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うなぎ屋・鰻専門店の開業許可ガイド|飲食店営業許可・炭火焼き排煙設備・活鰻の追加許可
うなぎ屋の開業には飲食店営業許可(申請手数料16,000〜19,000円・審査2〜3週間)が必須。炭火焼きの排煙設備・消防届出・活鰻取扱時の魚介類販売業許可の要否確認など、うなぎ屋特有の規制も解説。
この記事でわかること
- うなぎ屋開業に必須の飲食店営業許可(食品衛生法第55条)の取得手順
- 申請手数料16,000〜19,000円、審査期間2〜3週間
- 炭火焼きうなぎ特有の排煙設備・消防関係届出の要件
- 活鰻を扱う場合に必要となる可能性のある魚介類販売業許可の要否
- 食品衛生責任者の選任方法と施設基準のポイント
- 許可取得後の掲示義務・更新・HACCP衛生管理
飲食店営業許可が必要なケース・不要なケース
うなぎ屋として店舗でうな重・うな丼を調理・提供する場合、食品衛生法第55条第1項に基づき飲食店営業許可が必須です。
許可が必要なケース
- 店内でうなぎを調理して提供する(うな重・うな丼・ひつまぶしなど)
- テイクアウト商品として調理済みうなぎを販売する
- デリバリー・テイクアウトでうなぎ料理を提供する
許可が不要なケース(ただし届出が必要な場合あり)
- 仕入れた加工済みかば焼きをそのまま(加熱なし・調理なし)販売する場合→魚介類販売業届出の対象となる場合あり
重要 活鰻(生きたうなぎ)を店内でさばいて調理する場合、飲食店営業許可に加えて魚介類販売業許可が必要となるケースがあります。保健所によって判断が異なるため、所管保健所への事前確認が必須です。
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飲食店営業許可を取得できない人(欠格事由)
食品衛生法第58条に基づき、以下に該当する場合は飲食店営業許可が取得できません。
- 食品衛生法・その他食品関係法令に違反し、有罪確定から2年を経過していない者
- 過去2年以内に食品衛生法第60条により営業許可を取り消された者
- 法人の場合、業務を行う役員が上記に該当する者
注意 欠格事由に該当する場合は申請しても不許可となります。過去の行政処分や刑事事件がある場合は、申請前に保健所または行政書士に相談してください。
申請前の準備(3つのポイント)
① 食品衛生責任者の確保
飲食店には食品衛生責任者を1名以上選任する義務があります。以下のいずれかに該当する人が就任できます。
- 調理師・製菓衛生師・栄養士・管理栄養士・船舶料理士などの国家資格保有者
- 都道府県知事等が指定する養成講習会の修了者(受講時間:約6時間、費用:約10,000円前後)
ポイント 開業者本人が資格を取得すれば兼任可能です。講習会は申込みから受講まで1〜2ヶ月かかる場合があるため、開業決定後すぐに申し込むことが重要です。
② 施設設計と保健所への事前相談
施設着工前に所管保健所の食品衛生担当窓口へ事前相談することが強く推奨されています。持参物は施設の設計図面(平面図)で、施設基準への適合を事前に確認できます。
飲食店の主な施設基準(東京都の場合):
- 調理場と客席の区分(隔壁またはパーテーション)
- 厨房専用の手洗い設備(1槽以上)
- 冷蔵・冷凍設備の設置
- 換気設備の設置(うなぎの炭火焼きには十分な排煙設備が必須)
③ 消防関係の手続き(うなぎ屋特有)
うなぎの炭火焼きは火気設備に該当するため、消防関係の届出が別途必要です。
- 防火対象物使用開始届出:開業7日前までに管轄消防署へ提出(届出手数料:無料)
- 消防設備の設置確認:消火器・自動火災報知設備の基準確認
- 収容人数30人以上の場合は防火管理者の選任届出も必要
重要 排煙設備のダクト工事は内装工事と一体で行います。設計段階で消防署と保健所の両方に相談しておくことで、工事のやり直しと開業遅延を防げます。
飲食店営業許可の必要書類一覧
個人申請の場合
| 書類 | 通数 | 備考 |
|---|---|---|
| 営業許可申請書 | 1通 | 保健所窓口または食品衛生申請等システムから入手 |
| 施設の構造・設備を示す図面 | 2通 | 平面図(縮尺・方位記入)・設備配置図 |
| 食品衛生責任者の資格証明書 | 1通 | 調理師免許・栄養士免許・講習修了証のいずれか |
| 申請手数料 | — | 16,000〜19,000円(地域によって異なる) |
法人申請の場合(追加書類)
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 登記事項証明書 | 申請書に法人番号を記載しない場合のみ(手数料:600円) |
注意 申請書類は管轄保健所の書式を使います。オンライン申請は「食品衛生申請等システム(ifas.mhlw.go.jp)」でも可能です。図面は縮尺・方位を必ず明記してください。

申請書(営業許可申請書)の記入ポイント
営業許可申請書の記入時に特に注意が必要な箇所を解説します。
業種の記入:飲食店営業の場合は「和食・洋食・中華・その他の飲食営業」のうち該当するものを選択します。うなぎ屋は**「和食」**に区分されます。
食品衛生責任者の記入:氏名・資格の種類・資格取得年月日を正確に記入します。自治体によっては資格証のコピーを添付します。
HACCPの取組欄:食品衛生法改正(2021年6月施行)により、すべての飲食店でHACCPに沿った衛生管理の実施が義務化されました。小規模事業者(個人・小規模チェーン)は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」でOKです。
施設の所在地:事務所・本社の住所ではなく、営業施設の実際の住所を記入します。
申請書の重要項目(記入ミスが起きやすい箇所)
以下の項目は記入誤りが多く、申請書の差し戻し・再提出の原因になります。
- 申請者と食品衛生責任者が別人の場合:それぞれの情報を区別して正確に記入
- 施設平面図の縮尺記入漏れ:縮尺未記入で受理されないケースあり(例:縮尺1/100)
- 法人番号の記入:法人の場合は法人番号(13桁)を記入。記入しない場合は登記事項証明書が必要
- 開業日(営業開始予定日):許可証交付前の日付を書かないこと。許可証を受け取った後でないと営業できない
重要 許可証が交付されるまで営業はできません。「申請中」であっても無許可営業は食品衛生法違反(罰則:2年以下の懲役または200万円以下の罰金)です。

申請の流れ(STEP1〜4)
STEP 1:保健所への事前相談(目安:施設着工の1〜2ヶ月前)
管轄保健所の食品衛生担当窓口に設計図面(平面図)を持参して事前相談します。施設基準への適合と書類の事前確認を行います。炭火焼き設備・活鰻取扱いの有無も伝えておきましょう。
STEP 2:申請書類の提出(目安:施設工事完成10日前)
必要書類一式を揃えて保健所窓口(または食品衛生申請等システム)に提出します。申請手数料(16,000〜19,000円)を納付してください。
STEP 3:施設完成確認検査(目安:施設完成後に日程調整)
保健所の担当者が施設に来て、施設基準への適合を確認します。不適合箇所があれば改善後に再検査となります。
STEP 4:許可証の交付(目安:検査合格後数日)
施設基準への適合が確認された後、許可証が交付されます。許可証を受け取った後に初めて営業を開始できます。
費用と審査期間のまとめ
| 項目 | 費用・期間 | 備考 |
|---|---|---|
| 申請手数料 | 16,000〜19,000円 | 都道府県・市区町村によって異なる |
| 食品衛生責任者講習 | 約10,000円 | 調理師等の資格保有者は不要 |
| 許可の有効期間 | 5〜8年 | 都道府県によって異なる。更新手数料も同程度 |
| 申請から許可証交付 | 2〜3週間 | 事前相談〜施設検査〜交付の全工程 |
| 消防関係届出 | 無料 | 防火対象物使用開始届・消防計画作成届 |
主要都市の申請手数料(参考):
- 東京都(新宿区):18,300円(新規)
- 大阪市:16,000円(新規)
- 名古屋市:16,000円(新規)
- 横浜市:18,000円(新規)
- 札幌市:17,500円(新規)
飲食店営業許可の詳細情報
よくある失敗パターン(うなぎ屋開業での注意点)
① 消防署への届出を忘れて施設検査が保留になる
保健所の施設検査時に「防火対象物使用開始届出の控え」を確認する自治体があります。開業7日前までに消防署へ届け出ておかないと施設検査が進まない場合があります。
② 食品衛生責任者の講習受講が間に合わない
「開業まで1ヶ月しかない」という段階で講習を申し込んでも、希望日の講習が満席で受講できないケースが頻発します。調理師・栄養士等の資格がない場合は開業決定後すぐに講習を申し込むことが重要です。
③ 施設基準未充足で施設検査に不合格になる
事前相談なしに内装工事を進め、「手洗い設備の位置が基準外」「換気設備の能力不足」などで施設検査に不合格となり、追加工事費用が発生するケースがあります。
④ 活鰻の取扱いで魚介類販売業許可を見落とす
「飲食店営業許可があれば何でもできる」と誤解し、活鰻を仕入れて店内でさばく業態なのに魚介類販売業許可の要否を確認していないケースがあります。保健所によって判断が異なるため、必ず事前確認が必要です。
⑤ 許可証交付前に開業してしまう
「工事が終わったから開業しよう」と許可証交付前に営業を開始してしまうケースがあります。申請中であっても無許可営業は食品衛生法違反(罰則:2年以下の懲役または200万円以下の罰金)です。
注意 上記の失敗は初回開業者に多く見られます。不明点があれば保健所や行政書士に早めに相談することで、追加費用や開業遅延を防げます。
うなぎ屋特有の規制と注意点
炭火焼き・ガス焼きの排煙設備
うなぎのかば焼きには炭火焼きまたはガス焼きが使われます。焼き台から出る煙・油煙を適切に排出するための**排煙設備(ダクト・換気フード)**が必須です。
- 保健所の施設基準:厨房の換気設備が基準を満たすこと
- 消防法上:火気使用設備として排煙設備の設置・能力確認が必要
- 近隣への配慮:油煙・煙の排出方向(建物の構造・近隣との距離)
活鰻の取扱いと追加許可の要否
生きたうなぎを仕入れて店内でさばく場合、飲食店営業許可の範囲を超えると判断されるケースがあります。「魚介類販売業」の許可要否は保健所によって判断が異なります。
- 飲食店として調理提供する場合:飲食店営業許可の範囲内とする自治体が多い
- 活鰻を店内でさばいて販売(小売り)もする場合:魚介類販売業許可が必要となる場合がある
シラスウナギ(うなぎ稚魚)の規制
シラスウナギは水産資源保護法および漁業法に基づく規制対象です。シラスウナギの購入・保有には漁業協同組合や都道府県知事の許可が必要となる場合があります(主に養殖業者向け)。一般的な飲食店として成魚を仕入れる場合は該当しませんが、自ら養殖する場合は別途規制が適用されます。
許可取得後の義務
飲食店営業許可を取得した後も、以下の義務が継続的に発生します。
掲示義務
- 営業許可証を施設の見やすい場所に掲示する義務があります(食品衛生法施行条例)
- 食品衛生責任者の氏名を店内の見やすい場所に掲示する義務があります(都道府県条例)
重要 営業許可証は許可証を受け取ったらすぐに店頭に掲示してください。掲示していない場合は行政指導の対象となります。
変更届・更新手続き
- 変更届:営業施設の住所・氏名(法人名)・食品衛生責任者に変更があった場合は保健所へ提出
- 許可の更新:有効期限(5〜8年)が来たら更新申請が必要(更新手数料:新規と同程度)。期限切れでは営業不可
- 廃業届:廃業する場合は速やかに保健所へ廃業届を提出
HACCP に基づく衛生管理(義務)
2021年6月以降、すべての飲食店で「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の実施が義務化されています。食材の調理・保管温度の管理、定期的な施設清掃記録の作成が求められます。

まとめ
うなぎ屋を開業するには飲食店営業許可(食品衛生法第55条)の取得が必須です。申請手数料は16,000〜19,000円、許可証交付まで2〜3週間かかります。
一般的な飲食店と異なり、うなぎ屋には以下の追加ポイントがあります:
- 炭火焼き・ガス焼き用の排煙設備(保健所・消防署の両方で確認)
- 防火対象物使用開始届出など消防関係届出(開業7日前まで)
- 活鰻を扱う場合の魚介類販売業許可の要否確認
開業準備は「食品衛生責任者の確保→保健所事前相談→施設工事→申請書提出→施設検査→許可証交付」の順で進めます。設計段階から保健所と消防署に相談しておくことで、内装工事のやり直しや開業遅延を防げます。
手続きが複雑で不安を感じる場合は、行政書士への相談が有効です。申請書類の作成・保健所との窓口対応を代行してもらえます(行政書士報酬の目安:49,800円〜)。
許認可ナビ編集部
行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。
最終更新:2026年6月18日
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