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そうざい製造業許可の取り方|施設基準・必要書類・費用・審査期間を解説

惣菜工場・デリカ・宅配食・冷凍惣菜EC等を開業するなら「そうざい製造業許可」が必要。申請費用は**14,000〜21,000円**、審査期間は**2〜3週間**。食品衛生責任者の選任と施設基準への適合が申請前の最重要ポイント。

許認可ナビ編集部·

この記事でわかること

  • そうざい製造業許可が必要なケースと不要なケース
  • 取得できない人(欠格事由)
  • 申請前の準備:食品衛生責任者・施設基準・HACCPの3本柱
  • 必要書類(個人申請・法人申請)
  • 申請の流れ STEP1〜6
  • 費用:申請手数料 14,000〜21,000円 / 行政書士報酬 約49,800円
  • 審査期間:2〜3週間
  • よくある失敗パターン5選
  • 許可取得後の義務(掲示義務・更新・変更届)

そうざい製造業許可が必要なケース

食品衛生法第55条第1項および同施行令第35条第28号に基づき、以下に該当する場合に許可が必要です。

許可が必要なケース

  • 惣菜(煮物・揚げ物・焼き物・蒸し物・あえ物・酢の物等)を製造して販売する場合
  • 持ち帰り惣菜店・デリカテッセンとして店舗で惣菜を製造販売する場合
  • セントラルキッチンで複数店舗向けに調理済み惣菜を提供する場合
  • 通販・ECで真空パック・冷凍惣菜を製造販売する場合
  • スーパー・コンビニ向けに惣菜を卸売する惣菜工場を営む場合

許可不要なケース(注意:別許可が必要)

  • 店内飲食を主とする飲食店で惣菜も提供する場合 → 飲食店営業許可で対応(惣菜製造業は不要)
  • 包装済み惣菜の販売のみ(自社製造なし)→ 営業届出で対応
  • 弁当・寿司・調理パン等の半製品を製造する場合 → そうざい半製品等製造業許可が別途必要

注意 2021年6月の食品衛生法改正で「飲食店営業」から独立した業種です。改正前から飲食店営業許可のみで惣菜製造・販売を行っていた事業者は、経過措置終了後(2021年6月1日)に許可の見直しが必要でした。

取得できない人(欠格事由)

食品衛生法上の欠格事由に該当する場合、許可を受けることができません。

個人申請の欠格事由

  • 食品衛生法・関係法令に違反して刑に処せられ、その執行を終わった日から起算して2年を経過しない
  • 食品衛生法違反で許可を取り消されてから2年を経過しない

法人申請の欠格事由

  • 法人の役員に上記の欠格事由に該当する者がいる場合

重要 食品衛生法上の欠格事由は刑事処罰歴が中心です。古物商許可や宅建業免許に比べるとシンプルですが、直近2年以内の食品関係の法令違反歴がある場合は申請前に弁護士・行政書士への相談を推奨します。

申請前の準備

申請の成否を左右する3つの準備が必要です。特に施設整備は費用・時間ともに最大のハードルとなります。

食品衛生責任者の選任

食品衛生法により、施設ごとに食品衛生責任者を1名置くことが義務付けられています。

資格要件(以下のいずれか)

  • 調理師・栄養士・食肉処理衛生管理者等の有資格者
  • 食品衛生責任者養成講習会の受講者(各都道府県食品衛生協会が主催 / 約6時間 / 受講料6,000〜8,000円程度)

重要 食品衛生責任者は名義貸しが禁止されており、実際に施設で勤務する者でなければなりません。申請者本人が講習を受けることが最もシンプルな対応です。

施設基準への適合(保健所事前相談が必須)

施設の構造・設備は食品衛生法施行規則別表第二に定める基準を満たす必要があります。保健所に図面を持参して事前相談を行い、着工前に基準適合の確認を受けることが不可欠です。

主な施設基準ポイント

項目基準の要点
製造区域区分加熱・冷却・包装・原材料保管の各区域を区切る
床・壁・天井清掃しやすい材質(コンクリート・タイル等)、防水性
給排水設備手洗い設備(専用)、給湯設備、排水溝の完備
廃棄物管理蓋付きの廃棄物容器、専用の廃棄物置き場
冷蔵・冷凍設備温度計付き冷蔵庫・冷凍庫(必要に応じ)

保健所事前相談は必須 施設工事着工後に「基準不適合」が判明すると、改修費用が追加でかかります。必ず図面段階で相談を受けること。

HACCPに沿った衛生管理計画の作成

2021年6月より、すべての食品事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務付けられています(小規模事業者は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」で可)。申請前に衛生管理計画書を作成しておくとスムーズです。

必要書類一覧(個人申請)

保健所への提出書類は以下の通りです。

書類取得先・備考
営業許可申請書(第1号様式)保健所窓口または保健所HPからダウンロード
施設の構造・設備を示す図面自社作成(保健所の記入例を参考に)
食品衛生責任者資格証の写し資格証・修了証のコピー
水質検査成績書水道水以外を使用する場合のみ(直近1年以内)
登記事項証明書法人の場合のみ(法務局、発行後3ヶ月以内)
委任状行政書士等に申請代理を依頼する場合
手数料14,000〜21,000円(都道府県・業態規模により異なる)
食品衛生法 営業許可申請書(第55条第1項)記入例。氏名・施設所在地・食品衛生責任者・業種名等の記入例が赤字で示されている。
食品衛生法 営業許可申請書の記入例(大阪市・個人申請の場合)出典:大阪市 食品衛生法 申請書記入例

必要書類一覧(法人申請の追加書類)

法人(会社)で申請する場合は、個人申請の書類に加えて以下が必要です。

追加書類備考
登記事項証明書法務局で取得(オンライン申請可)。発行後3ヶ月以内のもの
定款の写し会社の定款コピー
役員一覧登記事項証明書で代替可

法人設立と同時申請の場合 法人設立前に許可申請はできません。設立登記完了 → 登記事項証明書取得 → 許可申請の順番で進めてください。

食品営業許可申請に必要な施設平面図の記入例。施設全体平面図と調理室拡大図の2段構成。加熱区域・冷却区域・入出口・手洗い設備の位置・寸法が示されている。
施設の構造及び設備を示す図面(注意点と記入例)出典:京都市 食品営業許可申請 図面の注意点と記入例

申請書の重要項目(記入ミスが起きやすい欄)

申請書の記入誤りで差し戻しになるケースが多い項目です。

よくある記入ミス

  1. 業種名の誤記:「惣菜製造業」ではなく「そうざい製造業」が正式名称。食品衛生法施行令第35条第28号の名称を確認する
  2. 施設所在地と営業許可番号の混同:既存の飲食店営業許可がある場合、新規申請で許可番号欄を空白にすること
  3. 食品衛生責任者の氏名:資格証の氏名と完全一致が必要。改姓している場合は変更手続きを先に行う
  4. 申請者と施設管理者の区別:代表者と食品衛生責任者が別人の場合、両者の情報を正確に記入する
  5. HACCPの実施状況欄:未記入になりやすい。「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を選択するケースが小規模事業者に多い

事前相談で確認を 記入例は保健所窓口でも配布しています。申請書を作成したら、提出前に担当者に確認を依頼することをお勧めします。

申請の流れ(STEP1〜6)

STEP 1:保健所への事前相談(目安:申請の2〜3ヶ月前)

施設図面を持参し、施設基準・必要書類・申請のタイミングを確認します。この段階で担当者のアドバイスを受けることが、スムーズな許可取得の最大のコツです。

STEP 2:食品衛生責任者の確保(目安:1〜2ヶ月前)

資格を持つ者がいない場合は、養成講習会を受講します。講習会は都道府県食品衛生協会が主催し、日程は各協会のHPで確認できます(所要約6時間)。

STEP 3:施設の整備・HACCP対応(目安:1〜2ヶ月前)

保健所の事前相談をもとに施設を整備します。加熱・冷却・包装・原材料保管の各区域を区分けし、手洗い設備・排水設備を整えます。HACCPに基づく衛生管理計画書も並行して作成します。

STEP 4:申請書類の提出(目安:開業の2〜3週間前)

管轄保健所の窓口に申請書・図面・食品衛生責任者の資格証明等を提出し、手数料(14,000〜21,000円)を納付します。

STEP 5:施設検査(目安:申請から約1〜2週間後)

保健所職員が現地に来て、施設の構造・設備が基準に適合しているか検査します。軽微な不備(掲示義務の未履行等)は当日の指摘で対応できる場合があります。

STEP 6:許可証の交付・営業開始(目安:検査から数日以内)

施設検査に合格すると、許可証が交付されます。許可証を受け取るまで営業開始は禁止です。許可証を受け取ったら、食品衛生責任者プレートとともに施設内の見やすい場所に掲示します。

費用と審査期間のまとめ

申請手数料(行政手数料)

項目金額
申請手数料(都道府県・業態規模による)14,000〜21,000円
食品衛生責任者養成講習会受講料6,000〜8,000円程度
施設整備費(規模・状況による)50万〜数百万円(大きく変動)

行政書士に依頼する場合

  • 申請代行報酬:49,800円程度が相場
  • 合計(手数料込み):約65,800〜68,800円

審査期間

  • 標準処理期間:2〜3週間(施設検査の日程調整次第)
  • 書類不備があると差し戻しとなり、2〜4週間追加でかかることもある

最も時間がかかるのは施設整備 申請書類の準備は1〜2週間でできますが、施設工事は規模によって1〜3ヶ月以上かかることがあります。開業日を逆算して、余裕を持ったスケジュールを組んでください。

よくある失敗パターン5選

実際に申請で躓くポイントを5つにまとめました。

① 施設整備後に保健所へ相談 → 改修費が追加発生

保健所への事前相談なしに施設を整備・契約してしまい、検査で「仕切り壁が必要」「排水溝の位置が不適」と指摘されて改修費が発生するケースが最多です。契約・着工前に必ず事前相談を受けてください。

② 業種名の取り違え

「そうざい製造業」と「そうざい半製品等製造業」は別の許可業種です。弁当・寿司等の半製品を製造する場合は後者が必要です。何を製造するかを保健所に確認してから申請しましょう。

③ 食品衛生責任者の名義貸し

名義だけ借りて実際には施設に勤務していない場合、行政指導や許可取消の対象になります。実際に現場で働く人を責任者に設定することが必須です。

④ 飲食店営業との二重許可漏れ

店舗で飲食提供と惣菜販売を両方行う場合、「飲食店営業許可」と「そうざい製造業許可」の両方が必要です。片方だけ取得して営業している事業者が見受けられます。

⑤ 許可の有効期間切れ(更新忘れ)

そうざい製造業許可の有効期間は5〜8年(都道府県により異なる)。更新申請を忘れると許可が失効し、営業継続が違法になります。許可証の有効期限を必ずカレンダーに登録してください。

特殊ケース:EC・通販での惣菜販売

冷凍惣菜・真空パック惣菜のEC販売

冷凍惣菜や真空パック惣菜をネット通販で販売する場合も、製造工場(またはセントラルキッチン)でそうざい製造業許可が必要です。

販売方法ごとの許可の考え方

販売形態必要な許可
冷凍・冷蔵惣菜のEC販売そうざい製造業許可(製造施設)
常温レトルト惣菜のEC販売密封包装食品製造業許可(別途必要)
既製品の転売・代行販売食品衛生法に基づく営業届出

複数店舗・セントラルキッチン

セントラルキッチンで製造し、複数の直営店舗に配送する形態では、セントラルキッチンの所在地でそうざい製造業許可を取得します。各店舗では飲食店営業許可または営業届出が必要な場合があります。

許可取得後の義務

許可取得はゴールではありません。以下の義務を継続して守る必要があります。

食品衛生責任者の掲示義務(必須)

食品衛生責任者の氏名を記載したプレート(標識)を施設内の見やすい場所に掲示することが義務付けられています。東京都など各地の食品衛生協会でプレートを購入できます(800〜2,400円程度)。

掲示義務 食品衛生責任者プレートを掲示しない場合は行政指導の対象です。許可証交付後、速やかに施設内に掲示してください。

許可証の更新(有効期限管理)

  • 有効期限:5〜8年(都道府県・施設の清潔度等により異なる)
  • 更新申請は有効期間満了の1ヶ月前までに管轄保健所へ提出
  • 更新申請手数料:8,200〜14,000円程度

変更届(施設の変更時)

以下の変更が生じた場合は、速やかに保健所へ変更届を提出する必要があります。

  • 施設の平面図に変更が生じた場合(増設・改修)
  • 食品衛生責任者の変更
  • 法人の名称・所在地・代表者の変更

廃業届(廃業時)

営業を廃止した場合は、廃業届を管轄保健所に提出します。

HACCPに沿った衛生管理の継続記録

衛生管理計画書に基づき、日々の衛生管理の記録(温度チェック・清掃記録等)を作成・保存します。行政の立入検査時に提示を求められます。

食品衛生責任者プレートの見本。「食品衛生責任者」と書かれた青地の標識プレート。施設内の見やすい場所への掲示が義務付けられている。
食品衛生責任者プレート(東京都食品衛生協会・プレート見本)出典:東京都食品衛生協会 食品衛生責任者プレート

まとめ:そうざい製造業許可取得の流れ

ポイントの整理

項目内容
根拠法令食品衛生法第55条第1項・同施行令第35条第28号
申請先管轄保健所
申請手数料14,000〜21,000円
審査期間2〜3週間
有効期限5〜8年(更新制)
難易度「ふつう」(施設整備のハードルが最大)

行動プラン

  1. まず保健所に電話して事前相談の予約を入れる
  2. 施設の図面を作成して相談に持参する
  3. 食品衛生責任者を確保する(未資格なら養成講習会に申込)
  4. HACCPに基づく衛生管理計画書を作成する
  5. 施設整備完了後、書類を揃えて申請

書類準備・施設基準への適合に不安がある場合は、食品衛生専門の行政書士への相談が有効です。申請代行報酬は約49,800円が相場で、保健所との折衝・書類作成をすべて代行してもらえます。

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許認可ナビ編集部

行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。

最終更新:2026年5月2日

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