許認可ナビ

Guide

産業廃棄物収集運搬業許可の申請方法を完全解説|必要書類・費用・審査期間・よくある失敗まで

申請手数料73,000〜81,000円(都道府県により異なる)、JWセンター講習会修了証が必須書類、標準審査期間2〜3ヶ月(全体4〜6ヶ月)、有効期間5年の更新制。収集・運搬区域の都道府県ごとに許可が必要。

許認可ナビ編集部·

この記事でわかること

  • 産業廃棄物収集運搬業許可が必要なケース・不要なケース(自己運搬の例外を含む)
  • 許可取得に必要な必要書類の全リスト(個人・法人別)
  • JWセンター講習会の受講から許可証交付までの申請の流れ(STEP 1〜6)
  • 申請手数料:73,000〜81,000円(都道府県により異なる)+ 講習会費用 約25,000〜30,000円
  • 標準審査期間:2〜3ヶ月(書類準備・講習含め全体で4〜6ヶ月)
  • 無許可営業の罰則:5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(廃棄物処理法 第25条)
  • 取得後の義務:マニフェスト運用・車両表示・変更届・5年ごとの更新

あなたの廃棄物は産業廃棄物か? 種類別許可区分判定フロー

産廃収集運搬業の許可が必要かどうかを判断するには、まず「廃棄物の種類」と「どの業種許可が必要か」を正しく理解することが出発点になる。以下の3ステップで確認しよう。

① 産業廃棄物か一般廃棄物か?

廃棄物は大きく「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に二分される。

区分定義主な例
産業廃棄物事業活動で発生した廃棄物のうち、廃掃法が定める20品目に該当するもの汚泥・廃油・廃プラスチック・金属くず・廃酸・廃アルカリ・ガラスくず・がれき類 等
一般廃棄物(事業系)事業活動で発生した廃棄物のうち、産業廃棄物以外のもの事務所の紙くず・食堂の生ゴミ等(産業廃棄物20品目に該当しないもの)

注意 一般廃棄物は一般廃棄物収集運搬業の許可(市区町村管轄)が別途必要。産廃収集運搬業許可では取り扱えない。両方扱う場合は2種類の許可を取得すること。

② 産業廃棄物の法定20品目(自分の廃棄物はどれ?)

廃棄物処理法第2条第4項に定められた20品目の主なものを業種別に整理する。

カテゴリ品目主な発生業種
液体・スラリー汚泥廃油廃酸廃アルカリ食品・化学・金属製造業
固体(全業種)廃プラスチック類ゴムくず金属くず全業種
固体(特定業種)紙くず木くず繊維くず動植物性残さ建設業・食品製造業 等
建設系がれき類ガラスくず・コンクリートくず建設業
特殊廃PCB汚染物ばいじん製造業・廃棄物処理業

重要 紙くず・木くず・繊維くず・動植物性残さなど「限定業種のみ産業廃棄物」となる品目に注意。たとえば一般小売業(製造業でない)の紙くずは一般廃棄物扱いになる場合がある。

③ 収集運搬業か処分業か? 許可区分の違い

「産業廃棄物を扱う」といっても必要な許可は業務内容によって異なる。

業務内容必要な許可費用目安審査期間
廃棄物を収集・運搬する(処理施設に持ち込む)産業廃棄物収集運搬業許可73,000〜81,000円2〜3ヶ月
廃棄物を中間処理する(焼却・破砕・脱水等)産業廃棄物処分業許可(中間処理)500,000円〜6〜12ヶ月
廃棄物を最終処分する(埋立等)産業廃棄物処分業許可(最終処分)数百万円〜1年超

このガイドの対象 本ガイドは「産業廃棄物収集運搬業許可」の申請手続きに特化して解説する。処分業の許可を検討している場合は、都道府県の産廃担当窓口への相談を先行させることを推奨する。

あなたの事業に産廃収集運搬業許可は必要か? 判定フロー

産廃収集運搬業許可が必要かどうかは、3ステップで判定できる。申請手続きに入る前に、まず自社の廃棄物運搬が許可の対象になるかを確認しよう。

STEP 1: 廃棄物の種類を確認する

Q. 運搬する廃棄物は「産業廃棄物」か「一般廃棄物」か?

種類定義
産業廃棄物事業活動に伴って発生する廃棄物20品目建設廃材・汚泥・廃油・廃プラスチック等
一般廃棄物家庭ゴミ・事業系一般廃棄物生ゴミ・紙ゴミ(事務所の紙くず等)

重要 一般廃棄物は「一般廃棄物収集運搬業」の別許可が必要(市区町村が管轄)。産廃収集運搬業許可では一般廃棄物を扱えない。両方扱う場合は2種類の許可が必要になる。

STEP 2: 誰の廃棄物を運ぶかを確認する

Q. 自社の廃棄物を自社で運ぶか? それとも他社・他者の廃棄物を運ぶか?

状況許可の必要性
自社の産廃を自社で運搬(排出事業者が自ら運搬)許可不要(廃棄物処理法第12条)
他社・他者の産廃を運搬(委託を受けて運搬)許可必要
建設工事の元請業者として出た廃棄物を自社が運搬許可不要(自社工事の廃棄物)
下請業者として元請の廃棄物を運搬許可必要(他社廃棄物として扱われる)

注意 「自社の廃棄物なら許可不要」という認識は正しいが、建設業における下請け・元請けの区分でトラブルが多い。契約形態を確認してから判断すること。

STEP 3: 廃棄物の性質を確認する

Q. 特別管理産業廃棄物(有害廃棄物)か?

廃棄物の種類必要な許可
通常の産業廃棄物20品目産業廃棄物収集運搬業許可
特別管理産業廃棄物(廃PCB・感染性廃棄物等)特別管理産業廃棄物収集運搬業許可(別許可)

特別管理産業廃棄物は毒性・爆発性・感染性が高い廃棄物で、通常の産廃許可では取り扱えない。医療廃棄物・廃PCB・引火性廃油(引火点70℃未満)などが該当する。

判定まとめ

  • ✅ 他社の産廃を運搬する → 産廃収集運搬業許可が必要
  • ✅ 自社の産廃を自社で運ぶ → 許可不要(ただし処理業者への引渡しは必要)
  • ✅ 一般廃棄物(家庭ゴミ・事業系一般廃棄物)を運ぶ → 一般廃棄物収集運搬業許可(別制度)
  • ✅ 特別管理産廃を運ぶ → 特別管理産廃収集運搬業許可が別途必要

産業廃棄物の許可種類 比較表

産業廃棄物の許可制度は複数の種類があります。「自分に必要な許可はどれか?」を最初に確認しましょう。

許可種類積替保管主な要件のポイント費用目安審査期間
収集運搬業(積替保管なし)不要車両・講習修了証・運搬容器の基準適合73,000円〜2〜3ヶ月
収集運搬業(積替保管あり)必要上記+積替保管施設の設置・構造基準クリア別途施設費用3〜4ヶ月
処分業(中間処理)処理施設の設置許可・技術管理者の専任500,000円〜6〜12ヶ月
処分業(最終処分)最終処分場の設置許可・遮水設備等の整備数百万円〜1年超
特別管理産廃(収集運搬)任意特別管理産廃管理責任者の配置・専用容器・車両73,000円〜2〜3ヶ月

このガイドの対象 上記5種類のうち、本ガイドは**収集運搬業(積替保管なし・あり)**の申請を中心に解説します。処分業・特別管理産廃の申請を検討している方は、各許可の所管窓口(都道府県の産廃担当部署)にご相談ください。

産廃収集運搬業許可の早見表

項目内容
申請手数料(新規)73,000~81,000円(都道府県により異なる)
申請手数料(更新)73,000円(都道府県により異なる)
許可の有効期間5年(定期更新が必要)
許可取得までの期間4~6ヶ月(講習会受講+審査含む)
必須資格・修了証JWセンター講習会修了証(受講費用 約25,000~30,000円)
提出先都道府県知事(営業区域の都道府県ごとに申請)
対象廃棄物産業廃棄物 20種類(許可申請時に品目を指定)
車両要件収集運搬を行う車両に「産業廃棄物収集運搬車」の表示義務

ポイント 複数の都道府県で事業を行う場合は、各都道府県ごとに個別の許可申請が必要です。「積替え・保管」を行う場合は、別途「積替え保管を含む」許可が必要です。

産業廃棄物収集運搬業許可が必要なケース・不要なケース

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第14条第1項に基づき、産業廃棄物の収集または運搬を業として行う場合には都道府県知事の許可が必要です。

許可が必要なケース

  • 建設現場から排出される廃コンクリート・廃木材・廃プラスチック等の建設系廃棄物を収集・運搬する事業者
  • 工場や事業所から排出される廃油・廃酸・廃アルカリ・汚泥など産業廃棄物20種類の収集運搬を請け負う事業者
  • 解体工事業者や建設業者が自社の建設廃棄物を処分場に運搬するケース(自社運搬でも原則許可が必要)
  • 排出事業者から委託を受けて産業廃棄物を収集・処分場まで運搬する業者

許可が不要なケース

  • 自己の事業活動で排出した産業廃棄物を自ら処分場等まで運搬する場合(自己運搬の例外。ただし要件あり)
  • 公道を使わず自社施設内だけで廃棄物を移動する場合
  • 一般廃棄物(家庭ごみ等)のみを扱う業者(一般廃棄物収集運搬業許可が別途必要)

重要 「自社廃棄物だから許可は不要」と判断する事業者が多いですが、第三者から委託を受けた廃棄物の運搬は必ず許可が必要です。判断が難しい場合は申請先の都道府県環境担当部局に確認してください。

産廃許可が不要な3パターンの詳細判定基準(自社運搬・専ら物・少量)

「産廃の許可は要るのか?」という疑問で最も多いのが「自社で出した廃棄物を自分で運ぶなら許可は不要では?」というケースです。廃棄物処理法には例外規定がありますが、「不要」と判断するには厳格な要件があります。3つのパターンを詳しく解説します。

パターン①:排出事業者の自社運搬(自己運搬)

廃棄物処理法第14条第1項は「業として」行う収集・運搬に許可を求めています。自社の事業活動で排出した廃棄物を自社の車両で処分場に直接運ぶ場合は、「業として委託を受けた収集運搬」には該当しないため、原則として許可不要とされています。

ただし以下の要件をすべて満たすことが前提です:

  • 排出事業者が自ら産業廃棄物を運搬する(第三者に委託していないこと)
  • 収集運搬基準(廃棄物処理法施行令第6条)に従った運搬方法を守ること
  • 運搬する廃棄物の種類・量が排出事業者自身の事業で発生したものであること

重要 「グループ会社間」「親会社⇔子会社間」でも委託関係が発生すれば許可が必要です。「自社」の解釈を広げすぎると廃棄物処理法違反になります。実務では行政窓口に事前確認することを強く推奨します。

パターン②:専ら再生利用を目的とする廃棄物(専ら物)

廃棄物処理法第14条第1項ただし書では、「専ら再生利用の目的となる廃棄物のみの収集、運搬または処分を業として行う者」は収集運搬業許可が不要とされています。これが「専ら物(もっぱらもの)」と呼ばれる例外です。

専ら物に該当する4品目(環境省通知):

品目具体例
古紙段ボール・新聞紙・雑誌
くず鉄(非鉄金属くずを含む)スクラップ・アルミ缶
空きびん類ガラスびん(茶・無色等)
古繊維古着・繊維くず

重要 専ら物以外の廃棄物(例:廃プラスチック・廃油)と混合して収集・運搬する場合は専ら物例外が適用されず、許可が必要になります。古物商や再生業者でも取り扱う廃棄物の種類次第で許可義務が発生する点に注意が必要です。

パターン③:「業として」に当たらない一時的な運搬

廃棄物処理法は「業として」行う収集・運搬を規制対象にしています。「業として」とは反復継続性と社会性があることを指します。一回限りの自社廃棄物処理であれば業に当たらない場合もありますが、定期的・継続的に行えば少量でも「業」とみなされます。

「量が少ないから許可不要」という判断は法令上根拠がなく、廃棄物処理法違反のリスクがあります。 判断に迷う場合は都道府県の産業廃棄物担当窓口に事前相談することが最も安全です。

取得できない人・法人(欠格事由)

廃棄物処理法第14条第5項は、以下に該当する個人・法人を許可の対象外としています。1つでも該当すると許可を受けることができません

個人の欠格事由

  • 廃棄物処理法・その他法令に違反し禁錮以上の刑に処され、刑の執行終了から5年を経過していない
  • 廃棄物処理法第7条・第14条等の規定により許可を取り消され、取消日から5年を経過していない
  • 精神の機能の障害により業務を適正に行うに当たって必要な認知・判断・意思疎通を適切に行えない者
  • 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過していない

法人の欠格事由

  • 役員のうち1人でも上記個人の欠格事由に該当する者がいる法人
  • 廃棄物処理法に違反し業務停止命令中の法人

重要 法人申請の場合、役員全員の欠格事由を確認する必要があります。取締役・監査役・執行役員など登記上の役員が対象です。役員に欠格事由がある場合、申請前に役員変更が必要になります。

申請前の準備(4つの重要アクション)

産業廃棄物収集運搬業許可はJWセンター講習会の修了が必要であり、申請書類の量も多いため、申請の4〜6ヶ月前から準備を始めることを強くおすすめします。

① JWセンター講習会の受講予約

公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が実施する「産業廃棄物の収集・運搬課程」の修了証が許可申請の必須書類です。

  • 新規課程:2〜3日間(費用 約25,000〜30,000円)
  • 全国各地で年間複数回開催。早めに予約しないと希望の日程を取れないことがあります
  • 受講申込はJWセンター公式サイト(www.jwnet.or.jp)から

注意 修了証の有効期間は発行日から5年間です。更新申請時には新規修了証ではなく更新課程の修了証が必要です(新規課程とは別日程)。

② 収集・運搬する廃棄物の種類と申請都道府県の確定

産業廃棄物は20種類(廃プラスチック・金属くず・廃油・汚泥等)あり、申請時に扱う種類を選択します。後から種類を追加する場合は変更申請が必要です。また、許可は都道府県ごとに必要です。廃棄物を収集する都道府県と、処分場がある都道府県の両方の許可を取得してください(通過するだけの都道府県は不要)。

③ 車両・運搬容器の準備と確認

許可申請には使用する全車両の車検証運搬容器の仕様書・写真が必要です。

  • 自社所有でない車両はリース契約書等も必要
  • 車両が廃棄物の漏れ・飛散・流出を防ぐ構造でなければならない(廃棄物処理法施行規則 第1条の2)
  • 許可取得後は車体の両側面に「産業廃棄物収集運搬車」の文字と会社名・許可番号の表示が義務

④ 財務状況の確認(財産的基礎)

許可要件には財産的基礎・経理的基礎の確認が含まれます。直前3事業年度の財務諸表(貸借対照表・損益計算書)を用意してください。赤字が続いている場合や設立直後の法人は追加説明資料が求められることがあります。

産廃収集運搬業許可に必要なJWセンター講習会の受講手順と修了試験対策

産業廃棄物収集運搬業の許可申請では、**公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)**が実施する「産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会(新規)」の修了証が必須書類です。

講習会の形式(2026年度)

①オンライン形式(主流)

  • 事前にJWセンターの会員マイページで講義動画を視聴
  • 後日、全国の指定会場で修了試験を受験(2段階形式)
  • 申込締切: 試験日の9日前まで
  • 受講料: 約20,000〜25,000円(産業廃棄物収集運搬業 新規コース)

②対面形式

  • 会場で講義を受け、同日に修了試験を受験
  • 開催数が少なく申込が集中するため、早めの予約が必要

重要 JWセンターの修了証は、全国どの都道府県の会場で取得しても、すべての都道府県・政令市の許可申請に使用できます。自宅や会社から最寄りの会場を選んで構いません。

申込手順(オンライン形式)

  1. JWセンター公式サイト(jwnet.or.jp)で会員登録
  2. 「産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会(新規)」を選択
  3. 希望する試験日・会場を選択して申込(試験日の9日前まで)
  4. 受講料をコンビニ払い・クレジットカード等で支払い
  5. マイページから講義動画を視聴(自分のペースで可)
  6. 指定日時に会場で修了試験を受験
  7. 試験日の約3週間後に試験結果が郵送で届く

修了試験の合否と再試験

  • 試験内容: 択一式(廃棄物処理法の基礎知識・収集運搬の実務)
  • 不合格の場合: 翌年度末(2027年3月末)まで2回まで再試験が可能

注意 修了証には有効期限があります。取得から5年以内に許可申請を行う必要があります。申請準備が長引いて有効期限が切れた場合は、再受講が必要になります。

「新規」と「更新」の講習コースを間違えない

コース対象
新規初めて許可申請をする場合(今回のケース)
更新既存の許可を5年後に更新する場合

「更新」コースで取得した修了証では新規申請はできません。申込時に「新規」コースを必ず選択してください。

事業計画書の作成ポイント(収集運搬区域・取扱廃棄物の種類選定)

産業廃棄物収集運搬業の許可申請では、事業計画書の提出が義務付けられています(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第9条の2)。審査官が事業の実態を判断する重要書類であり、記載内容の精度が審査期間にも影響します。

収集運搬区域の選定

収集運搬業の許可は都道府県ごとに個別取得が必要です。事業計画書では「どの都道府県で収集・運搬を行うか」を明示します。

区域設定ポイント
1都道府県のみ申請費用・審査手続きが最小限。事業開始時はこちらが一般的
複数都道府県都道府県ごとに別申請・別手数料(73,000〜81,000円×件数)が発生
積替え保管あり一時保管場所の都道府県にも別途許可が必要(施設設置要件が加わる)

重要 「将来のために広めに申請しておく」は逆効果のケースがあります。審査対象都道府県が増えるほど審査期間が延長されます。最初は事業実態に合った範囲で申請し、事業拡大時に追加申請するのが現実的です。

取扱廃棄物の種類の選定

産業廃棄物は廃棄物処理法で20種類に分類されており、申請時にどの種類を取り扱うかを明示します。

産業廃棄物20種類の主な分類

  • 燃え殻・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリ・廃プラスチック類
  • ゴムくず・金属くず・ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず
  • がれき類・木くず・紙くず・繊維くず・動植物性残さ
  • 動物系固形不要物・動物のふん尿・動物の死体・ばいじん

注意 申請時に選定した種類以外の廃棄物を収集運搬すると無許可業者扱いとなり、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金の対象です。事業計画書の廃棄物種類欄は、実際に収集する予定のものを漏れなく記載してください。

車両・容器の明記

事業計画書には使用する車両の種類・台数・容量と廃棄物の容器・梱包方法も記載が必要です。車両が確保されていない段階での申請は受理されないため、申請前に車両の購入またはリース契約を済ませておく必要があります。

産業廃棄物20品目と収集運搬許可が必要な判断基準

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)第2条第4項では、産業廃棄物を20品目に分類しています。事業活動で発生した廃棄物がこの20品目に該当する場合、収集・運搬には産業廃棄物収集運搬業許可が必要です。

品目品目名主な発生業種
1燃え殻電力業・製造業・ガス供給業
2汚泥全業種(建設業の泥水・食品工場排水汚泥等)
3廃油製造業・運輸業(廃潤滑油・廃溶剤等)
4廃酸金属製品製造業・半導体製造業
5廃アルカリ金属製品製造業・写真現像業
6廃プラスチック類全業種(廃包装材・廃パイプ・廃シート等)
7紙くず建設業・印刷業・パルプ製造業(※限定業種)
8木くず建設業・木材製品製造業(※限定業種)
9繊維くず建設業・衣服繊維製品製造業(※限定業種)
10動植物性残さ食料品製造業・医薬品製造業(※限定業種)
11動物系固形不要物と畜場業・食鳥処理業(※限定業種)
12ゴムくず全業種(廃タイヤ・廃ゴムホース等)
13金属くず全業種(スクラップ・廃缶・廃パイプ等)
14ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず建設業・製造業(※限定業種)
15鉱さい製鉄業・非鉄金属製造業・鋳物業
16がれき類建設業(コンクリート破片・アスファルト破片等)
17動物のふん尿畜産農業
18動物の死体畜産農業
19ばいじん燃焼施設のばいじん(大気汚染防止法対象施設)
20処理後廃棄物上記1〜19を処分するために処理したもの

重要 品目7〜11(紙くず・木くず・繊維くず・動植物性残さ・動物系固形不要物)は限定された業種からの排出のみ産業廃棄物として扱われます。それ以外の業種からの同種廃棄物は一般廃棄物となるため、業種と廃棄物の種類を必ず確認してください。

事業計画書への品目記載と変更申請

許可申請の事業計画書には「取り扱う産業廃棄物の種類」を全品目記載します。後から品目を追加する場合は許可の変更申請が必要(変更申請手数料・審査期間が追加発生)なため、開業時に取り扱う可能性のある品目を漏れなく申請しておくことが重要です。品目ごとに取扱量の見込みも記載すると審査がスムーズに進みます。

必要書類一覧(個人申請)

個人で産業廃棄物収集運搬業許可を申請する場合の必要書類です。

書類名備考
産業廃棄物収集運搬業許可申請書申請先都道府県のWebサイトからダウンロード
講習会修了証(写し)JWセンター発行。有効期間内(発行から5年以内)のもの
住民票の写し発行後3ヶ月以内。マイナンバーの記載なし
成年被後見人・被保佐人でないことの登記事項証明書法務局発行。発行後3ヶ月以内
直前3年分の所得税の確定申告書(写し)事業の経理的基礎確認に使用
使用する車両の車検証(写し)使用する全車両分
運搬容器の仕様書・写真廃棄物の漏れ・飛散防止構造を証明
誓約書欠格事由に該当しないことを誓約(都道府県指定書式)

重要 書類の様式は都道府県によって微妙に異なります。必ず申請先の都道府県(環境担当部局)の最新様式を使用してください。国の共通申請サービス経由で電子申請できる都道府県も増えています。

産業廃棄物収集運搬業 申請の流れフロー図
産業廃棄物収集運搬業 申請の流れ(東京都環境局 手引き p.2)— ①講習会の受講→②申請書の作成→③申請日時の予約→④申請→⑤審査→⑥許可証の交付の6ステップ。標準審査期間60日(更新は申請受理後)出典:東京都環境局 産業廃棄物収集運搬業許可申請の手引(令和5年11月版・PDF p.2)

必要書類一覧(法人申請の追加書類)

法人として申請する場合、個人申請の書類に加えて以下が必要です。

書類名備考
法人登記事項証明書(現在事項全部証明書)法務局発行。発行後3ヶ月以内
定款の写し事業目的に「産業廃棄物収集運搬業」が含まれているか確認
役員全員の住民票・欠格事由証明書取締役・監査役等の登記上の役員全員分
直前3事業年度の決算書(貸借対照表・損益計算書等)設立後3年未満の場合は設立時の状況説明書等で代替

定款の事業目的について: 事業目的に「廃棄物の収集運搬業」「産業廃棄物収集運搬業」等の記載がない法人は、定款変更(株主総会決議等)と登記変更が先に必要です。変更登記には通常数週間かかるため早めに確認してください。

申請書の重要項目(記入ミスが起きやすい欄)

産業廃棄物収集運搬業許可申請書は記入項目が多く、以下の欄で記入ミスや選択ミスが頻発します。

廃棄物の種類の選択

産業廃棄物は20種類に分類されており、申請書で取り扱う種類をすべてチェックします。後から種類を追加するには変更申請が必要です。事業内容に合わせて漏れなく選択してください。

収集・運搬区域の記入

許可は都道府県単位です。「収集する区域」と「運搬する区域(処分場の所在地)」を都道府県名で正確に記入します。この区域外での収集・運搬は違法となります。

積替保管の有無

今回の許可は「積替保管を除く」タイプです。今後積替保管を行う可能性がある場合は最初から「積替保管を含む」許可を取得することも検討してください(別許可で要件が異なります)。

ミスに注意 「特別管理産業廃棄物」(廃石綿・PCB廃棄物・感染性廃棄物等)を扱う場合は通常の産業廃棄物許可とは**別の許可(特別管理産業廃棄物収集運搬業許可)**が必要です。混同しないよう注意してください。

産業廃棄物収集運搬業 個人申請チェックシート(大阪府)
産業廃棄物収集運搬業 個人申請チェックシート(大阪府)— 申請に必要な書類・要件が一覧化されています。申請前の最終確認や書類収集の漏れ防止に活用できます。都道府県によって様式が異なるため、申請先のチェックシートを必ず使用してください。出典:大阪府(産業廃棄物収集運搬業 個人申請チェックシート)

申請の流れ(STEP 1〜6)

STEP 1:JWセンター講習会の受講・修了(目安:申請2〜3ヶ月前に予約)

日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の「産業廃棄物の収集・運搬課程」を受講し、修了証を取得します。新規課程は2〜3日間(費用 約25,000〜30,000円)。全国各地で定期開催されていますが、人気のある日程は早期満席になるため余裕を持って予約してください。

STEP 2:申請書類の収集・作成(目安:1〜2ヶ月)

申請先都道府県の担当窓口(環境・廃棄物担当部局)から最新の様式・手引きを入手し、必要書類を揃えます。法務局での証明書取得には数日かかります。定款変更が必要な法人は更に時間がかかります。

STEP 3:都道府県窓口への事前相談(推奨)

正式提出の前に都道府県窓口で事前確認を受けることをおすすめします。書類不備が見つかると審査が中断されて再提出になるため、事前チェックで無駄を省けます。

STEP 4:正式申請・手数料納付(目安:半日)

申請書類一式を管轄都道府県の環境担当部局に提出し、申請手数料(73,000〜81,000円)を納付します。都道府県によっては郵送申請・電子申請も可能です。

STEP 5:書類審査・車両現地確認(目安:60〜90日)

都道府県が書類の内容審査を行います。必要に応じて使用車両・運搬容器の現地確認が実施されます。追加書類の提出を求められることがあるため、問い合わせには速やかに対応してください。

STEP 6:許可証の交付・業務開始

審査完了後、産業廃棄物収集運搬業の許可証が交付されます。有効期間は5年間。業務開始とともに電子または紙マニフェストによる廃棄物追跡管理が法的義務となります。

費用と審査期間のまとめ

項目自分で申請行政書士に依頼
申請手数料73,000〜81,000円73,000〜81,000円
行政書士報酬なし49,800円〜(目安)
講習会費用25,000〜30,000円25,000〜30,000円
書類取得費用3,000〜5,000円程度3,000〜5,000円程度
合計約101,000〜116,000円約151,000〜166,000円
書類準備〜許可証交付4〜6ヶ月3〜5ヶ月

※ 申請手数料は都道府県によって異なります(東京都:81,000円、大阪府:73,000円 等)。 ※ 複数都道府県での取得が必要な場合、各都道府県ごとに申請手数料が発生します。 ※ 審査期間(標準処理期間)は2〜3ヶ月が目安ですが、書類補正が生じると延長されます。

収集運搬業の許可取得にかかる総費用の内訳(初年度)

申請手数料以外にも費用がかかります。初年度の総コストを費目別に整理しました。

費目費用目安備考
JWセンター講習会(収集・運搬課程 新規)25,000〜30,000円申請必須
申請手数料(都道府県)73,000〜81,000円都道府県により異なる
書類取得費(住民票・登記等)3,000〜5,000円法人は全役員分を取得
車両表示シール・備品5,000〜10,000円許可取得後に必要
合計(自己申請)約106,000〜126,000円行政書士なしの場合
行政書士報酬(任意)50,000〜200,000円事務所・難易度による
合計(行政書士に依頼)約156,000〜326,000円

※ 複数都道府県での取得が必要な場合は、都道府県数分の申請手数料が追加でかかります(講習会修了証は共通利用可)。更新時の手数料は新規と同額程度(5年ごとに発生)。

費用を抑えるポイント

  • JWセンター講習会は早期申込で満席リスクを回避(費用は定価固定)
  • 自己申請を選ぶと行政書士報酬50,000〜200,000円を節約できるが、書類準備に約1〜2ヶ月の時間が必要
  • 5年ごとの更新手数料も同額発生するため、年換算コストは約20,000〜25,000円/年

よくある失敗パターン(申請前に必ず確認)

① JWセンター修了証を取得していない・期限切れ

最も多い失敗。修了証は発行から5年で失効します。修了証が手元にない、または有効期限切れの状態で申請しても受理されません。講習会の予約は申請の2〜3ヶ月前には完了させましょう。

② 廃棄物の種類の選択漏れ

取り扱う廃棄物の種類を1種類でも選択し忘れると、許可外の廃棄物を運搬することになり違法となります。事業内容から排出される廃棄物をすべて洗い出してから申請してください。

③ 車両の構造・表示要件の未確認

使用車両が廃棄物の漏れ・飛散・流出を防ぐ構造になっていない場合、現地確認で不合格になります。また、許可取得前から車両への表示をしてしまうと許可前営業と誤解されるリスクがあります。

④ 複数都道府県での収集運搬に1つの許可しか持っていない

「東京で収集して千葉に運ぶ」場合、東京都と千葉県の両方の許可が必要です。片方だけの許可で運搬すると無許可営業となります。

⑤ 法人の定款に産業廃棄物収集運搬業の記載がない

事業目的に廃棄物関連の記載がない法人は、定款変更と登記変更を先に行う必要があります。変更登記には通常1〜2ヶ月かかるため、気づいた時点で早急に対処してください。

⑥ 許可を受ける前に業務を開始してしまった

許可証が交付される前の収集・運搬は無許可営業です。許可証の受け取りを確認してから業務を開始してください。罰則は5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金です。

収集運搬業と処分業の許可区分・費用・審査期間の詳細比較

産業廃棄物の処理に関わる許可は大きく「収集運搬業許可」と「処分業許可」に分かれます。事業内容によってどちらが必要か(または両方必要か)を確認しましょう。

比較項目収集運搬業許可処分業許可(中間処理)処分業許可(最終処分)
根拠条文廃掃法第14条第1項廃掃法第14条第6項廃掃法第14条第6項
主な業務廃棄物の収集・積込・運搬焼却・破砕・脱水・溶融等埋立・海洋投入
主任技術者JWセンター講習修了者処理施設技術管理者(資格または修了試験)同左
施設要件車両・運搬容器基準(積替保管ありは施設も必要)廃棄物処理施設の設置許可(別途申請)最終処分場設置許可
申請手数料73,000〜81,000円100,000〜220,000円別途設定
審査期間2〜3ヶ月3〜5ヶ月以上6ヶ月〜1年以上
処理施設設置許可不要必要(廃掃法第15条)必要

重要 収集運搬と処分の両方を行う場合は両方の許可が必要です。処分業は処理施設の設置許可・技術管理者の専任・施設維持管理基準の遵守など、収集運搬業より格段に高いハードルがあります。まずは収集運搬業許可から取得し、事業が軌道に乗ってから処分業許可にステップアップするのが一般的なルートです。

特別管理産業廃棄物の許可区分

廃PCB・廃石綿(飛散性)・廃水銀等の特別管理産業廃棄物の収集運搬・処分には、通常の産業廃棄物とは別の許可(特別管理産業廃棄物収集運搬業許可・処分業許可)が必要です。申請手数料・審査基準とも通常の許可より高く設定されています。

特殊ケース:複数都道府県・積替保管・特別管理産業廃棄物

複数都道府県にまたがる収集運搬

産業廃棄物収集運搬業許可は収集区域および運搬区域を管轄する都道府県ごとに取得が必要です。例:東京都内で収集して埼玉県の処分場に搬入する場合 → 東京都・埼玉県の両方の許可が必要。単に通過するだけの都道府県の許可は不要です。

積替保管を含む収集運搬

廃棄物を一時的に保管場所(積替保管施設)に積み替えてから運搬する場合は、「積替保管を除く」許可とは別の**「積替保管を含む」許可**が必要です。保管施設の基準(床面積・囲い・掲示板等)が定められており、申請手数料も異なります。

特別管理産業廃棄物の収集運搬

廃PCB・廃石綿(飛散性)・感染性廃棄物・廃水銀等の特別管理産業廃棄物を扱う場合は、通常の産業廃棄物収集運搬業許可とは別の特別管理産業廃棄物収集運搬業許可が必要です(廃棄物処理法第14条の4)。

重要 特別管理産業廃棄物を通常の許可の範囲で運搬することは違法です。解体工事で発生することの多い廃石綿含有建材の運搬は特別管理産業廃棄物の許可が必要なケースがあります。

産廃許可の「都道府県またぎ」完全ガイド(積替え保管あり・なしで必要許可数が変わる)

産業廃棄物収集運搬業許可は都道府県・政令市ごとに必要です。複数の都道府県にまたがって業務を行う場合、「積替え保管ありなし」によって取得すべき許可の数が変わります。この点は実務上最も混乱しやすい論点のひとつです。

基本原則:「積込区域」と「荷降ろし区域」で許可を取る

廃棄物処理法第14条の2・施行規則に基づき、産廃収集運搬業許可は以下の区域を管轄する都道府県・政令市から取得する必要があります:

  • 積込みを行う区域(廃棄物が発生した現場・事業所の所在地)
  • 荷降ろしを行う区域(最終処分場・中間処理施設の所在地)

単に「通過するだけ」の都道府県の許可は不要です(廃棄物処理法の解釈)。

積替え保管「なし」の場合

廃棄物を一度も一時保管せず、排出元から処分場まで直接運搬するケースです。

パターン必要な許可取得数
東京都内で積込→東京都内の処分場に降ろす東京都1都
東京都内で積込→埼玉県の処分場に降ろす東京都 + 埼玉県2都県
神奈川県で積込→千葉県の処分場(東京都通過)神奈川県 + 千葉県2都県

重要 東京都を通過するだけなら東京都の許可は不要です。「通過」と「積替え保管なし」であれば経由地の許可取得は不要なため、許可取得数を正確に把握することでコストを抑えられます。

積替え保管「あり」の場合

廃棄物を一時的に積替え保管施設に保管してから別の車両で搬出するケースです。この場合、積替え保管施設が所在する都道府県の許可も追加で必要になります。

パターン必要な許可取得数
東京都で積込→神奈川県の自社積替保管施設→静岡県処分場東京都 + 神奈川県 + 静岡県3都県
大阪府で積込→自社積替保管施設(大阪府内)→兵庫県処分場大阪府 + 兵庫県2府県

積替え保管ありの許可では、保管施設自体にも囲い・仕切り・掲示板・排水設備等の構造基準(廃棄物処理法施行令第6条)が求められ、申請書類も増えます。

政令市(20市)の注意点

政令指定都市(横浜市・大阪市・名古屋市等)では、都道府県とは別に政令市独自の許可が必要な場合があります。例えば、神奈川県の許可を持っていても横浜市での業務には横浜市の許可が別途必要なケースがあります。必ず管轄の政令市窓口に確認してください。

運搬車両・容器の基準一覧(積替え保管ありの場合の追加要件)

廃棄物処理法およびその施行規則に基づき、産業廃棄物の収集運搬に使用する車両・容器には厳格な基準が定められています。許可取得後も基準を維持しなければ、行政処分・許可取消しの対象となります。

車両の表示義務(廃棄物処理法第7条第15項・施行規則第9条の3)

産業廃棄物の収集運搬に使用するすべての車両の両側面に、以下を表示しなければなりません。

表示項目内容の例
氏名または名称株式会社○○環境サービス
許可番号(上6桁)○○0〇〇〇〇〇
「産業廃棄物収集運搬業者」の表記産業廃棄物収集運搬業者
  • 表示の向き: 縦書き・横書きどちらでも可
  • 文字の大きさに規定はないが視認できるサイズが必要
  • ステッカー・マグネット式どちらでも可

重要 自動二輪車(バイク)や原動機付自転車による収集運搬にも表示義務が適用されます。軽バン・軽トラックを含むすべての運搬車両が対象です。

出典: 環境省「産業廃棄物収集運搬車への表示義務について」(https://www.env.go.jp/recycle/waste/pamph/02.pdf)

書面の備え付け義務(施行規則第7条の2の2)

収集運搬中は車内に以下の書面を常時備え付けなければなりません。

  • 収集した廃棄物の種類・数量・排出事業場の名称・住所
  • 収集運搬先の氏名または名称・住所
  • 電子マニフェスト利用の場合はマニフェストIDが確認できる書面

注意 マニフェストの記載不備・未携帯は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金の対象です。

積替え保管を行う場合の追加要件

収集した廃棄物を中継地点で一時保管(積替え保管)する場合、通常の収集運搬業許可に加えて積替え保管施設に係る許可が必要です(施行規則第7条の2)。

項目基準
囲い・仕切りの設置廃棄物種類ごとに区分して保管できる構造
雨水の流出防止廃水・浸出液が外部に流れ出ない構造
保管容量の上限1日の搬出量の14日分(2週間分)が最大保管量の目安
掲示板の設置廃棄物の種類・保管の上限高さ・責任者氏名等を記載した掲示板が必須

積替え保管ありの許可は施設のある都道府県での別途許可が必要となり、申請手数料が追加で73,000〜100,000円(都道府県により異なる)かかります。

積替保管施設の設備基準と設置費用の実例

「積替保管を含む」収集運搬業許可を取得する場合、廃棄物を一時保管する施設が必要です。設備基準と費用を把握しておきましょう。

法定設備基準(廃掃法施行令第6条・施行規則第1条の6)

設備項目基準内容
囲い廃棄物の飛散・流出・地下浸透を防ぐ囲い(フェンス・壁等)
掲示板施設種類・取扱廃棄物・保管上限量を表示(縦横60cm以上)
保管上限量搬入量の7日分以内(超過は廃掃法違反)
仕切り廃棄物の種類ごとに仕切りを設けること
排水対策廃液の漏出を防ぐ構造(コンクリート舗装・排水溝・勾配等)
防鼠・防虫ネズミ・ハエ等が生息・侵入しにくい構造

設置コストの目安(土地賃借前提)

規模面積目安初期整備費用年間維持費
小規模(トラック3〜5台)500〜1,000m²300〜800万円50〜100万円
中規模(トラック10台以上)1,000〜3,000m²800〜2,000万円100〜300万円

申請手数料の差額

許可区分申請手数料
積替保管を除く収集運搬73,000円
積替保管を含む収集運搬81,000円 (+8,000円)

重要 積替保管施設の設置には申請前に行政との事前協議(3〜6ヶ月)が必要な自治体が多いです。土地確保から許可取得まで合計1年以上かかるケースもあるため、早期に管轄の都道府県廃棄物担当課に相談することを強く推奨します。

許可取得後の義務(マニフェスト・車両表示・変更届・更新)

許可取得後も継続的な義務があります。違反すると許可の取消・業務停止命令の対象となります。

マニフェスト(産業廃棄物管理票)の運用

収集・運搬業の許可を受けた事業者は、すべての収集・運搬に際して電子マニフェストまたは紙マニフェストを使用することが義務付けられています(廃棄物処理法第12条の3)。電子マニフェストはJWセンターのシステムで管理されます。

許可証・車両への表示義務(掲示義務)

廃棄物処理法施行規則に基づき、収集運搬に使用する車両の両側面に以下を表示することが義務付けられています:

  • 産業廃棄物収集運搬車」の文字
  • 会社名(氏名)
  • 許可番号

また、許可証の写しを車内に備え付けて携帯することも義務です(施行規則第7条の2の2)。

変更届・廃業届

  • 会社名・所在地・代表者・使用車両等の変更が生じた場合は10日以内に変更届を提出(廃棄物処理法第14条第12項)
  • 業を廃止した場合は廃止後30日以内に廃業届を提出

5年ごとの更新

許可の有効期間は5年間です。有効期限の2〜3ヶ月前から更新申請の準備を開始してください。更新申請にも更新課程の修了証(JWセンター)と更新手数料(73,000〜81,000円程度)が必要です。

電子マニフェストの活用と2026年度の動向

産業廃棄物収集運搬業者にはマニフェスト(産業廃棄物管理票)の運用が法律上の義務です。電子マニフェスト(JWNET)の利用率が年々拡大しており、2026年度に事業を始める場合は開業前から体制整備を進めることを推奨します。

電子マニフェスト(JWNET)の基本情報

項目内容
運営公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)
収集運搬業者の年会費3,000円/年
特別管理産廃取扱事業者電子マニフェストが義務(廃棄物処理法第12条の5)
一般産廃収集運搬任意(大手排出事業者との取引では事実上必須になるケースが増加)

2026年度に事業者が確認すべきポイント

  • 大手発注元の要件確認:ゼネコン・大手不動産会社などはJWNET対応を取引条件にしている場合が多い。開業前に主要取引先の要件を確認すること
  • 電子申請の拡大:許可申請自体もマイナポータル・各都道府県の電子申請システムへの移行が進んでいる
  • 法改正の最新情報:環境省は廃棄物処理法の運用ガイドラインを定期的に更新している。申請前に所管都道府県または環境省の廃棄物・リサイクルページで最新の義務化対象範囲を確認すること

開業前の準備として JWNET加入手続き自体は許可取得後が一般的です。ただし、許可取得前からJWセンターのWebサイトでシステムの仕様・料金・研修スケジュールを確認し、マニフェスト発行・報告・保管の業務フローを事前に計画しておくと開業後の混乱を防げます。

産廃マニフェスト(管理票)の基礎知識|許可を取ったら必ず理解すること

産業廃棄物収集運搬業許可を取得した後、**マニフェスト(産業廃棄物管理票)**の運用は法律上の義務です(廃棄物処理法第12条の3)。許可取得後に「マニフェストとは何か?」で悩む事業者が多いため、専用セクションとして解説します。

マニフェストとは何か

マニフェストは産業廃棄物の「処理の流れを証明する伝票」です。排出事業者→収集運搬業者→処分業者と廃棄物が移動するたびに誰が・いつ・何を・どこに運んだかを記録し、不法投棄を防止する仕組みです。

紙マニフェストの票の流れ

役割
A票排出事業者が保管(自社控え)
B1票収集運搬業者が保管(運搬の記録)
B2票収集運搬業者→排出事業者へ返送(運搬完了証明)
C1票収集運搬業者が保管
C2票処分業者→排出事業者へ返送(処分完了証明)
D票処分業者が保管
E票処分業者→排出事業者へ返送(最終処分完了証明)

収集運搬業者はB1票・B2票・C1票を管理し、運搬完了後90日以内にB2票を排出事業者に返送しなければなりません(第12条の3第3項)。

電子マニフェスト(JWNET)

紙マニフェストの代わりに、JWセンター(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター)が運営する電子マニフェストシステム(JWNET)を利用できます。

項目内容
収集運搬業者の年会費3,000円/年
電子マニフェストが義務となる事業者特別管理産業廃棄物を排出する事業者・多量排出事業者
メリット票の返送不要・照合自動化・保管場所が不要
公式サイトhttps://www.jwnet.or.jp/

重要 マニフェストを交付せずに産業廃棄物を引き渡すことは、廃棄物処理法第12条の3違反です。収集運搬業者側もマニフェストなしでは廃棄物を受け取ってはなりません(罰則:1年以下の懲役または100万円以下の罰金)。

マニフェストの保存義務

  • 収集運搬業者は受け取ったマニフェスト(B1・C1票)を5年間保存する義務があります(廃棄物処理法第12条の3第6項)
  • 5年経過後は廃棄可能ですが、それ以前の廃棄は違法です
  • 都道府県による立入検査時にマニフェストの提示を求められるため、保管場所・管理体制を開業前に整えてください

廃棄物処理法の改正と2024年以降の収集運搬業への影響

産業廃棄物収集運搬業の許可・運営にかかわる法制度は継続的に整備が進んでいます。2024年以降に事業開始・更新を予定している事業者が押さえておくべき主な変化をまとめました。

(1) 電子マニフェスト義務化の動向と拡大

現在の義務範囲(廃棄物処理法第12条の5):

  • 特別管理産業廃棄物 を排出する事業者(排出業者): 電子マニフェストの使用が法律上の義務
  • 一般の産業廃棄物: 電子・紙のどちらでも可(任意)だが、大手発注元の取引条件として電子マニフェスト対応を求めるケースが増加中

収集運搬業者への実務的影響 特別管理産廃を収集・運搬する業者は、排出事業者と同じ電子マニフェストシステム(JWNET) で照合・回付を行う必要があります。特別管理産廃を扱う予定がある場合は、許可取得と同時にJWNET加入を進めることを推奨します(年会費3,000円)。

廃棄物区分電子マニフェスト備考
特別管理産業廃棄物義務(排出事業者)収集運搬業者も対応必須
一般産業廃棄物任意(電子・紙どちらでも可)大手発注元は電子を要求するケースあり

(2) 収集運搬車両の適正管理・GPS追跡の動向

環境省は不法投棄の防止を目的として、産業廃棄物収集運搬車両の動態管理(GPSを活用したルート記録) の活用推進を検討・促進しています。現時点では GPS 装備の法的義務化はないものの、一部の都道府県・市区町村では発注する公共工事の条件として GPS 記録を求めるケースが出始めています。

開業前に確認すべき点 主要な取引先(ゼネコン・自治体・大手製造業者)がGPS記録を要件としているか、取引前に確認することを推奨します。GPS機器は月額数千円〜で導入でき、コンプライアンス証明・配車効率化にも活用できます。

(3) 許可更新時の講習義務と最新カリキュラム

産業廃棄物収集運搬業の許可更新には、JWセンター(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター)の更新課程講習の修了証が必要です(廃棄物処理法第14条第4項)。

2024年度以降の講習に関する主な変更点:

  • 講習修了証の有効期間: 修了証取得後2年以内(許可更新申請の添付書類として)
  • オンライン受講(e-ラーニング)の拡大: 座学部分は一部オンラインで対応可能に(詳細はJWセンター公式サイトで確認)
  • 受講申込: JWセンター公式サイト(jwcenter.or.jp)からオンライン申込。定員制で3〜4ヶ月先まで埋まるケースもあり、更新期限の6〜8ヶ月前に受講予約することを推奨

更新を忘れると失効 有効期間(5年)を過ぎると許可が自動失効します。失効後も収集運搬業を続けた場合は無許可営業として5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(廃棄物処理法第25条)が科されます。更新手続きの開始時期をカレンダーで管理することが重要です。

出典: 環境省「廃棄物処理法の概要」(https://www.env.go.jp/recycle/waste/laws.html)、JWセンター(https://jwcenter.or.jp/)

産業廃棄物収集運搬車への表示義務(環境省パンフレット)
産業廃棄物収集運搬車への表示義務(環境省パンフレット)— 廃棄物処理法に基づき、収集運搬車両の両側面に「産業廃棄物収集運搬車」の文字・許可業者の名称・許可番号の表示が義務付けられています。表示なしの車両による収集運搬は違法です。出典:環境省(産業廃棄物収集運搬車への表示・書面備え付け義務)

まとめ

産業廃棄物収集運搬業許可は、廃棄物処理法に基づく都道府県知事の許可が必要な業種で、無許可営業には5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金という厳しい罰則があります。

申請に際しては、JWセンター講習会の修了証の取得が必須要件となっており、書類準備を含めると全体で4〜6ヶ月を見込んでください。また、許可は都道府県ごとに必要なため、複数都道府県で事業を行う場合はそれぞれの申請が必要です。

取得後も、マニフェスト運用・車両表示・5年ごとの更新という継続的な義務があります。

書類の準備や欠格事由の確認、複数都道府県への申請など、手続きが複雑で不安を感じる場合は行政書士への相談が効果的です。産業廃棄物関連の許可を専門とする行政書士であれば、書類作成から申請代行まで一括でサポートしてもらえます。

許認可ナビ編集部

行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。

最終更新:2026年4月24日

相談窓口

「産業廃棄物収集運搬業許可申請(積替保管を除く)」を専門家に任せたい方へ

行政書士に依頼すると、書類作成から申請まで一括でサポートを受けられます。フォームには「産業廃棄物収集運搬業許可申請(積替保管を除く)」が自動で入力されます。

産業廃棄物収集運搬業許可申請(積替保管を除く) について相談する(無料)

✓ 初回相談 無料 / 24時間以内に返信

無料で相談する