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産業廃棄物収集運搬業許可の申請方法を完全解説|必要書類・費用・審査期間・よくある失敗まで
申請手数料73,000〜81,000円(都道府県により異なる)、JWセンター講習会修了証が必須書類、標準審査期間2〜3ヶ月(全体4〜6ヶ月)、有効期間5年の更新制。収集・運搬区域の都道府県ごとに許可が必要。
この記事でわかること
- 産業廃棄物収集運搬業許可が必要なケース・不要なケース(自己運搬の例外を含む)
- 許可取得に必要な必要書類の全リスト(個人・法人別)
- JWセンター講習会の受講から許可証交付までの申請の流れ(STEP 1〜6)
- 申請手数料:73,000〜81,000円(都道府県により異なる)+ 講習会費用 約25,000〜30,000円
- 標準審査期間:2〜3ヶ月(書類準備・講習含め全体で4〜6ヶ月)
- 無許可営業の罰則:5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(廃棄物処理法 第25条)
- 取得後の義務:マニフェスト運用・車両表示・変更届・5年ごとの更新
産廃収集運搬業許可の早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請手数料(新規) | 73,000~81,000円(都道府県により異なる) |
| 申請手数料(更新) | 73,000円(都道府県により異なる) |
| 許可の有効期間 | 5年(定期更新が必要) |
| 許可取得までの期間 | 4~6ヶ月(講習会受講+審査含む) |
| 必須資格・修了証 | JWセンター講習会修了証(受講費用 約25,000~30,000円) |
| 提出先 | 都道府県知事(営業区域の都道府県ごとに申請) |
| 対象廃棄物 | 産業廃棄物 20種類(許可申請時に品目を指定) |
| 車両要件 | 収集運搬を行う車両に「産業廃棄物収集運搬車」の表示義務 |
ポイント 複数の都道府県で事業を行う場合は、各都道府県ごとに個別の許可申請が必要です。「積替え・保管」を行う場合は、別途「積替え保管を含む」許可が必要です。
産業廃棄物収集運搬業許可が必要なケース・不要なケース
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第14条第1項に基づき、産業廃棄物の収集または運搬を業として行う場合には都道府県知事の許可が必要です。
許可が必要なケース
- 建設現場から排出される廃コンクリート・廃木材・廃プラスチック等の建設系廃棄物を収集・運搬する事業者
- 工場や事業所から排出される廃油・廃酸・廃アルカリ・汚泥など産業廃棄物20種類の収集運搬を請け負う事業者
- 解体工事業者や建設業者が自社の建設廃棄物を処分場に運搬するケース(自社運搬でも原則許可が必要)
- 排出事業者から委託を受けて産業廃棄物を収集・処分場まで運搬する業者
許可が不要なケース
- 自己の事業活動で排出した産業廃棄物を自ら処分場等まで運搬する場合(自己運搬の例外。ただし要件あり)
- 公道を使わず自社施設内だけで廃棄物を移動する場合
- 一般廃棄物(家庭ごみ等)のみを扱う業者(一般廃棄物収集運搬業許可が別途必要)
重要 「自社廃棄物だから許可は不要」と判断する事業者が多いですが、第三者から委託を受けた廃棄物の運搬は必ず許可が必要です。判断が難しい場合は申請先の都道府県環境担当部局に確認してください。
産業廃棄物収集運搬業許可が必要な代表業種
取得できない人・法人(欠格事由)
廃棄物処理法第14条第5項は、以下に該当する個人・法人を許可の対象外としています。1つでも該当すると許可を受けることができません。
個人の欠格事由
- 廃棄物処理法・その他法令に違反し禁錮以上の刑に処され、刑の執行終了から5年を経過していない者
- 廃棄物処理法第7条・第14条等の規定により許可を取り消され、取消日から5年を経過していない者
- 精神の機能の障害により業務を適正に行うに当たって必要な認知・判断・意思疎通を適切に行えない者
- 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者
法人の欠格事由
- 役員のうち1人でも上記個人の欠格事由に該当する者がいる法人
- 廃棄物処理法に違反し業務停止命令中の法人
重要 法人申請の場合、役員全員の欠格事由を確認する必要があります。取締役・監査役・執行役員など登記上の役員が対象です。役員に欠格事由がある場合、申請前に役員変更が必要になります。
申請前の準備(4つの重要アクション)
産業廃棄物収集運搬業許可はJWセンター講習会の修了が必要であり、申請書類の量も多いため、申請の4〜6ヶ月前から準備を始めることを強くおすすめします。
① JWセンター講習会の受講予約
公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が実施する「産業廃棄物の収集・運搬課程」の修了証が許可申請の必須書類です。
- 新規課程:2〜3日間(費用 約25,000〜30,000円)
- 全国各地で年間複数回開催。早めに予約しないと希望の日程を取れないことがあります
- 受講申込はJWセンター公式サイト(www.jwnet.or.jp)から
注意 修了証の有効期間は発行日から5年間です。更新申請時には新規修了証ではなく更新課程の修了証が必要です(新規課程とは別日程)。
② 収集・運搬する廃棄物の種類と申請都道府県の確定
産業廃棄物は20種類(廃プラスチック・金属くず・廃油・汚泥等)あり、申請時に扱う種類を選択します。後から種類を追加する場合は変更申請が必要です。また、許可は都道府県ごとに必要です。廃棄物を収集する都道府県と、処分場がある都道府県の両方の許可を取得してください(通過するだけの都道府県は不要)。
③ 車両・運搬容器の準備と確認
許可申請には使用する全車両の車検証と運搬容器の仕様書・写真が必要です。
- 自社所有でない車両はリース契約書等も必要
- 車両が廃棄物の漏れ・飛散・流出を防ぐ構造でなければならない(廃棄物処理法施行規則 第1条の2)
- 許可取得後は車体の両側面に「産業廃棄物収集運搬車」の文字と会社名・許可番号の表示が義務
④ 財務状況の確認(財産的基礎)
許可要件には財産的基礎・経理的基礎の確認が含まれます。直前3事業年度の財務諸表(貸借対照表・損益計算書)を用意してください。赤字が続いている場合や設立直後の法人は追加説明資料が求められることがあります。
必要書類一覧(個人申請)
個人で産業廃棄物収集運搬業許可を申請する場合の必要書類です。
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 産業廃棄物収集運搬業許可申請書 | 申請先都道府県のWebサイトからダウンロード |
| 講習会修了証(写し) | JWセンター発行。有効期間内(発行から5年以内)のもの |
| 住民票の写し | 発行後3ヶ月以内。マイナンバーの記載なし |
| 成年被後見人・被保佐人でないことの登記事項証明書 | 法務局発行。発行後3ヶ月以内 |
| 直前3年分の所得税の確定申告書(写し) | 事業の経理的基礎確認に使用 |
| 使用する車両の車検証(写し) | 使用する全車両分 |
| 運搬容器の仕様書・写真 | 廃棄物の漏れ・飛散防止構造を証明 |
| 誓約書 | 欠格事由に該当しないことを誓約(都道府県指定書式) |
重要 書類の様式は都道府県によって微妙に異なります。必ず申請先の都道府県(環境担当部局)の最新様式を使用してください。国の共通申請サービス経由で電子申請できる都道府県も増えています。

必要書類一覧(法人申請の追加書類)
法人として申請する場合、個人申請の書類に加えて以下が必要です。
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 法人登記事項証明書(現在事項全部証明書) | 法務局発行。発行後3ヶ月以内 |
| 定款の写し | 事業目的に「産業廃棄物収集運搬業」が含まれているか確認 |
| 役員全員の住民票・欠格事由証明書 | 取締役・監査役等の登記上の役員全員分 |
| 直前3事業年度の決算書(貸借対照表・損益計算書等) | 設立後3年未満の場合は設立時の状況説明書等で代替 |
定款の事業目的について: 事業目的に「廃棄物の収集運搬業」「産業廃棄物収集運搬業」等の記載がない法人は、定款変更(株主総会決議等)と登記変更が先に必要です。変更登記には通常数週間かかるため早めに確認してください。
申請書の重要項目(記入ミスが起きやすい欄)
産業廃棄物収集運搬業許可申請書は記入項目が多く、以下の欄で記入ミスや選択ミスが頻発します。
廃棄物の種類の選択
産業廃棄物は20種類に分類されており、申請書で取り扱う種類をすべてチェックします。後から種類を追加するには変更申請が必要です。事業内容に合わせて漏れなく選択してください。
収集・運搬区域の記入
許可は都道府県単位です。「収集する区域」と「運搬する区域(処分場の所在地)」を都道府県名で正確に記入します。この区域外での収集・運搬は違法となります。
積替保管の有無
今回の許可は「積替保管を除く」タイプです。今後積替保管を行う可能性がある場合は最初から「積替保管を含む」許可を取得することも検討してください(別許可で要件が異なります)。
ミスに注意 「特別管理産業廃棄物」(廃石綿・PCB廃棄物・感染性廃棄物等)を扱う場合は通常の産業廃棄物許可とは**別の許可(特別管理産業廃棄物収集運搬業許可)**が必要です。混同しないよう注意してください。

申請の流れ(STEP 1〜6)
STEP 1:JWセンター講習会の受講・修了(目安:申請2〜3ヶ月前に予約)
日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の「産業廃棄物の収集・運搬課程」を受講し、修了証を取得します。新規課程は2〜3日間(費用 約25,000〜30,000円)。全国各地で定期開催されていますが、人気のある日程は早期満席になるため余裕を持って予約してください。
STEP 2:申請書類の収集・作成(目安:1〜2ヶ月)
申請先都道府県の担当窓口(環境・廃棄物担当部局)から最新の様式・手引きを入手し、必要書類を揃えます。法務局での証明書取得には数日かかります。定款変更が必要な法人は更に時間がかかります。
STEP 3:都道府県窓口への事前相談(推奨)
正式提出の前に都道府県窓口で事前確認を受けることをおすすめします。書類不備が見つかると審査が中断されて再提出になるため、事前チェックで無駄を省けます。
STEP 4:正式申請・手数料納付(目安:半日)
申請書類一式を管轄都道府県の環境担当部局に提出し、申請手数料(73,000〜81,000円)を納付します。都道府県によっては郵送申請・電子申請も可能です。
STEP 5:書類審査・車両現地確認(目安:60〜90日)
都道府県が書類の内容審査を行います。必要に応じて使用車両・運搬容器の現地確認が実施されます。追加書類の提出を求められることがあるため、問い合わせには速やかに対応してください。
STEP 6:許可証の交付・業務開始
審査完了後、産業廃棄物収集運搬業の許可証が交付されます。有効期間は5年間。業務開始とともに電子または紙マニフェストによる廃棄物追跡管理が法的義務となります。
費用と審査期間のまとめ
| 項目 | 自分で申請 | 行政書士に依頼 |
|---|---|---|
| 申請手数料 | 73,000〜81,000円 | 73,000〜81,000円 |
| 行政書士報酬 | なし | 49,800円〜(目安) |
| 講習会費用 | 25,000〜30,000円 | 25,000〜30,000円 |
| 書類取得費用 | 3,000〜5,000円程度 | 3,000〜5,000円程度 |
| 合計 | 約101,000〜116,000円 | 約151,000〜166,000円 |
| 書類準備〜許可証交付 | 4〜6ヶ月 | 3〜5ヶ月 |
※ 申請手数料は都道府県によって異なります(東京都:81,000円、大阪府:73,000円 等)。 ※ 複数都道府県での取得が必要な場合、各都道府県ごとに申請手数料が発生します。 ※ 審査期間(標準処理期間)は2〜3ヶ月が目安ですが、書類補正が生じると延長されます。
産業廃棄物収集運搬業許可の詳細情報
よくある失敗パターン(申請前に必ず確認)
① JWセンター修了証を取得していない・期限切れ
最も多い失敗。修了証は発行から5年で失効します。修了証が手元にない、または有効期限切れの状態で申請しても受理されません。講習会の予約は申請の2〜3ヶ月前には完了させましょう。
② 廃棄物の種類の選択漏れ
取り扱う廃棄物の種類を1種類でも選択し忘れると、許可外の廃棄物を運搬することになり違法となります。事業内容から排出される廃棄物をすべて洗い出してから申請してください。
③ 車両の構造・表示要件の未確認
使用車両が廃棄物の漏れ・飛散・流出を防ぐ構造になっていない場合、現地確認で不合格になります。また、許可取得前から車両への表示をしてしまうと許可前営業と誤解されるリスクがあります。
④ 複数都道府県での収集運搬に1つの許可しか持っていない
「東京で収集して千葉に運ぶ」場合、東京都と千葉県の両方の許可が必要です。片方だけの許可で運搬すると無許可営業となります。
⑤ 法人の定款に産業廃棄物収集運搬業の記載がない
事業目的に廃棄物関連の記載がない法人は、定款変更と登記変更を先に行う必要があります。変更登記には通常1〜2ヶ月かかるため、気づいた時点で早急に対処してください。
⑥ 許可を受ける前に業務を開始してしまった
許可証が交付される前の収集・運搬は無許可営業です。許可証の受け取りを確認してから業務を開始してください。罰則は5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金です。
特殊ケース:複数都道府県・積替保管・特別管理産業廃棄物
複数都道府県にまたがる収集運搬
産業廃棄物収集運搬業許可は収集区域および運搬区域を管轄する都道府県ごとに取得が必要です。例:東京都内で収集して埼玉県の処分場に搬入する場合 → 東京都・埼玉県の両方の許可が必要。単に通過するだけの都道府県の許可は不要です。
積替保管を含む収集運搬
廃棄物を一時的に保管場所(積替保管施設)に積み替えてから運搬する場合は、「積替保管を除く」許可とは別の**「積替保管を含む」許可**が必要です。保管施設の基準(床面積・囲い・掲示板等)が定められており、申請手数料も異なります。
特別管理産業廃棄物の収集運搬
廃PCB・廃石綿(飛散性)・感染性廃棄物・廃水銀等の特別管理産業廃棄物を扱う場合は、通常の産業廃棄物収集運搬業許可とは別の特別管理産業廃棄物収集運搬業許可が必要です(廃棄物処理法第14条の4)。
重要 特別管理産業廃棄物を通常の許可の範囲で運搬することは違法です。解体工事で発生することの多い廃石綿含有建材の運搬は特別管理産業廃棄物の許可が必要なケースがあります。
許可取得後の義務(マニフェスト・車両表示・変更届・更新)
許可取得後も継続的な義務があります。違反すると許可の取消・業務停止命令の対象となります。
マニフェスト(産業廃棄物管理票)の運用
収集・運搬業の許可を受けた事業者は、すべての収集・運搬に際して電子マニフェストまたは紙マニフェストを使用することが義務付けられています(廃棄物処理法第12条の3)。電子マニフェストはJWセンターのシステムで管理されます。
許可証・車両への表示義務(掲示義務)
廃棄物処理法施行規則に基づき、収集運搬に使用する車両の両側面に以下を表示することが義務付けられています:
- 「産業廃棄物収集運搬車」の文字
- 会社名(氏名)
- 許可番号
また、許可証の写しを車内に備え付けて携帯することも義務です(施行規則第7条の2の2)。
変更届・廃業届
- 会社名・所在地・代表者・使用車両等の変更が生じた場合は10日以内に変更届を提出(廃棄物処理法第14条第12項)
- 業を廃止した場合は廃止後30日以内に廃業届を提出
5年ごとの更新
許可の有効期間は5年間です。有効期限の2〜3ヶ月前から更新申請の準備を開始してください。更新申請にも更新課程の修了証(JWセンター)と更新手数料(73,000〜81,000円程度)が必要です。

まとめ
産業廃棄物収集運搬業許可は、廃棄物処理法に基づく都道府県知事の許可が必要な業種で、無許可営業には5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金という厳しい罰則があります。
申請に際しては、JWセンター講習会の修了証の取得が必須要件となっており、書類準備を含めると全体で4〜6ヶ月を見込んでください。また、許可は都道府県ごとに必要なため、複数都道府県で事業を行う場合はそれぞれの申請が必要です。
取得後も、マニフェスト運用・車両表示・5年ごとの更新という継続的な義務があります。
書類の準備や欠格事由の確認、複数都道府県への申請など、手続きが複雑で不安を感じる場合は行政書士への相談が効果的です。産業廃棄物関連の許可を専門とする行政書士であれば、書類作成から申請代行まで一括でサポートしてもらえます。
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許認可ナビ編集部
行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。
最終更新:2026年4月24日
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