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食品製造業許可の申請ガイド|必要書類・費用・審査期間・品目別の違いまとめ
食品製造業許可(食品衛生法第55条)の申請に必要な書類一覧、手数料16,000〜75,000円、審査期間4〜8週を解説。菓子・水産加工・惣菜など品目別の許可業種の違いと、施設基準・食品衛生責任者の要件を詳細にまとめています。
この記事でわかること
- 食品製造業許可が必要な業種・不要なケースの判断基準
- 欠格事由(許可を受けられない条件)
- 必要書類の全リスト(個人・法人別)
- 申請書の記入ミスが起きやすい欄の注意点
- 申請から許可書交付までの流れ(4〜8週が目安)
- 申請手数料(16,000〜75,000円、都道府県・品目により異なる)
- 施設基準・食品衛生責任者の要件
- よくある失敗パターン(5パターン)
- 許可取得後の義務(掲示義務・HACCP・変更届・更新)
食品製造業許可が必要なケース・不要なケース
食品衛生法第55条第1項に基づき、食品を製造・加工して販売する事業を営む場合は、都道府県知事(保健所経由)への許可申請が必要です。
許可が必要な主なケース
| 製造品目の例 | 該当許可業種 |
|---|---|
| 菓子・パン・麺類 | 菓子製造業、パン製造業、麺類製造業 |
| 水産加工品(缶詰・瓶詰・魚肉ソーセージ) | 水産食品製造業 |
| 惣菜・弁当 | 惣菜製造業 |
| 清涼飲料水・ジュース | 清涼飲料水製造業 |
| 食肉製品・ハム・ソーセージ | 食肉製品製造業 |
| 乳製品(ヨーグルト・チーズ等) | 乳製品製造業 |
| 豆腐・納豆・みそ | 豆腐製造業、みそ製造業 等 |
重要 令和3年(2021年)6月の食品衛生法改正により、許可業種が従来の32業種から16業種に再編されました。既存の許可を持つ事業者は移行措置が設けられましたが、新規申請は改正後の業種体系で申請します。
許可が不要なケース
- 自家消費のみを目的とした食品製造(販売しない場合)
- 農業・水産業における食品の採取業(食品衛生法の適用除外)
- 飲食店として調理して客に直接提供するのみの場合(この場合は飲食店営業許可が必要)
注意 「製造して販売する」か「調理して提供する」かで必要な許可が変わります。例えば、食堂で作ったコロッケをお持ち帰り容器に詰めて販売する場合は、食品製造業許可が別途必要になる場合があります。申請前に保健所へ相談してください。
食品製造業の業種ページ
取得できない人(欠格事由・食品衛生法第55条第2項)
以下のいずれかに該当する場合、食品製造業許可を受けることができません。法人の場合は、役員のうち1人でも該当すれば許可不可となります。
- 食品衛生法またはこれに基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、または受けることがなくなった日から起算して2年を経過していない者
- 食品衛生法第59条から第61条の規定により許可を取り消され、取消しの日から起算して2年を経過していない者
- 法人であって、その業務を行う役員のうちに上記1・2のいずれかに該当する者があるもの
欠格事由に該当するかどうか不明な場合は、申請前に管轄の保健所に相談してください。
申請前の準備
食品衛生責任者の確保
食品製造業許可の申請にあたり、施設ごとに食品衛生責任者を1名以上選任する必要があります(食品衛生法第51条)。
食品衛生責任者になるには以下のいずれかが必要です:
- 都道府県が実施する食品衛生責任者養成講習会を受講(1日程度、受講料は都道府県により異なる)
- 栄養士・調理師・製菓衛生師・食品衛生管理者等の有資格者(講習免除の場合あり)
重要 食品衛生責任者の選任は許可申請書への記載事項です。申請書提出前に確保しておく必要があります。複数の施設を持つ場合は施設ごとに選任が必要です。
施設の基準適合確認と事前相談
食品製造業の施設は、食品衛生法施行令で定められた施設基準に適合している必要があります。施設の工事着工前に管轄の保健所へ平面図を持参して事前相談することを強く推奨します。
主な施設基準のポイント:
- 作業場と他の場所(倉庫・休憩室等)が明確に区画されていること
- 床・壁・天井が清掃しやすい構造(耐水性素材推奨)であること
- 洗浄設備(手洗い設備・機器洗浄用シンク)が適切に配置されていること
- 製造品目に応じた専用設備(冷蔵設備・加熱設備等)があること
HACCPに基づく衛生管理計画の策定
令和3年6月以降、食品製造業者はHACCPに基づく衛生管理が原則義務化されました(食品衛生法第51条)。
小規模事業者は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」で対応可能ですが、許可申請書には「HACCPへの取組状況」の記載欄があります。申請前に衛生管理計画の大枠を決めておきましょう。
確認事項 保健所の事前相談では、① 施設基準の確認、② HACCPへの取組状況、③ 取り扱う食品の品目と必要な許可業種の3点を確認してもらうと、後の審査がスムーズになります。
必要書類一覧(個人申請)
| 書類 | 取得先 | 注意点 |
|---|---|---|
| 営業許可申請書(様式第6号) | 保健所窓口・各自治体ウェブ | 食品衛生責任者の氏名・資格種別を記載 |
| 施設の平面図・設備配置図(2通) | 自作または設計事務所 | A4サイズ・縮尺記載・寸法入り。スケール必須 |
| 食品衛生責任者の資格証明書 | 講習会の修了証・資格者証 | 原本またはコピー(要確認) |
| 水質検査成績書 | 登録検査機関 | 貯水槽(タンク水)や井戸水を使用する場合のみ必須 |
| (法人のみ)登記事項証明書 | 法務局 | 申請日前3ヶ月以内に発行されたもの |
申請書の記載内容(施設の名称・所在地・食品衛生責任者等)は、審査後に変更が生じると変更届が必要になります。正確な情報を記入してください。

必要書類一覧(法人申請の追加書類)
法人(株式会社・合同会社・NPO法人等)で申請する場合は、個人申請の書類に加えて以下が必要です。
| 書類 | 取得先 | 備考 |
|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 法務局(窓口・オンライン) | 申請日前3ヶ月以内に発行されたもの |
| 役員全員の名前と住所(申請書記載) | 自社 | 申請書の所定欄に記載 |
法人の場合、申請書の「申請者」欄には法人名と代表者名を記載し、役員欄にすべての役員の情報を記入します。役員に欠格事由該当者がいないかの確認も忘れずに行ってください。
申請書の重要項目:記入ミスが起きやすい欄
食品製造業の営業許可申請書で特に注意が必要な記入箇所を解説します。
「営業の種別」欄(許可業種の選択)
製造する食品の品目によって選択すべき許可業種が異なります。例えば、菓子とパンの両方を製造する場合は「菓子製造業」と「パン製造業」の両方に申請が必要なケースがあります。複数の品目を製造予定の場合は、保健所に品目リストを持参して確認してください。
「食品衛生責任者」欄
氏名・資格の種類・資格番号(講習修了者は修了番号)を正確に記入します。資格証明書と記載内容が一致しているか確認してください。
「施設の名称および屋号」欄
後に変更届が必要になる事項なので、開業後も使い続ける正式な施設名称を記入してください。屋号と法人名が異なる場合は両方記入します。
「主として取り扱う食品・添加物、器具または容器包装」欄
製造する食品を具体的に記入します(例:「調理食品(惣菜)」「菓子類(洋菓子)」)。曖昧な記載は補正を求められる場合があります。

申請の流れ(STEP1〜6)
STEP 1:保健所への事前相談(目安:開業3〜6ヶ月前)
施設の工事着工前に、管轄の保健所へ施設の平面図(案)を持参して事前相談を行います。製造品目・施設のレイアウト・設備配置が食品衛生法の施設基準に合致しているか確認を受けます。着工後に施設改修を求められると大幅なコスト増になるため、着工前の事前相談は必須と考えてください。
STEP 2:施設の整備(目安:開業2〜4ヶ月前)
保健所の指導に基づき、製造施設(作業場・洗浄設備・トイレ・手洗い設備等)を食品衛生法施行令の基準に適合させます。施設の整備が完了したら、再度保健所に連絡して施設調査の日程を調整します。
STEP 3:申請書類の準備と申請(目安:開業2〜4週間前)
営業許可申請書・施設の平面図・食品衛生責任者の資格証明書等を準備し、管轄の保健所に提出します。申請書提出時に申請手数料(16,000〜75,000円、都道府県・製造品目により異なる)を納付します。
STEP 4:施設の確認検査(目安:申請後1〜2週間)
保健所の食品衛生監視員が施設を実地調査し、施設基準への適合を確認します。確認検査は立会いが必要です。施設基準に不適合な箇所が見つかった場合は改善後に再検査となります。
STEP 5:許可書の交付と営業開始
施設が基準に適合していると認められた場合、許可書が交付されます(交付予定日の通知あり)。許可書の交付前に製造営業を開始することは違法です。許可書受領後、食品衛生責任者の名札を施設内に掲示してから営業を開始します。
費用と審査期間のまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請手数料 | 16,000〜75,000円(都道府県および製造品目によって異なる。菓子製造業・惣菜製造業等の業種で差がある) |
| 審査期間 | 4〜8週(申請書提出から許可書交付まで。施設調査の日程調整や書類補正があると延びる) |
| 有効期間 | 5年(都道府県の条例で設定。期間満了前に更新申請が必要) |
| 食品衛生責任者養成講習会 | 都道府県により異なる(概ね3,000〜10,000円程度) |
| 水質検査費用 | 貯水槽・井戸水使用の場合に必要(登録検査機関に依頼。概ね10,000〜30,000円程度) |
| 行政書士への依頼 | 約49,800円(申請書類の作成代行。施設平面図の作成は別途) |
申請手数料は都道府県ごとに条例で定められており、自治体によって大きく異なります。事前に管轄の保健所に確認してください。
食品製造業許可の詳細情報
よくある失敗パターン(申請前に必ず確認)
失敗1: 許可業種の選択ミス(複数品目の申請漏れ)
最も多いパターンです。例えば「菓子とパンの両方を製造したい」のに菓子製造業のみで申請し、後から品目追加で再申請が必要になるケースがあります。製造予定の食品品目リストを事前相談の段階で保健所に確認してもらいましょう。
失敗2: 食品衛生責任者が申請時に未確保
食品衛生責任者養成講習会の受講には申し込みが必要で、都道府県によっては月1〜2回しか開催されない場合があります。開業スケジュールに余裕を持って、早めに講習会を受講・修了してください。
失敗3: 施設の事前相談をせずに工事完了後に保健所へ
施設が完成した後に保健所の審査を受けたところ、壁材・床材・排水設備が施設基準を満たしておらず、大規模な改修を余儀なくされるケースがあります。工事着工前の事前相談を必ず実施してください。
失敗4: 平面図の記載不足で申請受理されない
施設の平面図には縮尺・寸法・設備配置(作業台・洗浄シンク・冷蔵設備等の位置)を正確に記載する必要があります。手書きでも可ですが、保健所が内容を確認できる精度が必要です。
失敗5: 許可書交付前に製造営業を開始
施設調査後、許可書交付まで数日〜1週間程度かかります。許可書を受け取る前に製造営業を開始すると、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金(食品衛生法第82条)の対象となります。
失敗6: 更新申請の失念
有効期間(5年)が満了した場合は無許可営業と同じ扱いになります。許可書に記載された有効期間を確認し、満了前に余裕をもって更新申請を行ってください。都道府県によっては更新通知を送付しない場合もあります。
品目別の許可業種と複数品目製造の場合の考え方
令和3年6月の食品衛生法改正で業種が再編され、食品製造業許可は以下の16業種が主要な許可業種となっています(食品衛生法施行令 別表第35)。
| 主な許可業種 | 対象となる製品例 |
|---|---|
| 菓子製造業 | ケーキ・クッキー・和菓子・チョコレート等 |
| 食肉製品製造業 | ハム・ソーセージ・ベーコン等 |
| 乳製品製造業 | ヨーグルト・チーズ・バター等 |
| 水産食品製造業 | 缶詰・瓶詰・魚肉ソーセージ等 |
| 食品の小分け業 | 他の製造業者が製造した食品を小分けする場合 |
| 惣菜製造業 | 弁当・惣菜・調理済み食品 |
| 清涼飲料水製造業 | ジュース・炭酸飲料等(アルコール0.1%未満) |
| 豆腐製造業 | 豆腐・油揚げ・納豆等 |
複数の品目を製造する場合の考え方
製造品目が異なる許可業種にまたがる場合、それぞれの許可業種に個別に申請が必要です。例えば、菓子と惣菜を同一施設で製造する場合は「菓子製造業」と「惣菜製造業」の2つの許可が必要となります。ただし、同一施設での複数許可申請は1回の保健所申請でまとめて処理できます。
許可取得後の義務(掲示・記録・管理・更新)
食品衛生責任者の名札掲示義務
食品製造業者は、施設内に食品衛生責任者の氏名を記載したプレート(名札)を掲示する義務があります(都道府県条例による)。
名札の基準(東京都等の例):幅10cm以上 × 高さ20cm以上。一般社団法人 東京都食品衛生協会等の団体から専用プレートを購入することもできます。
HACCPに基づく衛生管理の継続
令和3年6月以降、HACCPに基づく衛生管理が義務化されています。衛生管理計画の作成・実施・記録の保存が求められます。小規模事業者は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」として簡易な対応が認められています。
変更届・廃業届
以下の変更が生じた場合は、10日以内に保健所へ変更届を提出する必要があります:
- 施設の名称・所在地の変更
- 食品衛生責任者の変更
- 申請した製造品目の変更(新たな許可業種の追加は新規申請が必要)
- 廃業する場合(廃業届の提出)
水質検査(貯水槽・井戸水使用の場合)
貯水槽(タンク水)や井戸水を使用している施設は、年1回以上の水質検査を実施し、成績書を保管する必要があります。
5年ごとの更新申請
許可の有効期間(5年)満了前に更新申請を行う必要があります。更新時にも施設調査が行われる場合があります。手数料は新規申請と同額程度です。

まとめ
食品製造業許可は、食品を製造・加工して販売する事業を始めるうえで欠かせない許可です。申請のポイントを整理します。
- 施設の工事着工前に保健所への事前相談が必須。着工後の施設改修は大きなコストになる
- 食品衛生責任者を申請前に確保する。養成講習会は開催頻度が低い自治体もあるため早めに動く
- 申請手数料は16,000〜75,000円(都道府県・製造品目により異なる)。正確な金額は保健所に確認を
- 審査から許可書交付まで4〜8週かかるため、開業スケジュールに余裕を持って動く
- 許可書交付前の製造営業は違法(2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金)
- 取得後も食品衛生責任者の名札掲示・HACCP管理・5年ごとの更新が義務
申請書類の作成や施設平面図の準備、複数品目の許可業種の判断など、不明点が多い場合は行政書士への相談が有効です。食品衛生法の申請実績がある行政書士に依頼することで、書類不備による審査遅延を防ぐことができます。
許認可ナビ編集部
行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。
最終更新:2026年6月6日
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