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ソフトクリーム屋の開業に必要な許可|飲食店営業と菓子製造業の判定フロー

ソフトクリーム屋の開業に必要な許可を販売形態別に解説。店舗・移動販売は飲食店営業許可(申請費用16,000〜19,000円・審査2〜3週間)、製造卸売は菓子製造業許可(14,000〜21,000円)が必要。食品衛生責任者・HACCP対応・施設設計のポイントも網羅。

許認可ナビ編集部·

この記事でわかること

  • ソフトクリーム屋の開業に必要な許可の種類(飲食店営業許可 vs 菓子製造業許可)
  • 販売形態別(店舗・移動販売・製造卸売)の許可判定フロー
  • 申請に必要な書類と費用(飲食店営業許可:16,000〜19,000円・審査 2〜3週間
  • 食品衛生責任者の確保方法とHACCP対応のポイント
  • 申請後に義務となる掲示・変更届・廃業届
  • よくある失敗パターン5選(菓子製造業許可だけで開業してしまう等)

ソフトクリーム屋の開業に必要な許可の種類

ソフトクリーム屋の開業に必要な許可は「どのように売るか」で変わる。

販売形態別の判定表

販売形態必要な許可申請費用の目安
店舗でソフトクリームを提供(イートイン・テイクアウト)飲食店営業許可16,000〜19,000円
製造して卸売・通販(工場生産)菓子製造業許可14,000〜21,000円
キッチンカー・移動販売飲食店営業許可(自動車営業)16,000〜19,000円
包装済み既製品の販売のみ(製造なし)食品衛生法 営業届出(許可不要)無料〜数千円

重要 「菓子製造業許可があれば店頭でソフトクリームを提供できる」という誤解が多い。店舗内での飲食提供・テイクアウト提供は飲食店営業許可が必要。菓子製造業許可だけでは店頭販売はできない。

許可の種類が1本では済まないケース

  • 自店でソフトクリームを製造して店頭販売+通販両方を行う場合 → 飲食店営業許可 + 菓子製造業許可の両方が必要
  • アイスクリーム(乳製品を原料とする冷菓)を製造する場合 → 菓子製造業許可に加えて乳製品製造業許可が別途必要な場合もある(自治体に要確認)
  • ソフトクリームフリーザーで原料から製造する場合は製造行為とみなされることが多い

許可を取得できない人・法人(欠格事由)

飲食店営業許可・菓子製造業許可に共通する欠格事由:

  • 食品衛生法違反で刑罰を受けてから2年を経過していない者
  • 食品衛生法に基づく営業許可を取り消されてから2年を経過していない者
  • 食品衛生責任者を確保できない場合(許可要件が満たせない)
  • 施設が保健所の施設基準を満たさない場合(配管・手洗い設備・廃水処理等)

法人申請の場合は、役員のうち1人でも上記に該当すると申請不可となる。

注意 欠格事由に該当しなくても、施設検査で基準未達になれば許可が下りない。事前相談で施設設計を保健所に確認してから設備投資を進めること。

申請前の準備

1. 食品衛生責任者の資格を確保する

飲食店営業許可・菓子製造業許可いずれも、施設ごとに食品衛生責任者を1人置くことが義務。以下の有資格者は無条件で就任できる:

  • 調理師・栄養士・製菓衛生師・食品衛生管理者など

資格がなければ各都道府県の食品衛生責任者養成講習会(1日6時間・受講費 約10,000〜15,000円)を受講して取得する。

重要 食品衛生責任者の資格証明書は申請書に必ず添付が必要。許可申請より前に資格を取得しておくこと。管理者が退職した場合も新しい資格者を速やかに選任して変更届を出す必要がある。

2. 施設設計と保健所への事前相談

施設を整備する前に管轄保健所へ平面図・設備配置図を持参して事前相談することが強く推奨される。ソフトクリームフリーザー(自動製造機)の設置場所・手洗い設備の位置・廃水タンクの処理方法を事前に確認しないまま着工すると、検査で修繕を求められる場合がある。相談は無料で、1〜2時間で要点を確認できる。

3. HACCP対応計画の策定

2021年の食品衛生法改正でHACCPに沿った衛生管理が全営業者に義務化された。ソフトクリームは乳製品原料(牛乳・クリーム)を使用するため、保管温度管理・器具の洗浄消毒が特に重要。

小規模事業者(従業員50人未満等)は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」で対応可能。営業許可申請書の「HACCPの取組」欄にチェックを入れる。

必要書類一覧(飲食店営業許可・個人申請)

書類内容入手先
営業許可申請書保健所の指定様式(第9号様式)保健所窓口・自治体HP
施設の構造・設備を示す図面(2部)厨房・設備配置・手洗い場の平面図申請者作成
食品衛生責任者の資格証明書(写し)調理師免許・講習修了証など資格発行機関
水質検査成績書井戸水・貯水槽を使用する場合のみ水質検査機関
申請手数料16,000〜19,000円(都道府県で差異あり)保健所窓口で納付

菓子製造業許可の場合の主な違い:

  • 申請手数料:14,000〜21,000円
  • 製造設備(ミキサー・オーブン等)の記載が必要な場合あり
  • HACCPに沿った衛生管理の記録書式も確認
食品衛生法第9号様式 営業許可申請書・営業届(許可・届出共通)の様式。申請者情報・施設情報・食品衛生責任者氏名・HACCPの取組などの記入欄が印刷されている。
営業許可申請書・営業届(第9号様式 / 厚生労働省)出典:厚生労働省 食品衛生法に基づく営業規制

法人申請の場合の追加書類

個人申請の書類に加えて、以下が必要になる:

  • 法人登記事項証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
  • 定款の写し(一部自治体で要求される場合あり)

株式会社・合同会社などで開業する場合は、法務局から登記事項証明書を取得する(手数料 600円/通)。代表者の情報が最新の内容で登記されていることを事前に確認すること。

申請書の重要記入ポイント(ミスが多い欄)

申請書記入で特に注意が必要な箇所:

  • 「業種」欄:「飲食店営業」か「菓子製造業」か、正確な業種を選ぶ。ソフトクリームの店舗販売・提供は「飲食店営業」
  • 「営業の形態」欄:「食堂・レストラン」「カフェ・甘味処」等から実態に近い業態を選択
  • 食品衛生責任者の資格種類:調理師・栄養士・製菓衛生師・講習修了の別を正確に記入
  • HACCP取組のチェック:「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」または「HACCPに基づく衛生管理」を誤りなく選択

注意 業種欄の記入ミスは施設検査の基準も変わるため、発覚した場合は申請を取り下げて再申請が必要になる。記入前に保健所の担当者に確認するか、窓口で記入見本を受け取ること。

営業許可申請書の記入例。「レストラン太郎」を例に、各欄の記入方法が赤字の注釈付きで説明されている。申請者情報・施設名称・食品衛生責任者氏名・業態の記入箇所が強調されている。
営業許可申請書の書き方ガイド(記入例・注釈付き)出典:厚生労働省 食品衛生法に基づく営業規制

申請の流れ(STEP1〜5)

STEP 1:保健所への事前相談(目安:申請の1〜2ヶ月前)

施設の平面図・設備配置図を持参して管轄保健所に相談する。ソフトクリームフリーザーの設置場所・廃水処理・手洗い設備の位置を事前に確認する。

STEP 2:食品衛生責任者の資格確保(目安:申請の1ヶ月前まで)

有資格者がいない場合は食品衛生責任者養成講習会を受講する(1日6時間、受講費 約10,000〜15,000円)。講習修了証が届くまで2〜3週間かかる場合がある。

STEP 3:施設整備・HACCP対応計画の策定(目安:施設完成後)

保健所の指示に従い厨房・ソフトクリームフリーザー・手洗い設備を整備する。HACCP衛生管理計画を作成して申請書に記入する。

STEP 4:申請書提出・手数料納付(窓口申請)

管轄保健所に申請書類一式と申請手数料(16,000〜19,000円)を持参して申請する。

STEP 5:施設検査・許可証交付 → 営業開始(申請から約 2〜3週間

保健所職員が現地で施設基準への適合を検査する。検査通過後に許可証が交付される。許可証の受領後に営業開始できる(許可証受領前の営業は無許可営業)。

費用と審査期間のまとめ

項目飲食店営業許可菓子製造業許可
申請手数料16,000〜19,000円14,000〜21,000円
審査期間2〜3週間2〜3週間
有効期限5〜8年(自治体によって異なる)5〜8年
行政書士代行合計 65,800〜68,800円(手数料込)同程度

食品衛生責任者養成講習の費用(受講が必要な場合):約10,000〜15,000円

費用を抑えるポイント:

  • 図面・申請書は自作可能(保健所で書き方の見本を入手できる)
  • 調理師・栄養士の資格がすでにあれば講習費用は不要
  • 行政書士に依頼するとHACCP設計のアドバイスも受けられる

よくある失敗パターン5選

パターン1:菓子製造業許可だけで店頭販売を始めてしまう

製造業許可は「製造して卸売・通販する」ためのもの。店頭でソフトクリームをイートイン・テイクアウト提供するには飲食店営業許可が別途必要。発覚すると無許可営業として行政指導・営業停止の対象になる。

パターン2:施設検査で設備基準未達になる

手洗い設備の位置・排水処理・ソフトクリームフリーザーの設置場所が基準を満たさず、工事のやり直しが発生する。費用と時間を無駄にしないために保健所への事前相談が必須

パターン3:食品衛生責任者が退職したまま放置

責任者不在のまま営業を続けると食品衛生法違反になる。退職が決まったら速やかに後任を確保して変更届(変更から 10日以内)を提出すること。

パターン4:キッチンカーで複数都道府県を回る際に他県の許可を取らない

キッチンカーの飲食店営業許可は各都道府県ごとに申請が必要。隣県でイベント出店する場合は、出店先の都道府県の保健所に事前確認すること。

パターン5:許可証の有効期限切れで更新を忘れる

飲食店営業許可の有効期限は 5〜8年(自治体により異なる)。期限が来ると自動的に失効するため、期限の 1ヶ月前には更新申請を行うこと。

移動販売・キッチンカーでソフトクリームを販売する場合

キッチンカー・移動販売でソフトクリームを販売する場合も**飲食店営業許可(自動車による移動販売)**が必要。

固定店舗との主な違い

項目固定店舗キッチンカー(移動販売)
申請先主たる営業場所の保健所活動エリアの都道府県ごと
施設基準厨房・シンク・換気設備等車内設備(水タンク・廃水タンク等)
給水・排水上下水道自己完結型タンク(容量要件あり)

移動販売のポイント:

  • 水タンク容量:多くの保健所が「給水タンク40L以上・廃水タンクは給水量より大きく」等の基準を設けている
  • 複数都道府県をまたぐイベント出店:各都道府県で個別に許可申請または確認が必要
  • ソフトクリームフリーザーの電源(発電機)も設備基準の対象になる場合あり

許可取得後の義務(変更届・廃業届・掲示義務)

変更届(変更から10日以内に提出)

変更内容添付書類
氏名・住所の変更(個人)戸籍謄本・住民票など
法人名・所在地の変更登記事項証明書
食品衛生責任者の変更新責任者の資格証明書
施設の構造・設備の変更変更後の平面図(2部)

廃業届(廃業後速やかに提出)

廃業・移転・営業者の変更が生じた場合は廃業届を提出する。廃業届を提出しないまま放置すると無届け状態が続くため注意。

掲示義務(食品衛生法第54条)

義務 食品営業許可証は施設内の見やすい場所に常時掲示する義務がある(食品衛生法第54条)。客席・調理場の入口付近に掲示するのが一般的。掲示を怠ると立入検査で指摘を受ける。

HACCP記録の保存

衛生管理の実施記録(温度管理・清掃・消毒等)は2年間の保存が推奨されている。保健所の立入検査時に提示を求められる場合がある。

営業開始後に必要なことを解説した資料。変更届・廃業届・許可更新の手続き内容と提出書類が表形式でまとめられている。変更から10日以内の届出期限、営業許可の継続手続きも記載。
営業開始後に必要な手続き(変更届・廃業届・更新)出典:東京都保健医療局 食品衛生法に基づく営業規制

まとめ:ソフトクリーム屋の開業許可を確実に取得するために

ソフトクリーム屋の開業に必要な許可は販売形態によって異なる。

  • 店舗・テイクアウト・移動販売:飲食店営業許可(費用 16,000〜19,000円・審査 2〜3週間
  • 製造して卸売・通販:菓子製造業許可(費用 14,000〜21,000円・審査 2〜3週間

開業までの主な流れ:

  1. 保健所への事前相談(施設設計の確認)
  2. 食品衛生責任者の資格取得(講習会受講 約10,000〜15,000円)
  3. 施設整備・HACCP計画策定
  4. 申請書提出・手数料納付
  5. 施設検査・許可証交付 → 営業開始

申請書類の作成・HACCP対応の設計など、専門的な手続きに不安がある場合は行政書士への相談が有効。申請書作成から施設検査の同行まで代行してもらえる。保健所への事前相談は無料なので、まずそこから動き始めることをおすすめする。

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許認可ナビ編集部

行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。

最終更新:2026年5月8日

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