出書類の内容が許可基準(財産的基礎・職業紹介責任者・個人情報管理規程・事業所要件等)を満たすか審査されます。労働政策審議会(職業安定分科会)への諮問を経て決定されるため、一定の審査期間が必要です。

STEP 5:許可証の交付・事業開始

審査通過後、厚生労働大臣名の許可証が交付されます。許可証を受け取り、事業所の見やすい場所に掲示してから事業を開始します。許可の有効期間は5年間です。

費用と審査期間のまとめ

項目内容
申請手数料0円(無料)
審査期間2〜3ヶ月
有効期間5年(更新制)
行政書士報酬(代行の場合)49,800円〜(許認可ナビ掲載価格)
職業紹介責任者講習受講料9,000〜12,000円(実施機関により異なる)
各種証明書取得費用法人登記簿謄本550円・納税証明書400円 等

申請手数料は無料ですが、職業紹介責任者講習の受講料や各種証明書取得費用が別途発生します。自分で申請する場合でも、実費として1〜2万円程度を見込んでください。行政書士に依頼する場合の目安は**49,800円〜**です。

よくある失敗パターン5選

無料職業紹介事業の許可申請でつまずきやすいポイントを5つまとめます。

失敗①:財産的基礎の確認不足で審査落ち 申請時点の財務諸表で資産超過500万円以上の基準を満たしていないと許可されません。直近年度の決算書を事前に確認し、不足する場合は増資・借入を検討してください。

失敗②:職業紹介責任者講習の受講が間に合わない 講習は年に数回しか開催されず、定員が早期に埋まります。「申請しようと思ったら直近の講習は満員」というケースが多発しています。申請の3〜4ヶ月前には受講予約を完了させてください。

失敗③:届出制と許可制を混同して無許可で開始 「公益法人だから届出だけでいい」と思い込み、要件を確認せずに事業を開始してしまうケースがあります。届出制の適用要件は法人の種別・事業内容により異なるため、必ず都道府県労働局に事前確認してください。

失敗④:申請書類の表記ゆれで補正が必要になる 申請書の所在地・氏名の表記が、添付書類(登記事項証明書・賃貸借契約書等)と一字一句異なるだけで補正が必要になります。すべての書類で表記を統一してください。

失敗⑤:許可証受領前に事業を開始してしまう 「審査が通ったはず」という段階で事業を始めると、無許可営業となります。許可証を受け取り、事業所に掲示してから事業を開始することが法的に必要です。無許可で有害業務への斡旋を行った場合は1年以上10年以下の拘禁刑(職業安定法第63条)という重罰が科せられます。

許可取得後の義務

変更届の提出

許可を受けた後、次の事項に変更があった場合は変更届(様式第6号)を遅滞なく都道府県労働局に提出する必要があります。

  • 代表者・役員の交代
  • 職業紹介責任者の変更
  • 事業所の移転・廃止
  • 取扱職種範囲の変更

許可の更新申請

許可の有効期間は5年間です。更新を希望する場合は有効期間満了の30日前までに更新申請を行います。更新申請中は従前の許可の効力が継続します。更新時も職業紹介責任者講習を許可更新の日前5年以内に受講していることが必要です。

事業報告書の提出(年次報告義務)

毎年6月末までに、前年度(4月1日〜翌3月31日)の職業紹介事業報告書を都道府県労働局に提出する義務があります(職業安定法施行規則第34条(第33条第4項準用))。報告書には職業紹介件数・就職件数・充足件数等を記載します。

掲示義務

許可を受けた事業所では、許可証を求職者・求人者が見やすい場所に掲示する義務があります(職業安定法施行規則第24条の6(第33条第4項準用))。許可証の有効期限が切れていないことを定期的に確認してください。また、無料であることを明示するために、事業所内で手数料に関する表示も求められます。

特殊ケース:NPO・学校・公益法人はどちらの制度を使う?

NPO法人(特定非営利活動法人)の場合

NPO法人は第33条の2の届出制度の対象ですが、一定の要件を満たす場合に限られます。要件を満たさない場合は第33条第1項の許可が必要です。自分の法人が届出制か許可制かは、都道府県労働局に事前相談することを強くおすすめします。

学校等の設置者の場合

学校・専修学校・各種学校の設置者は、在学生または卒業生を対象とする無料職業紹介については届出制(第33条の2第1項第6号)が適用されます。ただし、在学生・卒業生以外を対象とする場合は第33条第1項の許可が必要です。

無料職業紹介と有料職業紹介の比較

項目無料職業紹介(第33条第1項)有料職業紹介(第30条第1項)
求職者からの手数料徴収不可徴収可(上限規制あり)
申請手数料0円9万円
審査期間2〜3ヶ月2〜3ヶ月
有効期間5年更新制5年更新制

まとめ

無料職業紹介事業の許可(職業安定法第33条第1項)は、申請手数料こそ0円ですが、財産的基礎(資産超過500万円以上)・職業紹介責任者の選任と講習受講・個人情報管理規程の整備という3つの主要要件を満たす必要があります。審査期間は2〜3ヶ月かかるため、事業開始予定の5〜6ヶ月前から準備を始めることが重要です。

また、許可取得後も毎年6月末の事業報告・変更届・許可証の掲示義務などが課されます。NPO法人や学校設置者は届出制が使える場合もあるため、都道府県労働局への事前相談を活用してください。

書類準備や申請手続きに不安がある場合は、行政書士への相談が有効です。専門家のサポートを受けることで、書類不備による補正や審査遅延を防ぎ、スムーズな許可取得につながります。

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許認可ナビ編集部

行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。

最終更新:2026年6月25日

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